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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「ブルータス、お前もか……」なんて言わせない!!

作者: 黒猫

勢いで書きました。処女作です。


連載をしようと思ってる作品があり、文章の書き方、表現その他色々と参考にしたいので、どんな感想でもくださると嬉しいです。


『「ブルータス、お前もか……」

 ガイウス・ユリウス・カエサル、議会への移動中、ポンペイウス回廊にて暗殺者の凶刃の前に倒れる。享年56。』



「うぇえぇぇん!!カエサルぅぅぅぅ!!!死んじゃ駄目だ!カエサルはハゲの希望なんだーーー!!!」



 伝記ひとつで泣く男、黒猫、18歳。

 今日はそんな彼のお話。


 ――――――――――――――――――――――



 受験戦争中、疲れて寝てたら赤ちゃんになってることってよくあるよね?みんなも1度はそうなったことあるんだよね??


 ……ゴホン。未だに絶賛混乱中の高校三年生です。


 だってさ。ネット小説ではよくある展開だけど、実際にそんなことが起きて受け入れられる?多分1週間くらい経つけど俺にはそんなこと無理だね!!


「%£#℃@*●#&*%¢§$%£#&℃*◆〒→⊆※」


 ……いっけね。母乳タイムがきたみたいだ。

 とりあえず今日はここまでだな!!!では。


 ―――――――――――――――――――――――



 みんな、覚えてくれてるかな?俺だよ俺(詐欺ではありません)。


 転生(?)してから約1年。わたくし、言葉が判るようになりましたのーーーおーほっほっほ。

 ……俺にも色々あったんだよ。

 とりあえず、子育てされる方はたまったもんじゃないということがよくわかりました。どこの羞恥プレイだよとか何度思ったことか(遠い目)。おかげさまで転生の方に驚いてる暇があったら、どうやって成長してこの羞恥プレイを乗り切るかを考える方が良いって思える様になりました。

 未来にいらっしゃる父様、母様、私はまた1歩成長したようです……


 あ、そうそう、未来で思い出した。言葉が解ったことでどんな世界にいるのか解った。ズバリ紀元前1世紀のローマだな!!!

 まず父親がオクタヴィウスだろ、母親がアティアだろ……そして叔父が俺の尊敬する人物第1位!!ガイウス・ユリウス・カエサル!


 なに、カエサルを知らない?んじゃジュリアス・シーザーは?これは知ってる人もいるか。ラテンユリウス・カエサル英語ジュリアス・シーザー読みしただけなんだけどな。


 どんな人か簡単に言うとだ。昔のイタリアで行政権を議会から大統領に移した。


 例えばだな、東京から離れた鹿児島で桜島が噴火した時に、日本ならどっかの大臣が直ぐに復興支援を決めてくれたりするわけだ。

 これが当時のローマだと遠くから復興支援のお願いが来てから議会でどんな処理をするのか、責任者は誰なのか、予算がどれくらいなのかをいちいち考える。当時は便利な交通手段なんてないから余計に時間がかかる。


 だからカエサルは法律を作る権利を議会に残したまま、緊急の政策ができるように政治の権利を議会から取り上げ、終身の大統領みたいなものになった。

 更にカエサルは疲れた馬の交換システムとかにも努力した。つまり情報交換システムの効率化をした訳だ。

 ネット社会の今の人には情報の大事さが分かってるはず。それにカエサルは今から2000年以上も前に気づいて工夫してた。

 豆知識だが、英語の「7ジュライ」の語源はジュリアス・シーザー。今でもその威光(?)は残っている。


 凄さが解ってもらえたかな?


 だけど、行政権をとりあげられて不満の溜まった議員の一部が、カエサルを暗殺してしまうんだ。

 その時の有名な一言が「ブルータス、お前もか」。

 自分が目をかけてた若者に裏切られてカエサルもショックだったろうに……


 という訳でだな、俺は尊敬してる人の暗殺は起きて欲しくない。カエサルは俺の叔父としても良い人で、しょっちゅうお土産くれるしな(現金で何が悪い、いや何も悪くない←反語は受験生の常識テクニック)。

 だから俺はカエサルの暗殺を阻止する!歴史改変による矛盾なんて知ったこっちゃない!


「ブルータス、お前もか」なんて言わせない!!



「ガイウス~ご飯の時間でちゅよー」


 うむ。意外に旨い離乳食が俺を待ってくれているようだ。

 因みに離乳食はダイエットにもお薦めらしい。……おっと、ご婦人方の目が怖くなってきたので今日は退散!!では。

 秘技!爆走ハイハイ!!


「ふぎゃああああああああああああああああ!」


 教訓。赤ん坊の身で無理をしてはいけません。



 ―――――――――――――――――――――――



 あーあー、俺だよ俺(2回目)


 あれから5年。

 ちょっと前に親父が病気で亡くなってしまったんだが、何処かで本当の親じゃないと思っているのか、余り悲しくなかったんだ。

 勿論、肉親としての情はあるから悲しいんだが、思ったより悲しめなかったというか何というか……


 ……カエサルのことは考えてるのかだって?餅のローンさ!

 色々考えてた。カエサルの人生をプレイバック!したりとかして。だけど早速そこでひとつ問題が……


「カエサルの暗殺計画実行は阻止できない。」


 どういうことか、それを詳しく説明しようとすると長くなる。だから簡単に言うぞ。


「カエサルは紳士の約束を信じた。」


 カエサルは暗殺の前に議員とお互いに暗殺しないっていう「紳士の約束」をしていた。この「紳士の約束」っていうのを日本風に言うとだ。

「男(武士)に二言はない。」

 つまり、別に法律的な義務はないけど、破ったら男として最低なやつってものだ。

 そんで暗殺計画についての報告が来ても、「今度読もう」とか言って無視しちゃうんだよな……。


  カエサル、その男前は此処では発揮しないでくれ……



 そんで色々考えた結果、俺の方針はこうなった。

 その1!武器無しでカエサルを守れるくらいに強くなる!!

 その2!議員になる!!


 1番は解ってくれると思う。武器無しでっていうのはその会場には武器を持っていけないからだ。暗殺犯はボディチェックを買収して武器を持ち込む。だから武器無しで相手を制圧できる様にならないといけない。勿論、俺もボディチェックを買収するけどな!でもカエサルにバレたら恐らく止められる。だから念のために無手で勝てるようにならなきゃな。

 幸い、相手は素人。高校で空手の有段者だった俺なら何とかできる……はず。

 なんだが、ここで問題が。

「俺、病弱説。」

 父親がもう亡くなってしまったことからも予想はつくんだが、この体はヤバい。日光で頭が痛くなるくらいにはヤバい。

 転生チートの代表。小さい頃からマッスル!も…………無理です。体が悲鳴をあげてますって痛い痛い痛い痛い!!

 こんな体でカエサルを守れるのだろうか……


 次、2番。議員にならなきゃいけないのは暗殺会場が議会だからなんだが、これが大変。

 何が大変かというと、「年齢」だ。

 議会には年齢制限がある。俺はこのままだとカエサル暗殺の時にはまだ15か16歳。議会に入れる年齢じゃない。

 とりあえずは有能さを見せてカエサルに特例を認めてもらえるように動くしかないか……


「ガイウス!浴場閉まっちゃうわよ!!!」

「ぇ!直ぐに行きます。直ぐにいくからーー!!!」


 今日はここまでみたいだな。では。

 本場のテルマエ・ロマエが俺を待っている!!


「急に家を出たら駄目で……「いってきまーす!!」……しょ。」


「眩し!!」

 ……頭いたい……


 ―――――――――――――――――――――――


 全国の皆さん!こんにちはーー!!俺だよ俺(最早お約束?)


 早速だがこれまで俺がどうしてきたかをちょっと語らせてくれ。


 まず体を鍛えてカエサルを守る話だが、俺には無理だったよ……

 勿論、剣の型なんかは学んだんだが、俺の先生がみんなおんなじことを言う。

「「「筋肉が足りない!!」」」

 うるせぇ!そんなことわかっとるがな!!……失礼しました。だけど、本当に駄目だ。腕立て伏せ100回で吐いてしまったりとか……

 母も凄い心配して体調崩すし、自分にも周りにも良くないので、断念……


 だが、まだ諦めない!俺にも秘策があるんだ!!

 すばり、合気道!

 これなら筋肉要らないぜ!、が、問題なのは俺が合気道は少しかじっただけってとこなんだよな。あと、合気道はローマにはない技術体系だし。流石に殴る蹴るの空手と違って誤魔化しができないよな……。


 という訳で私、毎晩カエサルを守るためにイメトレしてます。

 こうやってこうすると関節が外れて……あれ?これ逆向きか?……とりあえずコツコツ続けよう。



 次、カエサルに才能を認めてもらう話。これこれ、こっちがしたかった。

 カエサルは戦争に行って帰ってこない。俺の知識と照らしあわせるに「ガリア戦役」だな。これでカエサルが活躍し、人気が上がって改革を恐れた人が内乱をおこすきっかけになる。

 その内乱にカエサルが勝って議会の改革を始め、終身大統領になり……まぁ、その直後に生き残った反対派を中心にした人々に暗殺されてしまうのだが、それはとりあえず置いておいて。

 つまり、次にカエサルが帰ってくる頃にはローマで戦争が起きる訳だ。動乱の時代。成り上がるにはもってこいだ!俺のチート戦記の幕開けだな!!


 ってことで俺は内乱で活躍するための知識を仕入れることにした。雌伏の時ってやつだ。

 まず、ローマっ子の嗜み。ローマっ子の常識。「弁論術」。要するに相手を説得する方法を学ぶ学問だが、正直、チョー頑張った。もう頑張りまくった。その結果、弁論術の先生からお墨付き頂きました!「「もう教えることはない」」ってさ!!国語でセンター試験9割とった男にはこんなの朝飯前だね!

 ……調子乗りました。すんません。本当は日本語の論説文と全然違って慣れるまでもの凄く苦労しました。分かりやすい文章ではなく共感できる文章を書かなきゃいけないから……

 慣れてからは楽だったんだが、それまでが遠かったよ……ややボッチの身にコミュ力を求めるな!病弱だから友達できなかったんだよ!!……カエサル暗殺を防ぐことしか考えてなくて友達をつくろうともしなかったことは否定しないでやろう。うむ。


 他で俺が特に勉強したのは軍事。カエサルに認めてもらうには内乱で活躍しないといけないからな!

 俺の知識チートが火を噴くぜ!

 アレクサンドロス、ハンニバル、スキピオ……ローマの名将の戦術はいつでも解説できるくらいだ。

 んで、その結果なんだが。

 先生曰く、「柔軟性がない。突発的な事態に弱い。 つまり、センスがない。」

 ……うすうす解ってたよ。俺が知ってるのは謂わば公式。昔の戦いを学んで沢山の公式を知ってるだけだ。

 まぁでも、先生にも凡人とは言われたが、凡人でもそれなりの武将にはなれる。ってことでこれもコツコツ続けていこう。


 そんなこんなを語ったのは何故かというと。


 産まれてかれこれ16年。

 遂に来ました!!俺の活躍するチャンスが!!!

 内乱で俺の初陣が決定したんだ!!

 場所はヒスパニア(現在のスペイン)。実はアフリカが初陣の予定だったんだが、

 母さんが「船に乗らなきゃいけないそんな遠くに行くのは危険だと思うの。初陣なんだし、もっと安全なところから始めよ?ね?」っていうから……母さんそんな捨てられた犬みたいな目で俺を見ないで。ほんとそんな目しないで母さんほんとやめて。「解りましたよ……」


 まぁ、結果的に初陣がカエサル直下の軍になったので結果オーライ!

「俺だよ俺」のチート戦記がいよいよ、始まる。



「よっしゃああああ!!!やるぞぉぉぉぉぉぉ」


 ……興奮しすぎて貧血が…………


「え、ちょっと!!ガイウス大丈夫!?やっぱり戦争なんてやめた方が……」


(母さん……たぶん大丈夫。)



 結果。

 カエサルの出発についていけず、回復してからスペインへ行くことになりました。


 俺の活躍が…………



 ―――――――――――――――――――――――



「トゥリヌス様!ご無事ですか?何処におられますか!??」


「此処だよ此処!!」


 こちらスペイン。勢いこんで来たものの、見ての通り大ピーンチ!

 もうね。目の前に敵がいて包囲されてるとかピンチ以外の何物でもないよね。


 ……とりあえず。

 何とかしないと話終わるから!まだブルータス出てきてないから!!


 何故こうなったのか。簡単に言うと船が漂流しました。着いた所は敵の陣地!!


 生き残らないと。

 とりあえず降伏して、得意の弁論術で上手いことカエサルと合流できる様に交渉すれば……「奴等の軍旗、奴等はカエサル軍だ。殲滅せよ。一人でも残せば我等に明日はない!!」


 無理ぽ。一か八か、突っ切るしかない様です。深呼吸をして……やっぱ降伏していい?駄目?さいですか。……そうですか……はぁ。鼓舞しなきゃ。


「今、我等は包囲されている。諸君も解っている通り、退路はない。故に残された手段はただひとつ!正面突破だ。敵陣の突破を目指し、ただひたすら前に駆けよ。我等が軍の将はカエサル。カエサルの名に相応しい戦いを見せつけよ。全軍突撃!!」


「「「「おおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」」


 …………其処からどう突破したのかは正直解らない。ただ教わった型もへったくれもなく剣を振るう。何人切ったのかも解らない。人殺しを実感する前に恐怖が剣を振るっていた。追い付かれる前に。追い付かれないように。何処かも解らず馬を疾らせた。


 そしてふと後ろを振り返ると、離れた所に味方が散り散りに走っているのが見えた。戦場で離ればなれになるのは愚策だ。

 だから俺は旗手を見つけ、旗手と共に声を張り上げ軍を集めた。貧血でぶっ倒れそうな体を気合いで起こし、嗄れた声をあげ続ける。ある程度集まったら他に味方がいないか呼び掛けつつ、追い付かれないように移動を開始した。



 最強行軍で進むこと1日。俺はカエサル軍と合流し、耐え難い貧血でぶっ倒れるのだった。


 そして、その2日後。目が覚めた俺は数年ぶりにカエサルと再会する。



 ―――――――――――――――――――――――



「誰?」

「俺です俺。ガイウス・オクタヴィウス・トゥリヌスです。」

 会って早々に叔父カエサルから「誰?」とか聞かれた件について。………俺、叔父カエサルに活躍を認めてもらって特例で議員にならなきゃいけないんだけど。


「いやーすまん。前に会った時から随分変わっているので混乱してしまったわ。」

 確かに13~16歳って成長期真っ最中だし、数年でも会わなかったらそういう反応になるか。

「いえ、気にしてません。」

 寧ろ気になるのは……

「結局、何人が戻って来れましたか?」

「……約半数だな。残りはどうしているか分からん。勿論、見つけ次第軍に回収するが……」

 それを聞いて涙が出てきた。船旅では部下がよく体の弱い俺を気遣ってくれていた。そこまでよく話した訳でもないし、そこまで長期間一緒だった訳でもないが、それでも……俺が部下を死なせてしまったという事実は変わらない。

 責任が、重い。


「恐ろしい目にあったことだろう……嫌なら、もう従軍する必要はない。」

「いえ、そういうことではなく。…………」


 俺は正直に心の内を打ち明けた。それに、従軍しなければ叔父カエサルに活躍を認めてもらえない。初心忘れるべからず。


 それに対して叔父は俺を諭した。


「責任は重い。だが、次々と重なる責任に潰されてはいけない。潰されないよう時々荷を降ろさなければならない。あの時、自分は頑張ったのだと自分が何処かで認めなくては。勿論、だからといって自分は悪くないなどと思うのは傲慢だが。責任を完璧に果たすことはできない。だから、果たせなかった責任について納得していなくても適度な所で切り上げ、次の責任に目を向ける。これが責任を上手く背負うコツだ。だから責任を追い続ける覚悟があるなら覚えておくといい。」


 …………次の責任……か。


「カエサル、次の行軍予定は?」

「ローマに戻る。」


「……………………え?」

「お前の部下からの情報で敵の位置がだいたい解ったのでな。逃げていた敵の残党も制圧することができた。これでスペインの方の問題は無くなった。」


 ……俺、どうやら間に合わなかったようです。


 俺の活躍は!???



 ―――――――――――――――――――――――



 コンコン


「誰だ?」

「俺だ俺。」

「入っていいぞ。」


 …………むさい男が部屋の中に入ってきた。


「どうだ?なんとかなりそうか?」

「いや、最悪仮病かもな。」

「……流石に仮病はやり過ぎじゃないか?カエサルに正直に伝えて……」

「あの叔父カエサルがそんなの信じると思うか?あの人は名誉をものすごく大事にする人だぞ?」


 状況説明。

 結局、あの後、ローマに戻ったのですが、叔父カエサルに引き続き従軍することを母に拒否され、18歳までお預けになりました。


 そう、18歳。


 その年にカエサル暗殺されとるわーーー!!!!


 男たる者、取り乱してはならない。うむ。

 それで何とかしようと、叔父カエサルの紹介で出会ったアグリッパにカエサル暗殺の可能性を打ち明け、協力してもらうようになった。

 因みに、アグリッパは男だぞ。叔父からの紹介と聞いて綺麗な女の子を想像したやつ!出てこい!!

 アグリッパ!お前もか!!実は俺もだ!!!むさい男を紹介された時の俺の気持ちといったら……!!


 ……ごほん。

 それで色々調べたのですが、やはり議員になれないまま18歳になってしまったのです。

 戦場でチートできなかったら内政って思うでしょう。ですが、年齢制限で内政にそもそも参加できません。

 製品チート?あぶみを提案したけど、皆さんの常識の前に敗れさった様です。鐙っていうのは馬の鞍に繋がってる乗馬するときの足の置き場ですね。私も鐙なしの乗馬を練習させられました。下手だけど。


 そして、今。

 18歳になった私に従軍命令が届きました。場所は属州シリア。ギリシャの南に位置しています。

 叔父カエサル曰く、内乱が解決された今が長年の宿敵、パルティアの動きを止める絶好のチャンスなんだそうです。

 歳もとってきて、自分の生きている間に平和を実現しようと叔父カエサルも焦っているのかもしれません。


「せめて叔父カエサルに着いていく形で出陣できれば……」

「無理だろうな。カエサルが暗殺されるかもしれないから従軍拒否なんて事情を知らなきゃただの非常識だ。ていうか、次の会議っていうのは本当なのか?」

「可能性はかなり高い。今度の遠征を叔父カエサルが成功させたら、叔父カエサルの支持は絶対的なものになる。だから改革反対派はこのタイミングで仕掛けてくるはず。そして、叔父カエサルもそれを分かってるからお互いに暗殺しないと紳士の約束をしたんだ。」

「其処までは理解してるんだが……紳士の約束を破るか?普通。」

「奴らは追い詰められている。もう後がない。だから何をするか分からない。」

「アントニウスならカエサルの右腕で暗殺を警戒するなら適任だと思うのだが……信用ならないか。」

「当然だ。独裁者なんて声高に叫んで反対派を刺激するなんてただの馬鹿か裏切り者のどっちかだ。どっちにしろ信用ならないな。」

 …………

 その晩、アグリッパと話し合い続けました。

 しかし、結局どうするか決まらないまま、とりあえず仮病を理由に従軍拒否をすることだけが決まったのです……。



 ―――――――――――――――――――――――



「だーかーら!!俺だよ俺!!!俺たち議員だよ?楯突いてタダで済むと思ってんの?」


 ……結局どうにもならなかった俺はこうして強行突破をしようとしていま……してる。

 これぞ、本当のオレオレ詐欺だな!!


 怯んだ隙に強行突破!!皆さんも詐欺には気をつけてね!

 では。


「作戦決行!!」




 作戦の内容を説明しよう。

 1、叔父カエサルの入場を確認

 2、見張りを強行突破

 3、叔父カエサルを守る


 ……杜撰な計画なのは自覚してる。

 だけど、当日の朝まで門はしっかり閉まってて会場に入れないし、強行突破をする以上、長時間会場に留まることは難しい。だから結局短期決戦を狙うしかないって訳だ。


 ……隣で走りながら器用に溜め息をつきやがってるアグリッパは放っておこう。


 そんな下らないことを考えながら走っていると。


「「「「うあぁァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!!」」」」



 沢山の人が走りながら出てきた!!

 これはまさか!!


「アグリッパ!!」

「ああ、ヤバいな!急ぐぞ!!」


「ブルータス、お前もか……」なんて言わせない!!決意を胸に俺は動悸の酷い体を無理矢理動かした。



 ―――――――――――――――――――――――



 長くも、短くも感じられる時間。

 建物の中を進んでいく。


 そして、角を曲がると。

「叔父さん……」「カエサルっ!!」


 叔父カエサルが男たちに囲まれて倒れていた……


 え……俺のイメトレの成果は……??


 叔父カエサルは口を開くと最後の言葉を口にした。

「ブルータス、お前もか……」


「い…………」



 ―――――――――――――――――――――――



「言っちゃったよ!カエサルぅぅぅぅ!!!」

「おーい、だれかしらないけどーおちつけー」


 落ち着いてられるか!!


「ふざけんな!!カエサル死んじゃったんだぞ!!ハゲにとってすごく大きな損失なんだぞ!!あんたにはわがらないだろうげど……うぇえぇぇん!!」


「そうだな、わからないな、俺が暗殺されたのにおかしくなったことしか俺には分からん。」


 俺が……暗殺…………?


「なっ!!」


 …………夢だったのか?でも目の前にはカエサルがいて……でも此処は回廊ではなく俺の日本の自室で……あれ?


「ふむ、落ち着いたようだから聞こう。此処はどこだ?そしてお前は誰だ?」


 ……とりあえず難しいことは後で考えるか。


「俺だよ俺!!」



「……その口癖は!!!」



 分かってもらえたようだ。

 先程の質問にきちんと答えるのは面倒なので、俺は今一番聞きたいことを聞くことにした。


 確かカエサルって10人以上の女の人と付き合ったことがあるんだよな…………?



「叔父さん!女の子にモテるにはどうしたら良いですか??」


「とりあえずお前が俺をハゲだと思っていたことは解った。」


「……あ」




 まずは二人とも日本語を喋れるようにしましょう。




「ハゲの女たらしがやってくるぞーー!!!」

 そんな風に言われるのも遠くない……未来?


少し……いや、かなり不安なところが沢山ありますが、どうでしたでしょうか?


厳しいお言葉も、優しいお言葉もすべて筆者の糧になると思って何かひとつかいて下さると嬉しいです。

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