鷹宮さんと仲直り(?)
病院から帰ってきたら聞き覚えのある男の声がした。
嫌な予感しかしない。
~・~・~・~
「……何でいるんですか?」
玄関に見たことのある男の靴。
妹の部屋で漫画を読んでいるのは予想通り綾瀬くん。
「あ、お姉ちゃんおかえりー。」
「鷹宮さんおかえりー。」
「…何くわぬ顔でおかえりって言わないでくれません?ていうか、何でここにいるんですか?不法侵入でもしたんですか?」
「お姉ちゃん、違うよー。」
和未はプリントを手渡してきた。
隅っこの方に小さい字で『ごめん、用事あるからあたし行けない。代わりにあやぱんが行くから。幸』と書いてあった。
「…幸の馬鹿。」
「ありがとうって言わなきゃね。お姉ちゃん。」
「……。」
言いたくない。
感謝してるけど言ってしまったら…何かあの漫画オタクに負ける気が……。
「あ、別に言わなくていいよ!俺は用があるついでに届けただけだから。」
微笑んだ後、真剣に謝った彼に私は許してあげようという気持ちと悔しさが入り交じったような感情におそわれた。
「別に許してあげないこともないです。」
必死に考えて出た言葉がまさかのこの言葉。
綾瀬くんは目をきらきら輝かせて和未とハイタッチしている。
いつの間に協定結んだんだこの二人。
呆れ顔の鷹宮さん。
やっぱりまだ怒ってるのかなって思ったけどなごちゃん曰くあれはかなり喜んでいる様子らしい。
「珍しいですよぉ、あんなお姉ちゃんは。写真はお高くなりますな。」
「いくらで売ってくれる?」
「そうですねー…450円ですかね。」
「買ったー!!」
「やめてください。訴えますよ?もう外も暗いし早く帰ってください。」
「……え?何言ってるの?お姉ちゃん。」
…………。
え?
「なごちゃん今日はお邪魔しまーす。」
「構わぬよ。久々だとテンションあがるねぃ。」
「……冗談ですか?まさか……!?」
「お泊まりさせて頂きます!」
「全力でお断りさせて頂きます!」
「でもお母さんからOK出たもん。」
!!??
もうダッシュで階段をかけ降りる。
そして勢いを殺さずリビングのドアを開けた。
「お母さん、何考えるの!?仮にも風邪で休んでる娘がいる身でしょ!?」
「いいじゃないの。なごのお友達が1泊するぐらい。こんなこと滅多にないんだから、ね?」
「性別!!女の子ならまだしも私のクラスメイトの男!!」
「いいじゃないの。減るもんじゃないし、ね?」
「私の神経がすり減っていく!!」
こうして鷹宮さんの夜は過ぎていく……。
おまけ
「お姉ちゃんにしてはかなりの大きさの声ですな。」
「やっぱり迷惑だったかな。」
「いやいや、そう気にすることでもない。でも何でそんなににやけるてるんですか?」
「鷹宮さんが…俺のことクラスメイトの男として認識してくれてるのがあまりにも嬉しくて…!」
「あー……(察し)よかったですね。」
どうも、いつもグダクダの畑中優月です。
最近急に寒くなりましたね。
さて。私ついに数日前にTwitterを始めました(〃ω〃)
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