マイペース演劇部員
素直で真っ直ぐで純粋で。
表情が豊かでいつも楽しそうで見ていて飽きない綾瀬くん。
そんな彼からしたら、あまり笑わずいつも怒っている私のことなんてつまらなくないのだろうか。
~・~・~・~
学校に戻ってきたら先生にどしかられた。
でも、英の必殺☆上目遣いでなんとか許してもらえることができた。
本当にこんな美少女が男なんて信じられない。
「知らなかったんだね!皆知ってるものだと思ってたー。」
「先輩達も知ってたんですか!?」
「当たり前でしょー。ていうか気づかない方がどうかしてるでしょー。」
「……俺…最初、全然気づかんだけどな。」
瞬先輩まで知っていたことに俺はかなりショックだった。
そういうことには鈍そうなのに……。
「翠斗が一番初めに気づいたよ。で、次に麗。その次私で、最後に瞬。」
「解剖を趣味とする俺としては男と女の骨格の違いがすぐにわかってしまうんだよ。」
「キモい、解剖オタクめ。」
「翠斗ー。少しは抑えなさーい。」
「翠斗俺でも引くわ。」
「いいんだ。俺の解剖への愛はそう簡単にはかりしれるものじゃないから。骨格や肉付きの違いなど解剖とは実に素晴らしい!!」
……コーミー先輩、第2の綾瀬くんみたい。
確かに自分らしさは大事だけども。
妙に変態くさいところが受け付けない。
「……私言った……中学入ったら……人が集まるように……なったって……。」
つまり小学生の時に英は男のくせに静かだし、女(野沢菜)に守ってもらってるのはダサいといじめられていた。
だったらいっそ女子にと思って中学に女装していったら皆気づかない様子で話しかけてくるようになった、と。
まぁ、そういうことらしい。
「茶都可愛いからね、先生も許してくれたの!!」
ダメだな、先生っっ!!
もっと厳しくいかなきゃだろ!?
「……あのね……心結私のこと……嫌いじゃない……?」
「何言ってるの。茶都がいなかったら多分生きていけなくなっちゃうよ?だから茶都、これからもずーっとそばにいてね。大好きだよ!!」
「……心結……。」
固く抱き合う二人。
女の子同士の友情なら感動だが英が男だとわかってしまった以上これは不純異性交遊にあてはまるのでは……?
「じゃあ……心結……どこ行ってたの……?」
「あ、あのね茶都にもらったストラップ落としちゃったから探し回ってたの!見つかったんだっ!!」
……野沢菜のマイペースさに巻き込まれたということか。
まったく、いい迷惑なもんだ。
「…あの、麗先輩?劇……しないんですか?」
「あー……今日はもういいやー。皆各自でやってきてー。解散。」
もう俺、ダメだと思う。
このマイペースな部員たち。
風邪をひいてごほごほいいながら小説書いてる畑中優月です。
皆様、畑中のように風邪をひかないようお身体にお気をつけください。