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錆屋敷  作者: 川上純也
1/1

Ⅰ 赤い男から燕尾服の少年まで

 私が、今、胸の高鳴りを抑えられないのには、いくつか理由がある。

 いざ上げてみるとキリが無いのだが、大きな理由としては、私の目の前にそびえる様に存在する大きな木製の扉だ。

 いや、扉は問題ではない。その奥に広がっているであろう、未知の空間にである。

 前に立つだけで圧倒されてしまいようなその扉は、古い洋館の入り口として存在している。

 数年前に進学の関係でこの街に出てきたのだが、あるとき見かけたこの建物に並々ならぬ興味を持った。

 街の景観に全くそぐわない、歩いていたら唐突に現れたかのような、異様に過ぎる雰囲気にすっかり当てられてしまったのだ。

 以来、この建物は何なのかと思考しない日は無いほどである。

 そして今、なぜ私がこの洋館の前で、扉と向かい合っているのかといえば、緊張で握り締めている、一枚の手紙が発端である。

 昨日、いつもどおり帰宅すると郵便受けに投函されていたものだ。

 差出人、宛名、住所、全て記載が無いその手紙は、黒地に金の縁取りがある凝ったつくりになっている。

 手の中でぐしゃぐしゃになってしまった手紙を、今更のように丁寧に広げ、本文に目を移す。

「『あなたの抱いていている関心が、私の思っているものと信じて。』か……」

 改めて口に出して読むが、意味は理解できない。

 しかし、『関心』という単語だけでこの手紙の差出人は、この洋館の主人だろうと確信できた。

 これが招待状なのか、はたまたイタズラの類なのかは、結局判断できず、目の前の扉を開くべきかどうか、ただただ悩んでいるのが今の状態だ。

 何度同じ思考をループしたか。

 何度目かの「引き返そう」を考えたその時、何の前触れも無く目の前の扉が開いた。

 あまりに突然、しかも自分の意思とは関係なく開いた扉に、しばらく呆然としてしまった。

 はっと我に返ると、強烈な赤色に焦点が合った。

 そこには全身を赤い衣装に身を包んだ、司書風の男が立っていた。

 私が間抜けに会釈をすると、男は丁寧に腰を折り、微笑みかけてきた。

「ようこそ、お待ちしておりました」

 男の声にしては甲高い声音で、司書風の男は挨拶をした。

 私は、今の状況に困惑するばかりで、ただ男を見つめることしかできずにいる。

「どうやら、この屋敷にご興味があるようで。まことに勝手ながら招待状をお送りさせていただきました」

 その言葉で、ようやく思考が回った私は、やっとの事で口を開いた。

「あ、あの……。これはやはり招待状でいいんですね?では、ここの主人からの……」

 緊張と興奮で、しどろもどろになる私に対して、男は立ち居地をずらし、道を開けることで答えた。

 どうやら入ってもいいという意味らしい。

 招かれたとわかった以上、ここまで来て帰ることはできないが、私は急に「入ってはいけない」と思ってしまった。

 屋敷内の空気が、異常に淀んでいるのを感じたからである。

 雰囲気のような曖昧なものではなく、直接身体に訴えかけてくる異常。

 『臭い』だ。

 強烈な悪臭が、鼻先を通じて全身を強張らせた。

 私は思わず立ち止まり、赤い男を見る。

「早く!時間がありません!」

 つい今までにこやかな表情を保っていた男が、いきなり声を荒げた。

 実際はそんなに大きな声ではなかっただろうが、硬直していた事と、男の独特な甲高い声がそう思わせたのだろう。

 私はその声に引かれるように、屋敷内に飛び込んだ。

 その瞬間。

『バアァァァン!!』

 背後で凄まじい音が鳴り響く。

 続いて

『キリキリキリキリ……ガシャン……』

 どうやら、尋常でない勢いで扉が閉まったようである。

 しかし、その後聞えた音は何なのだろうか。

 私は肩で息をしながら、閉じた扉と赤い男を交互に見る。

 私の挙動を見た男が、ふと笑いかけてきた。

「驚かせてしまい、申し訳ありませんでした。ただ、一度閉まってしまうと、しばらくは開けることができなくなりますので」

 そう説明されたが、いまいち要領を得ない。

 どういう事かと問うと、男は笑みを絶やさずに続ける。

「この屋敷は様々な仕掛けを施してあります。と言っても、電子機器のような上等なものではなく、歯車や発条を用いた簡単なものではあるのですがね」

「つまり、さっきの扉も、何かの仕掛けで?」

「左様です。ここの扉は一定時間開けたままにしますと、自動で閉まり、錠前が落ちる仕掛けになっております」

 男の説明で、いくつかの違和感に合点がいった。

 先ほど男が言ったとおり、この扉は一度こうなってしまうとすぐには開けられないようになっているのだ。

 そうなってしまうと、せっかく招いた客人を締め出すようなかたちとなるため、男はああも声を荒げたのだろう。

 現に今は、穏やかな笑みを湛えた表情に戻っている。

 そして、もう一つわかった事は、今も私の身体にまとわりついている『異臭』の正体だ。

 最初に嗅いだ時は、どこかで覚えのあるという程度の認識だったが、扉が閉まり、空間が密閉されるとようやく思い出せた。

 これは『錆』の臭いだ。

 あまりに臭いが濃厚だったため気付けなかったが、今でははっきりとすえた鉄の臭いだとわかる。

 おそらく、屋敷中に施されている仕掛けの鉄細工が錆び、その臭いが壁や配管から漏れ出ているのだろう。

 意識を向けると、途端に悪臭が強まったような気がして、鼻を塞ぎたくなった。

 しかし、この屋敷の関係者であろう赤い司書服の男の前ではあまりに失礼だと思い、すんでのところで思いとどまった。

 男は相変わらず、笑顔を崩さない。

 この異臭にも慣れていると考えると、かなり長い期間この屋敷にいるのだろう。

 兎にも角にも、こうして私は、憧れていた屋敷にとうとう足を踏み入れたわけだ。

 屋敷の内観は、外装通り古風な洋館といった風だ。

 正面玄関の向かいには、先ほどの扉と同じ大きさ、デザインの扉がある。

 しかしこの扉は、玄関のものと違い、鉄でできている鉄扉であった。

 遠目で見ても、その重厚感は相当なものである。

 その重苦しい鉄扉を囲むように、二つの対になっている階段が伸びている。

 二つの階段を上った終点は、鉄扉の真上にある踊り場のようなスペースに続き、そこから二階の東西の廊下に行けるようになっている。

 つまり、どちらの階段を使っても、二階のどの部屋にも行ける造りだ。

 玄関ホールにいる私からでも、二階の廊下にはいくつか扉があるのが見える。

 どの扉も東西対になっており、一階の部屋も同じ構造である。

 どうやらこの屋敷は、真中から分けても同じ構造、つまりシンメトリーになっていると解った。

 私は、この左右対称の美しい構造を外観から感じ、興味を持ったのかもしれない。

 そんなことを思いながら天井を見上げると、巨大な燭台が無数の蝋燭を抱きながら煌々と辺りを照らしている。

 火の灯りで輝く正面の鉄扉は、不気味さと美しさを兼ねており、神々しくさえも見えた。

 私が一通り辺りを見渡した事を確認すると、赤い男が声を掛けてきた。

 振り返ると、男は腕を伸ばし、掌で一つの扉を指し示している。

「まずはあちらの部屋へお入りください。あそこが始まりです」

 それは一階西側の扉である。

 一階の扉は、正面の鉄扉と東西に一つづつしかない。

 私は言われるがまま、示された扉の前に立つ。

 すると、ゆっくりと扉が内側に開いていき、数秒の後、完全に開ききった。

 妙な気分の高鳴りと共にその扉をくぐる私は、先ほど男が言った言葉を思い出した。

『まずはあちらの部屋へお入りください。あそこが始まりです』

 まず?始まり?

 改めて考えるとどういう意味なのだろうか。

 詳しく聞こうと振り返る私の目の前で

『バアァァァン!』

 続いて

『キリキリキリキリ……ガシャン……』

 私は思わず後退りする。

 もう少しで鼻が潰れるところだった。

 しかもあの音。

 どうやらしばらく、あの赤い司書風の男とは話せないようだ。
















 取り残された私は、ひとまず入った部屋を見渡す。

 壁に小さな燭台がいくつかあるが、部屋は薄暗い。

 暗さに目が慣れてくると、大きな本棚が大量に並んでいる事がわかった。

 どうやらここは図書室らしい。

 個人の持ち物とは思えないほど様々な本が、無数に保管されている。

 私がよく行く市民図書館と比べても、その蔵書の量は引けを取らないほどだ。

 とりあえず手近にあった本を、一冊開いてみる。

 それはどうやら建築関係の本らしい。

 しかし、中身は全て外国語で記されており、具体的な内容はほぼわからなかった。

 目を凝らしながら他の本の背表紙を見ると、先ほどのものと同じような表題の本が並んでいる。

 この棚はこういった類のものを置いているのだろう。

 何とか読めそうな本はないかと、いくつかの棚を探っていると、ようやく読める言語で書かれた棚を見つけた。

 この棚に並んでいる書物は、特に分厚いものが多い。

 背表紙を見てみると、植物や昆虫の図鑑、薬品の資料、工学系の教本などが目立つ。

 この手のものを読まない自分にとっては、あまり興味の抱けない本ばかりであった。

 「ん……?興味?」

 私はふと気になり、ポケットにしまっていた例の手紙を取り出す。

『あなたの抱いていている関心が、私の思っているものと信じて。』

 私を招き、この図書室に案内したと言う事は、この中に自分が関心を抱く本があると思われたからなのだろうか。

 だとすれば、それは外れだ。

 私はこの屋敷に興味を持った以外、特に何かに熱中するという事が無い。

 何か打ち込めるような趣味や仕事を見つけるため、都会の大学へ進学したのだ。

 しかし、そろそろ卒業が近いが、未だに見つかっていない。

 この屋敷の中であればもしかしたらとも思ったが、現状を見る限りここでも難しそうだ。

 一人で自嘲気味に笑っていると、薄暗い部屋の中に人の気配を感じた。

 見渡すと、壁にあるはずの蝋燭の灯が、どんどんこちらへ近づいている。

 赤服の司書が迎えに来たかと思ったが、どうやら違うようだ。

 扉が閉まる、あの大きな音は聞えていない。

 となると、今まで同じ部屋にいたこととなるが、全く気付かずにいた。

 足音が大きくなり、近づいてくる人物が確認できるようになった。

 蝋燭の灯で映し出された姿は、小さな子供だった。

 蝙蝠の様な影を背にしている少年は、燕尾服を着ており、規則正しい足音を響かせている。

 ついに私の前に到着すると、少年は恭しく頭を下げてきた。

 私も釣られて、丁寧に頭を下げる。

 姿勢を正した少年の顔を見ると、非常に整った顔つきである事に気付いた。

 目鼻立ちがはっきりしており、薄い唇を引き結んでいる。

 ただ気になるのは、無機質な硝子の様な瞳である。

 その冷たい目は、全体の表情としては似合っているものの、子供らしさが完膚なきまでに打ち消されている。

「お探しの物は見つかりましたか?」

 やはり子供らしさを微塵も感じさせない、落ち着いた声色で、燕尾服の少年が問いかけてきた。

「あぁ……、いや。何かいい本があればと思ったんだけどね」

 何か特定の本を探していたわけではないが、少年にそのままを伝えるのも突っぱねるような気がして、曖昧に答えた。

「そうですか」

 少年はそっけなく言うと、燭台で私の背後を照らした。

「では、こちらはお気に召しませんでしたか」

 少年が照らす方向を見ると、奥に続く扉が見えた。

「いや、そっちはまだ見てないよ」

「でしたらご案内いたします」

 言うが早いか、少年はつかつかと私を横切り、扉の前に立った。

 それは非常に小さい扉で、少年がかがんでようやく入れるほどの大きさしかない。

 こんな物、何の使い道があるのだろう。

 そう思っていると、少年が小さな箱のようなものを手にして這い出てきた。

「なんだい?それは」

 訊ねると、少年は箱を差し出してきた。

 箱を受け取り、中身を確認すると、それは一冊の本だった。

「どうぞお読みください」

 本を取り出し表題を見ると、外国語ではあるが幸いにも読める言語だった。

 しかし、見たことの無いつづりで表題が記されている。

「これは、『えるふぃ』……?『エルフィ』でいいのか?」

 黒地に金で書かれた『エルフィ』の文字の横に『Ⅰ』と添えられているところを見ると、このほかにも『Ⅱ』や『Ⅲ』があるのだろう。

「この続きも、この図書室にあるのかい?」

 私は少年に訊ねると、静かに首を横に振る。

「いえ、この図書室にあるのは『Ⅰ』のみです。あの小部屋の中にも、この一冊しかありませんでした」

「じゃあ、この本をしまうためだけに、あの部屋を造ったのかい?」

「ご主人様より、そう伝え聞いております」

 私はどうも信じられず、少年の硝子のような瞳を見つめる。

 しかし、その冷たい目からは、どんな感情も読み取れなかった。

「あの、お読みにならないのですか?」

 少年は無感情な表情のままに訊いてきた。

「いや、せっかく取って来てくれたんだ。読ませてもらうよ」

 表紙を捲ると、そこには目次も著者名も無く、こんな一文だけが添えられている。

『今の私の幸せを、この書に留める』

 次のページを捲ろうとし、私は紙の材質が変わっている事に気付いた。

 ずいぶんと分厚い紙を使っている。

 次のページを捲ったとき、その理由がわかった。

 そして、おぉ……。と、小さく驚いた。

 この本は、所謂『立体型の絵本』だった。

 開くと同時に、緻密な影絵のように作りこまれた、一人の男が紙上に現れたのである。

 ここから先も、同じ細工で作られているようだ。

 本文はこのような内容だ。

『私は、小さな町の技術者だ。

 容姿に際立った特徴もない、平凡な男である。

 ただ毎日、思い立っては工作をし、需要があればそれを売る。

 そんな暮らしをし続けた。

 生活は、お世辞にも豊かとはいえない。

 私の作る細工は、精巧さだけが取り柄であり、安価な粗悪品が出回る市場では、値段だけが高い部品など、目に留まるはずも無い。

 購入者は、珍しい物好きの金持ちか、気の聞いた飾りが欲しいだけの人たちだ。

 何とか食いつなぐのがやっとと言う有様である。

 しかし、こんな時代に乗り切れない私にも、人生の転機というものはやってくるようだ。

 ある日、いつもどおり店を出す準備をしていると、一人の少女が店先でうずくまっていた。

 声を掛けると、その少女は泣き腫らした目で私にこんな事を言った。

「婦人に髪飾りを買ってくるよう使いを出されましたが、途中で代金を掏られてしまいました。これではお使いができません」

 そう言うと、少女はまたその場にうずくまってしまった。

 私は少女が哀れに仕方なくなり、店内に招き入れ、少しの間待つように言った。

 そして、店の奥にしまっておいた何色かの硝子玉と針金を使い、即席で一つの髪飾りを仕上げた。

 それを少女に渡すと、驚いたようで髪飾りをまじまじと見つめた。

「綺麗……」

 その呟きを聞くと、私は心が満たされるのを感じた。

「お代は要らないから、それを婦人に持っていきなさい。あまりものの寄せ集めだから、気に入ってもらえるかはわからないけど……」

 私の言葉を聞くと、少女はぶんぶんと首を横に振った。

「こんなに綺麗なものであれば、きっと満足するはずです。ありがとうございました!」

 少女は顔を輝かせながら、店を飛び出していった。

 見る者が見れば、子供だましの稚拙な品だが、ああも喜んでくれるならきっと大丈夫だろうと思い、店支度を再開した。

 翌日、相変わらず流行らない店の中で一人作業をしていると、入り口が開くと同時に、なんとも芳しい香りが鼻先を掠めた。

 作業を中断し、顔を上げると、そこには昨日の少女を連れた。美しい貴婦人が立っていた。

 貴婦人は、この寂れた店内に似つかわしくない翡翠色のドレス姿で、きらびやかな装飾をつけている。

 辺りには、上等な香水であろう、なんとも甘い香りが漂う。

 しかし、何よりも私の目を惹きつけたのは、その美しい金髪を飾る色とりどりの硝子玉である。

 それは、昨日私が少女に持たせた、針金の髪飾りだった。

 見とれている私の手元を見ると、貴婦人は優しく微笑みかけてきた。

「あなたがこの髪飾りをお作りになった方ですね」

 私は、この美しい貴婦人が、自分の作った粗末な物を身に着けていることが急に申し訳なくなり、頭を下げた。

「はい、まさかのこのような美しいご婦人が使用するとは知らず……。申し訳ありません……」

 私の謝罪を聞くなり、婦人は噴出すように笑った。

「ふふ、なにを謝っているのですか。わたしはこれを大変気に入っているのですよ」

 婦人の優しい言葉を、私は理解できず、え?と呆けた顔を上げた。

 その様子がまたおかしかったのだろう。

 婦人は再度笑いながら、傍らの少女を前に出した。

「昨日の事はこの子から聞きました。まだお代を払っていないようで」

 少女は、申し訳なさそうに俯いている。

「いえ、お代は結構だとその子に言いましたので。それに、あなた様のような方に身に着けて頂けるのであれば、これ以上何もいりません」

 それなら、と婦人は私の目を見つめたままこう言った。

「せめてもの礼として、わたしの家に来ては頂けませんか?お客人をもてなすくらいの用意はありますので」

 私は、そんな恐れ多いことはできないと言ったが、婦人は退こうとしない。

 根負けした私は、婦人の招待を受ける事にした。

 それからというもの、婦人は上客となり、私の作る物一つ一つに感嘆の声を漏らすようになった。

 私も初めて人に認められるという経験をしたため、次第にこの貴婦人に惹かれるようになっていった。

 貴婦人には、宝石商の夫がいたそうだが、既に亡くなっており、今は使いの少女とほとんど一緒に暮らしているとのことであった。

 互いの素性がわかると、そこからは早かった。

 私たちは恋仲となり、二人ともいい歳だったのですぐに結婚する事となった。

 今思い返しても、自分の人生とは思えないほどの出来事だ。

 やがて、私たちは一人の子を授かった。

 妻に似た美しい男の子だ。

 妻はこの子に<エルフィ>と名づけた。

 由来は、物語などに登場する<エルフ>から取ったのだという。

 <エルフ>は美しく聡明で、しかも長寿の種族だと、妻は顔を輝かせて話してくれた。

 私もこの名に異存は無かった。

 きっとこの子は<エルフ>の様に、いつまでも美しくあり続けるだろう。』

















 最後のページには、やはり黒地に金の文字で

『Ⅱに続く』

 と書かれていた。

 































Ⅱに続く


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