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第六話『望み』

先ほどアクセス解析を見るとおとといのPV が300件を越えていてこっそりニヤニヤさせてもらってます。



避ける避ける。しかし捌ききれない攻撃のダメージはどんどん蓄積去れていき半分を切ると、ポーションを使うの繰り返しだ。というのも、敵のHP が赤く詰まるところ3割を切った頃である。明らかに敵の、ドラゴニュートの行動が機械的なものから人が動かしているのか? と思わせる程の動きへと昇華していた。さっきまでのように大振りな攻撃前の予備動作は消えて敵は細かい攻撃ばかりするようになる。

このままじゃポーションを使いきるまでジリジリと削られて行くだけで、埒が明かない。


そこで俺は今まで、現実でもやったこがないがアサルトライフルを使う事にした。正直言うとこの距離で自分を守る手段が無くなるのは怖いがバンドガンではアビリティが無いのでダメージがほとんど入らず片手剣のアビリティも打ち込む隙が無い。そこで近距離でアサルトライフルを使う以外の打開策は無い。事もないだろうが、考えつかなかった。


バンドガンで牽制しながら、スキルの《ダッシュ》で距離を開けていく。十二分に開いたところで両手の武器をアサルトライフルへと入れ替え、さっきとは逆に《ダッシュ》で一気に距離を詰め敵の鼻先にアサルトライフルを突き付ける。幸いな事に相手は予想外の動きだったのだろうさっきまでのよ的確な動きとは裏腹に動きが完全に止まってくれていた。そこにできる限り弾を放つ。反動に腕が悲鳴を上げHP は満タンから半分程まで減っており、体力の急激な減少から生まれる痛みを気合いでこらえる。

周りに舞っていた砂ぼこりが落ち着くと、目の前にドラゴニュートの影が見えた。頭がもげているが……


よく見るとHP が1割だけ残っている。相手の防御力の高さに驚きを隠し切れないながらもポーションを使う。


体力を回復しきると、タイミングを見計らったかのように敵が此方に突っ込んでくるもライフルで攻撃する前のような動きではなくただ本能に従いこちらを攻撃しようとする愚鈍な動きで一歩一歩踏み締めるように迫って来ていた。

多分体に攻撃してもその圧倒的な防御力にダメージは通らないだろう。そこで再びアイテムを片手剣へと持ち変え、飛び上がり相手の上から急降下し、剣を突き刺すアビリティ〈兜割り〉を叩き込む。

さすがに傷口に防御力も何も無く、片手剣の付け根部分まで突き刺さって行った。相手のHP はすぐに無くなるもドラゴニュートの体が再構成されていた。



神々のベネディクション

第六話『望み』


「ハッハッハ、まさか途中からとはいえ我を1人で倒すとは、よもや思いもしなかったのお。」



え……。なんだ? いきなり相手が元に戻ったかと思えばいきなり喋り出すし。正直言うとまた最初から戦い直しかと諦めかけてたんだが……


「そういえば、自己紹介がまだじゃった。我はクワィル。町にいるNPC などのモブの上位AI とでも言えばいいかのお。プレイヤーとはもともと話さない存在じゃが今はイレギュラーな事態が起こってるらしくてのお……」

「イレギュラーって言うとやっぱり何とかっていうボスの事ですか? 」


なんだったか E i 何とかっていう制作してないボスだったろうか。


「そう、 E i servi sono legati con Castello 。奴は我ら上位AI のシステムを書き換えて味方に引き込もうとしておる。多分奴は他の上位AI を使ってプレイヤーの殲滅にかかるじゃろう。あくまで奴の目的はプレイヤーを消すことらしいからのお。我はここで倒してもらえたから直に消滅するじゃろう……」


ということは他の上位AI まだ消滅しないから、いつ敵側に付くか分からないってことだろ?

……それって大分やばくね?


「じゃから早く他の上位AI 達も倒してやって欲しいんじゃ。我は仲間に傀儡のような憐れな姿にはなってほしくないんじゃ。じゃからいち早く他の奴等も倒してやってくれ。」


その言葉を言うとクワィルさんは消えて行った。消えるとすぐにボス討伐のアナウンスが流れた。




ドラゴニュート討伐成功。

総参加人数 87人

勝利確定プレイヤー ユウキ

所得経験値 83000

MVP ユウキ

ドロップアイテム

ドラゴニュートの鱗、ドラゴニュートの皮、ドラゴニュート逆鱗、亜竜人の腕輪、亜竜人の剣






精神的にも肉体的にも疲れた体を引きずりながらも町の少し北よりにある、

普段からキープしている宿屋の自室に転がり込んだ。NPC の方にに心配されるが少しだけ無愛想になってしまっただろうか……




From スノー


本文 ユウキちゃん大丈夫? 今どこにいるの!?



スノーさんに今いる宿の場所と、大丈夫(ではないが)とだけ送る。



それから5分ほどして何か下の食堂がうるさいなと思いながらも寝たいると、ドアがバタンと大きな音を立てながら開かれた。


「ユウキちゃん大丈夫? 」


ドアの方にはスノーさんにリューさん、名無しさんの三人が立っていた。


「だ、大丈夫ですけど。」


というよりそのドアの開かれたときの方がビックリしたんですが……


「ユウキちゃん。あのときは慌ててて築けなかったけど戻り薬、作れないよね。何でそんな嘘ついたの? 」

「え、えーとそう言わないと受け取って貰えないと思ったので……」

「ユウキちゃんが無事だったからいいよ? でももしユウキちゃんが死んじゃったら私はどうすればいいの? ユウキちゃんから戻り薬貰って……そのせいでユウキちゃんが死んじゃって。私はどうすればいいの? もう……あんなことしないでね……」


うぅ……返す言葉も見つからない。


「スノーさん、すみません。でもスノーさんも持ち物気をつけてくださいね。」

「うぅ………」


あ、スノーさんが落ち込んでしまった……。まあそんなことよりも、


「そういえば名無しさん、ドラゴニュートのドロップアイテムです。」


名無しさんにドロップアイテムをメールに添付して送る。しかし毎回メールなりトレードなり他の人にアイテムを渡したりするのがめんどくさいな。


「あ、あぁ。ありがとう」

「それで名無しさん。大事な話何です。このゲームのことで1つ分かったことがあります。」


もちろんクワィルさんとの話だ。


「先ほどドラゴニュートを倒した後の話何ですが、彼を倒したあと彼のAI と話しました。まずボスには上位AI と呼ばれるものが搭載されてるらしく、それがイレギュラーのボスがそれらのシステムを書き換えて仲間に引き込もうとしているらしいです。」

「なるほど、確かにシステム通りに行動してたNPC がシステム外の物に書き換えられると何が起こるか分からないな。」

「それで上位AI を使ってプレイヤーを全員倒そうと……殺そうとしているらしいです。」

「な、プレイヤーを全員殺すだと? 」

「はい。ですが上位AI は一度倒すとしばらくして消滅するそうで、実際に俺の目の前で消えていきました。いつシステムの書き換えが終わるかが、分からないのでいち早く他のボスも倒してやってくれ……と」





なんだかスノーさんがメンヘラっぽくなった気が……

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