第二話『出会い。』
こんにちは。Serieです。大まかなストーリーは決まっているのですが、主人公以外の登場人物の設定がそんなに決まっていないのでキャラクターがぶれぶれに...
曰く、話しかけると慌てて逃げていく。
曰く、かなりの美幼女である。
掲示板では彼女についての噂が飛び交う。しかし良い噂ばかり流れる筈もなく
曰く、片手剣とハンドガンを使いモンスターの血を浴びることも構わず嬉々としてモンスターと戦う。
曰く、気に食わないものはPK される。
などと言った悪い噂も後を絶たない。
しかし実際彼女にを見付けることの出来るものは少なく、見つけることもままならないと言う。
神々のベネディクション
第二話『出会い。』
モンスターの群れを討伐した後、丁度昼どきなのでスタミナ回復を兼ねてインベントリの中からパンと干し肉を頬張る。ゲームの中に囚われて二月程毎日硬いパンと干し肉である。ゲーム内ランクで上位のLv.38まで上がっても腹は膨れない。誰がPK をしてくるか分からない今、警戒は怠っていなかった。しかし今の生活のなかで唯一の娯楽といえる食事中はどうしても意識は食べ物に向いてしまう。
詰まるところ今まで人が来れば見つかる前に逃げていたのだがその見つかってしまった訳だ。しかもFB のおまけ付きだある。そんな彼らのLv. はそんなに高い訳では無いらしく一人でもLv. 20 程度あれば倒せるグリーンベアーから2人で逃げていた。
相手は此方に気づいていないようで逃げようと思えば逃げられたが後味が悪すぎる。そこで彼らのうちの一人に共闘ペナルティが発生しないようにPT 申請を送り付ける。了承のメッセージが返って来るとともにバンドガンでFBの足を狙いよろけたところに突っ込み片手剣を振るう。相手があき上がると両目に弾を打ち込む。再び相手が怯み俺はグリーンベアーの弱点である鼻先を執拗に切りつけ止めを刺す。終わったら頃には俺はモンスターの血を身体中に浴びお陰で軽くホラーな状態になっていたがそんなこと気にせず追われていた2人に話しかける。
「大丈夫ですか?」
「あ、あえーと私達は大丈夫です。その大丈夫ですか?」
えーとこれは熊と戦った時に怪我なかった? 的な感じだろうか。
それにしても人と話すのは何ヵ月ぶりだろうか。はい。ゲームが始まってからの丸々2ヶ月誰とも話してないです。
「俺は特に怪我とかは無かったです。」
「いやあのそーじゃなくて……」
「そんなに血を浴びて気持ち悪くないんですか?」
女の子が話していた内容を大柄の男が引き継ぐ。しかし血を浴びる位モンスターを倒していたら当然じゃないだろうか。あれ? 普通じゃ無いならみんなどうやって倒してるんだろ。
「まあ特に……」
「……あもしかして片手剣にバンドガンで血まみれって...」
だんだんと話している二人の顔から血の気が引いて青くなっていく。
「すみません。どうかPK だけはしないでください!お願いします何でもしますから。」
正直いきなりPK がどうとか言われても正直困る。
「PKがどうのってなんなんですか?」
「あの噂では気に入らないとPK されるとかなんとか...」
……誰だよそんな不名誉な噂流したのは。俺PK どころか、NPC じゃ無い普通の人とすら話すの久しぶりだし...別にボッチとかそういう訳じゃないし。いやまあボッチだったのは確かだけど...
「いやその……ですし。」
「え、えーとそのなんて言いましたか?」
「今までPK どころかNPC じゃない人と話すの始めてですし……」
「え?始めて……ですか?」
ボッチ宣言をすると予想通り「あ、この人可哀想な人なんだ」みたいな視線が俺を襲う。いやこうなることはなんとなく分かってたけど……分かってたけど。
「あの、その、落ち込まないでください。今話してるんだし……」
「そう……ですね。あの一つ言っておくとPK はしたこと無いですよ。名前の色も変わってませんし」
「確かにそうですね。あっ……そういえば助けてもらってありがとうございます。」
「あぁ。あれは俺が勝手にやったことですから……」
「どうかお礼がしたいのでうちのギルドハウスに来ませんか?あ、それと私はスノーです。でこっちが」
「リューです。」
「あ、俺はユウキです。」
そういえば忘れかけていたが、俺が助けたから今話してたんだっけ。
それにしてもまだ自己紹介すらしてなかったな。
まあせっかくのお誘い断るのも悪いから行かせてもらおう。
「ご迷惑で無いなら是非。その……話す人がいないのは悲しいですから……」
「ご迷惑とか全然無いですよぜひ来てください。」
そういうと彼女はメニュー画面を開いてメールでも打っているのだろうか。旗から見ると何も無いところを指で突っついている。実に怪しい。そんなことを考えているとメールの返信が来たのか、手紙に羽の生えたらものがスノーさんの頭の上でぐるぐると回ったあとに空中でとこると言うか消えると言うか、まあなくなった。メールが受信されるところを始めて見たがあんな風に送られて来るのか……
「ユウキちゃん。今名無しさんにユウキちゃんにお礼したいから連れていっていいか聞いたら今日なら空いてるらしいんだけどいい?あ、名無しさんって言うのはギルドマスターだよ。」
ユウキちゃん...正直もう結構吹っ切れてたつもりだったけど実際女の子扱いされるとこんなにきついとは……でも男だからとか言ってもただの変な人扱いされかねないし。まあそれは一旦置いとこう。招待された方は別に今日も明日もずっと……予定無い……し……
「べ、別に大丈夫です。今日も明日もずっと予定無いですし...俺、友達いないですから……」
「じゃあ、早速行きましょうよ。」
◆
彼らのギルド イカロスの翼は今あるギルドでも大きい方なのだろう。町の中で小さいギルドを見ることはあったが大きさの桁が違う。町の外れにあるぶん場所も結構大きくて人数が入りそうな建物だった。リューさん曰くギルドには今97人在籍しているらしく今あるギルドの中では4番目の大きさでそこそこな権力を持っているらしい。スノーさんあなた感心してますけどこのギルドの一員じゃ無いんですか……
「ただいま~」
スノーさん達が挨拶すると少し周りに緊張が走る。やっぱりさっき二人が言っていた俺がPKをしてるとかそういった話のことだろう。
「は、はじめまして。そソルジャーでLv. 38のユ、ユユユユウキです。」
フッ、この程度の俺にとっては容易いものだ。少し噛んでしまったが完璧と言ってもいいだろう。初対面の人が数十人入るなかこのレベルの挨拶を出来るとは...我ながら天晴れだ。
それにしても周りがガヤガヤ煩くないか? まああんな完璧な挨拶されたら驚くのも仕方……
「ユウキちゃんLv. 38なの!?」
「は、はい。さっきグリーンベアー倒した時に丁度なりました。」
え?Lv. 32って低いの? 毎日狩してたからそんなに低くはないと思ってたんだけど……
やっぱりこれがソロの限界なのか……それと俺はちゃん付けで確定なんすか。
「すまない。あまりのことに驚いてしまった。俺はxxx 人によってエクシズとか名無しとかいろいろ呼んでる。Lv.29のソルジャーでこのギルドのギルドマスターをさせてもらってる。」
あれ? 俺のLv. が低くてみんなざわざわしてたんじゃないの? その、噂のPK がレベル低くて肩透かしを食らったとかそういう話じゃないの? ギルマスさんがLv.29ってことは俺はそこそこ高い方なのだろう。
「あ、あのさっきみ、皆さんがざわざわしてたのってな、何でですか?」
リューさんにこっそり耳打ちする。
「いや、普通にユウキちゃんのレベルがギルドで一番Lv.の高いエクシズさんより高いからですよ。」
あれ? 俺って自分でもそこそこ高いとは思っていたけどもしかしてLv.最上位勢? ち、因みに今のLv. トップってどのくらい何だろうか。
「あ、あの今ゲーム全体で一番Lv.が高い人ってどのくらいですか?」
「昨日ギルド同士の連絡で聞いたのはLv.30が一番高いと聞いていた。」
え? 俺って今トップ勢じゃなくてトップ? もしかして俺って結構頑張っちゃってた?
「それでユウキちゃん。まず二人を助けて貰ってありがとう。それと確認したいことがあるんだが、PKは本当にしてないのかい?」
「そ、そのPKどころかあの、ゲームの中では話したのも……今日が……はじ、めてで……」
うぅそんな目で見ないでくれ……なんと言うか、ゲームに囚われてから二ヶ月。今日ほど(精神的に)きつい日は無かったです……
「……それは大変だったな。」
「それで俺、何にもしてないんですが何でこんな噂が流れてるんですか?」
「多分なんだが今みたいに血まみれのまま町を歩くからだろうな。」
「ああそういえばまだ血を落としてませんでした。」
そうか。たまに町に装備を買いに行くときとかによく血を落とし忘れてたからこんな噂が広まってたのか。
「あと武器のことなんだが噂では片手剣とバンドガンの両方を使うと聞いてるんだが。」
「はい。片手剣もバンドガンも使っています。」
「でもソルジャーならバンドガンでスキルとかの恩恵は受けれないけど?」
「その俺、もともとリアルでライフル射撃っていうスポーツをやっていたのでバンドガンとかは割と普通に使えるんです。」
「そうか。興味深い話しを聞かせて貰ってありがとう。よかったらうちのギルド イカロスの翼に入ってもらえないか?」
ギルマスさん直々にお誘いを受けました。でも周りからは批判?が多いっぽい。やっぱり俺は多くの人からはまだPKをする危険人物扱いされてるんだろうな。そのうちNPC以外とも普通に話せたらいいんだけど……
最後までお読み頂きありがとうございます。
作者は猫を被ったネタの固まりなのですがせっかくの自分で書く小説に他の漫画やアニメのネタを入れるのは...と思ってあまり入れてないのですが自分でネタを作るのはそれはそれで難しいです。いつからそこそこ真面目に書いてる(つもり)のこの小説がぶっ壊れてしまうのでしょうか...