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翡翠宮  作者: たま
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夕食

家族単位で食事するものかと思っていたが、ルームサービスで食べる人も多いせいか意外とバラバラだった。

佐原家の悦子会長夫人は息子の茂政とルームサービスにしたようだ。足が悪いので階段が嫌なのだろう。

社長夫人の恭子が1人で食堂で食べていた。

そこになぜか薫が横に座り食事をする。

父の大河社長は結局パソコンで会議をしながらルームサービスになり、マリアも部屋で取ることにしたようだ。

なぜか盛り上がっている。

憂鬱な顔をしていた恭子が微笑んで薫と話している。


「あの美少年、顔に似合わずマダムキラーみたいね。」

サキがヒソヒソと夏希に話す。

オカルト倶楽部と夏希の父・耕三と再婚した楊世の母・月子さんは仲良く皆で食事しながら、他の一家の様子をながめる。

「うん、マダムキラーでも有名だよ。それに課金すればオバさんはリピート可らしい。」よほど渋谷の学生の間では有名なのか?

疎そうな楊世でも知ってる事らしい。

「それってホストみたいだな。じゃあ、儲かって仕方ないだろ?」ヒロがマリアを探してキョロキョロしながら聞く。

「…いや、女性トラブルで本当のホストと揉めたらしくて。えらい借金を背負わされてるみたいだよ。」楊世が話す。

「なんで高校生が借金背負うんだ?お父さんは知ってるのかい?」刑事の耕三が心配する。

「表沙汰にしたくないから親に黙ってるんじゃないかな?ママ活で借金は返してるみたいだし。」楊世が耕三に説明する。

「隣の席、良いですか?」いつの間にか楊世の背後に大きな黒い男が立っていた。

「うわっ!ええ、良いですよ。」驚きながらも会釈した。王麗明だ。

「ご家族は?」月子さんが聞く。

「さあ、一応時間は伝えたのですが。部屋が別なので分かりません。」王麗明が微笑みながら座り携帯を見だした。

あまり話し掛けられたくなさそうなので、そのまま話しを続ける。

「渋谷の悪い奴らのカモにされてるじゃないか?」耕三が本気で心配してる。

「センター街辺りは、ブルードラゴンって言う半グレの縄張りだ。彼が餌食になってなければ良いが…」恭子と楽しそうに話してる薫を心配そうに耕三が見る。


オカルト倶楽部が食事を終えた頃に王の家族が降りてきた。

7時半なので、もうスタッフは片付けに入っている。

が、王の両親が中国語と日本語のチャンポンで支配人に苦情を言っている。

先程スケジュールを説明したが、バーで飲んでて来なかった王家族は知らされてないと怒っているらしい。

王麗明が知らせた事は無かったことにされてる。

だが、これは支配人の手落ちだ。

個別に王一家に説明するべきだった。しらばっくれてるのだとしても、ミスはミスだ。

支配人はスタッフに説明し、残業となってしまった。

結局、スタッフが帰れたのはバーテンダーと同じ10時となった。

支配人は「皆様、本日は本当に申し訳ありませんでした。」と頭を下げてトボトボと部屋に戻って行った。

「ちょっと可哀想じゃない?それに時間の話の時は居た気がするけど…?」夏希が家のようにゲームしてる楊世の肩に頭を乗せながら気の毒な支配人を見送る。

「古い建物を残すのは大変なんだよ。皇室だって、皇太后の生家の屋敷を残そうとしたけど、皇太后自ら取り壊して下さいと頼んだらしいよ。

税金で古い建物を残す訳だからね。

行政が離れたこの洋館を守るには、あの支配人が維持費を生み出さないと。クセ強の客なんて、これから何人も来るからね。火鉢オーナーも善意だけでは仕事にならないからね。」学生は勉強で大変だが、社会に出たらお金儲けで大変になるのだ。

食事の後、オカルト倶楽部で話していたがヒロとサキは各々動画を撮ったり観るらしく部屋に戻った。

大広間のシャンデリアの光は暗く絞られ、テーブルの照明や壁際のスタンドライトが目立つ大人の時間を演出してる。

つい夏希と楊世もピタッと身体を付けて家のようにリラックスしてる。

ヒロにマリアが出てきたら知らせてと言われているので一応広間の様子を夏希は観察する。

薫と佐原家の社長夫人恭子さんはかなり話し込んでいたが、いつの間にか消えた。

今はバーで薫の父親の大河社長が楽しそうに王麗明と話している。

かなり遠いが、たまになぜか王麗明と目が合う。

楊世と夏希が気になるらしい。

大人っぽく見えるが、背が高いだけで中身は19歳なのだ。18歳の夏希や楊世と1つしか違わないのだ。

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