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翡翠宮  作者: たま
6/19

死神と皇后

部屋割りが決まりオカルト倶楽部の面々は4室の内の3室を使う事に。

中は全てツインベッドが用意されていた。

1番大きめの部屋は耕三と月子さん。

後は同じくらいなので楊世とヒロ、サキと夏希に分かれた。

西と東で部屋の壁の色が違うようで、この3階の階段から西の部屋は壁紙が青い。

ただ1階のようにリノベされてないので昔の塗装のままだ。お金は掛かっているせいか、そんなに色褪せていない。不思議だ。

部屋にヒロと楊世も遊びに来た。

「おじさんに聞いたよ!この壁なんでボロくないか?」ヒロが聞いてすぐに駆け込んできたのだろう、興奮してる。

「これ、ラピスラズリって宝石を砕いて作られた顔料なんだって!だから100年経っても色褪せてないんだって!削って帰ろうか?」ヒロが壁をなでる。

「フェルメールの真珠の耳飾りって名画の青いターバンが今だに目が覚めるような青を維持してるのと同じだね。」と楊世が話す。

「確かに!古い絵だけど青が綺麗な絵だなあ〜と美術の時間思った!

他のフェルメールの絵ってくすんでるのに、何でかな?と思ったわ!」サキもうなづく。

2人はちゃんと勉強してるから話が通じてる。

ヒロと夏希は、ポカンと話しを聞いている。

「ねっ、それよりあの2人!凄くなかった?

洋館の中で2人で話してるだけで絵に成るって言うかあ〜」ミーハーな夏希は、マリアと王麗明が並んでる姿にドキドキしていた。

「女の子にソックリな天使みたいな男の子も居たよ!

ダルそうにソファに寝そべってる姿が、もう絵画!」サキは美少年の薫に心奪われていたらしい。

「男子は…多分知ってる奴だよ。」楊世がちょっと眉間にシワを寄せる。

「えっ、前の学校一緒だったとか?」夏希が楊世に聞く。

「いや、他校だけど渋谷で有名な奴だったから…」何だか歯切れが悪い。

「人の悪口みたいで言いたくないけど、やり◯って言われてた。同じ女の子と二度とエッチしないんだって。」楊世が言いにくそうだ。

「えーーーッ、それってつまり彼女とかは作らないと?」サキがあけすけに聞く。

「そう、面倒なんだって。まあ、それでも引っ切りなく女の子連れて歩いてたから、それで女子も納得してるんだろね。」楊世は根がマジメなので信じられなかったのだろう。

「いや、あの美貌だもんね。皆で共有した方が平和かもしれない。」サキが腕を組んで納得する。

「やっぱり月島は田舎かもしれない。渋谷の高校生ってスゴイな…」夏希は感動してる。

「あの女の子も、そんな感じなのかな?」ヒロが悲しそうな顔をする。

「でも、あの背の高い真っ黒づくめの男の人と全然笑顔なしで深刻そうに話してなかった?

結構2人ともサスペンスドラマみたいな顔してたよ。」夏希はなぜか2人が気になってずっと見てた。

特に女の子は目がよどんでた。真っ白なドレスに真っ白なリボンの髪飾りで美しかったけど、少し心を病んでるような気がした。

死神みたいな黒尽くめの男性に必死で何か話してた。

昔テレビで舞台を観た。

「死神とエリザベート」って話。

それは孤独な皇后が、死神に魅入られて彼と会話し死へ導かれていく話だった。

何かそれみたいだなっと気になったのだ。

「じゃ、じゃあ、可能性もあるかな?俺、覚えてもらったかな?」ヒロが一縷の望みをかける。

「…哀しいな…」サキが気の毒そうにヒロを見た。


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