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翡翠宮  作者: たま
13/19

亜相浜

「スゴいね、誰もいない!夏なのに」夏希が驚く。本当に翡翠宮の裏には秘密のような浜辺があった。

「表の道沿いに翡翠宮が立ってるから見えないんだろうね。実は三島由紀夫が夏にこの浜に来たと記録が残ってる。」翌朝やっとバカンスを満喫するためオカルト倶楽部は翡翠宮裏の亜相浜へ来た。

楊世の説明なんか誰も聞いてない。

皆ドドッと海に突っ込んで行った。

「冷たくて気持ち良いよ〜楊世も早くおいでよ〜」夏希が手を振っている。

「これがオカルト倶楽部なんだよなぁ~」楊世はため息をつく。

一晩で心の友となったサキとマリアはヒロとキャッキャと水掛け合って遊んでる。

このバカンスから帰宅したら、そのレオンの妹とも夏希とサキと一緒に遊ぶ事になった。

芸能学校ではレオンの知名度はまだ全然で妹は音楽仲間がいないらしい。皆でカラオケで熱唱する約束をした。

「オカルト倶楽部って、もっとクイズ研究会みたいに謎解き好きが集まってる頭脳集団かと思った!」マリアが驚いていたが、

「ううん、夏希がレオンが結婚して心の拠り所を失って作った青春満喫部だよ〜」サキがありのままを解説する。

「でも彼氏も出来たし良かったよね、もう3年だけど。」皆一瞬ピタッと時が止まる。

そうなのだ。もう時間は短いのだ。

夏希なんか、まだ進路希望出してない…

ほほをパンパンと自分で叩く。

「今を、この一瞬を楽しもう!一生の思い出に出来るように!」力強く腕を上げて声を張った。

「オーーーーッ!」と皆、声をあげた。

楊世は翡翠宮の海側の窓の鎧戸の隙間から薫と王麗明が見えるのに気付く。

静かに睨むと窓は閉じた。


「気楽だよな、あいつらは。

本当にそんなやり方うまく行くのかよ?

僕、捕まらないよな?本当に?」ベッドに腰掛けた薫がすがるように王を見る。

「このホテルに不備があった事にすれば良いんだよ。

とにかく渋谷の家にも捜査員が行ってる。

お手伝いさん達が何話すか心配だろ?

お母さんやマリアの母親の話が絶対出るだろう。

そしたら君の破滅じゃないか?

とにかく、渋谷とこのホテルのアスピリン中毒死を切り離さないと?」王麗明が話すと本当に説得力がある。

そう薫は捜査員がわざわざ渋谷の家に父に話しを聞きに行ってるのが心配なのだ。

お手伝いさん達は3人もいて(かしま)しい人達だ。

月子さんやスタッフが薫が恭子夫人と話し込んで携帯で情報交換していたと話したのだ。

薫は掛かる嫌疑を晴らす為、王麗明の計略に半ば強引にハメられていく。


「見て!すごい!こんな設備もあるよ!

支配人さん、全然話してくれなかったけど。」サキとヒロとマリアが亜相浜を他の浜から切り離してる岩窟の中に入るとヨットとサーフボードとカヌーが綺麗に設置されてた。

「後で使っていいのか聞いてみよ?多分、浜にも監視員いないし、まだ水難救護の資格あるスタッフが雇えてないんじゃないかな?」楊世が説明する。

「そうか!何かあればホテルの責任問われるものね!

う〜ん、サービス業も大変だなあ〜」夏希は進路からサービス業は外そうと考えた。

居酒屋と定食屋のバイトリーダーみたいな事もしてたが、自分の店とか店長と言うとまた違う!

その方向は向いてないと思った。

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