始まりの村?
全身を包んでいた光の粒子が落ち着き、目を開けると広場のような場所に居た。周りには木造の家が並んでいる。私達以外のプレイヤーは……あれ?
「誰も居ないね……?」
「他のところに居るかもよ〜?」
「とりあえず移動しよっか」
心なしか空も雲ってる。始まりの村ってこんな感じだったっけ……。しっかりとした石壁に囲まれてるし。バグでもなさそう。
少し歩くと道具屋や酒場らしき建物を見つけた。扉が半開きなってるから中の様子を覗く。
「うーん……誰も居ないよ、ミナは何か聞こえる〜?」
「特に何も……中に入ってみよ?」
「そうしよっか」
耳を研ぎ澄ませてみるも物音一つしない。他に出来ることもないから酒場の中に入ってみても、誰かが来るなんてことはなかった。
それどころかテーブルや椅子は、何か騒ぎがあったのか乱雑に倒されたり傷ついている。リアルに再現された冷や汗をかくと、リッカが紙を一枚拾っていた。
「時間と場所、かな?」
「ふむふむ?」
渡された紙を見ると大雑把な何処かを示した地図と、今から十分前くらいの時間が書かれていた。でもこれだけじゃ色々分からない。
「う〜……せっかく一万Gもあるのにこの様子だと使えないじゃん!」
「どうしよう……って、称号確認するの忘れてた」
「あ、そういえば見てなかったね」
ステータス画面を開いて、私達は称号を確認する。
【称号・獣人(狼)の勇姿】
試練を一定の成績以上にて終了した者に送られる称号。強敵と出逢いやすくなるかもしれない。
文はたったこれだけ。効果もふんわりとしていて詳しいことは何も分からない。リッカも私のと似た称号があるみたい。
「確認も終わったし、ここからどうする?」
「わたしはミナに着いてくよ?」
「分かった、それじゃ地図の場所探そっか」
「はーい!」
リッカの元気な返事と共に、酒場を後にして村の外へと出るための遠目に見える門へと向かう。そもそも何であんな門があるんだろう。
道中も不気味なくらい静かで、何もn……あれ?
「どうしたの?」
「走ってる音が聞こえる……」
「耳ぴょこぴょこしてるの可愛い…‥じゃなくて、やっと第一村人に会えるかな?」
「分かんない、敵かもよ?」
念のため私は構えておく、音はどんどん近くなってきていていつ出てきてもおかしくない。すると、後ろから音の主が姿を現す。
即座に振り返ってカウンターを取れるようにすると、怯えた様子の女の子が息を切らしながら私達に駆け寄って来た。
「お、お姉さん! 助けて!」
「どうしたの〜?」
「みんな、戦ってる! 早く、きて!!」
「う、うん? お父さんとかどこに居るか分かる?」
「ぬけ道ある、から案内、する!」
「分かった、リッカ行くよ!」
「もちろん!」
女の子に着いて行こうとするとこんな画面が表示される。
《タッグクエスト・始まりの村、ユルを救え》
魔物と盗賊の群れに襲われ危機に瀕した村を救え。なお、それぞれに主が存在するので相性を見極めろ。村人達の救出も重要だ。
基本報酬:5000G+村人生存数×100G
達成条件:群れの全滅
失敗条件:プレイヤーor村人の全滅
※失敗した場合は村が廃村となります。
既にこのクエストは始まっているらしい。一先ず私達は抜け道まで案内されるのだった。
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