大雪の日にあなたは私を残して逝ってしまった
今年は例年以上の大雪になるらしいから
早朝からの雪かきが大変になるだろう
窓際で、少し濃いめの紅茶を嗜みながら
カーポートにあるピカピカの愛車を眺めていると
わたあめを小さくちぎったような
ふわふわの雪が地面へ落ちては消える
そんな光景を、ゆっくりと紅茶を飲みながら見つめていた
ハラリハラリと降っていたと思えば
少し先が見えなくなるほどに
真っ白い雪が降り
先ほどまで見えていたアスファルトは
ふかふかの白い絨毯で覆いつくされていった
夕飯を食べ終えた後
どれくらい雪が積もったのか、窓を開けて確認すると
70㎝から80㎝は積もっているように見えた
食後の運動には少しキツイ作業だけれど
後回しにしてしまうと
水分を含んで重たくなってしまう
人が通れるくらいの幅だけ確保して
今日はそれで終わればいい
スノーウェアに着替えて
早速雪かき開始だ
あなたの手を取り、また一緒に雪かきを始める
腰まで積もっている雪を、あなたはゆっくりと丁寧に積み上げていく
少し重い雪だなと思ったその瞬間
あなたは私の目の前で倒れた
一瞬の出来事で、何が起こったのかわからなかった
さっきまであんなに元気だったのに
嫌だ
置いていかないで
私を一人にしないで
この先どうしたらいいの
真っ白い雪の中
私は壊れたあなたを抱きしめた
大雪の中
あなた(スコップ)を失う辛さは
何とも言えない




