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プロローグ
(いま、何日だ?)
薄暗く、密閉された部屋の中で紫苑は考えていた
もう、この部屋に来て何日経つのだろう
食欲も湧かず、用意された食事には一切手をつけていない
この部屋には人が生活できる最低限のものがある
ないのは自由のみだ。
何もしなくていい
ただこの部屋にいればそれだけでいいと家主は言っていた
側から聞けばいいことかもしれないが、
あの彼女の根の部分を知ってもそう言えるだろうか
少なくとも紫苑は言えなかった
(なんでこうなったんだっけ)
なぜこうなったのだろうか
分からない。
少なくとも紫苑は何もしてない。
なのになぜ自分なのか
(誰か・・・)
(ここから・・この部屋から・・・)
(出してくれ)