第一話 御杯透雄・異世界へ行く
「ここは……何処でしょうか……」
理想のおっぱいを探して街を歩いていたら、身体に衝撃と痛みが走り、気が付いたらこんな場所に居ました。
軽く見渡すと真っ白な世界。
私が住んでいた世界では無いような気配がしています。
「……天国ですかね?」
私がそう呟いた時でした。
「……ここは天国ではありません。『転生の間』とよばれる場所です」
その声に振り向くと『とても素敵なおっぱい』が現れました。
素晴らしい。これは中々に点数が高いですね。
形は『おわん型』と呼ばれる物です。
大きさはDカップですね。大き過ぎず小さ過ぎず点数の高いサイズと言えましょう。
大きければ良いという訳では無いです。
おっぱいは身体との『バランス』が重要なのです。
そう見ると、この女性の身体とおっぱいのバランスを考えたとき、Dカップは最適のサイズと言えましょう。
そして、白いワンピースからは薄らと薄紅色の乳輪が見えました。
色も素晴らしい。使い込まれたどす黒い色など見たくない。清楚な薄紅色こそ至高と言えますね。
次はその乳輪のサイズ。
これは大きいものを好む者も居ますが、これもおっぱいのサイズと同じように、乳房とのバランスで考えています。
透けて見える彼女の乳房と乳輪のバランスも完璧と言えますね。
目を凝らしてみると、ぷくりと膨らんだ乳頭が白い生地を押し上げていました。
なるほど、ブラジャーは着けていないのですね。
なかなか珍しいですが、着けない方が楽という人も居ますからね。
おっぱいの形が崩れる。という心配もありますが、そこは個人の自由に任せたいですからね。
「ふむ……総合的に判断して……『95点』ですね」
「な、な、な、な……何をいきなり言ってるんですか!!??」
「何を?貴女のおっぱいに敬意を表していました。とても点数の高い、素晴らしいおっぱいの持ち主に出会えて光栄です」
「あ、ありえないです……たくさんの人を異世界に送り込んで来ましたが……いきなりこんなことを言われたのは初めてです……」
「むふ……私が貴女の『初めての男』になったわけですね。光栄です」
私がそう言うと、彼女は眉を釣りあげて地団駄を踏みながら言葉を返しました。
ふむ……なかなか良い揺れをしてますね。
柔らかさの点数も非常に高いですね。
「そ、そういう意味じゃないです!!もー!!何なんですか貴方は!!全然私の話を聞かないじゃないですか!!」
「これは失礼しました。お話を伺います」
私がそう言って姿勢を正すと、彼女は少しだけキョトンとした後、小さく咳払いをして話し始めました。
「……んん!!えーとですね。ここは転生の間と呼ばれる場所です。貴方の言う天国ではありません」
「ふむ。私の居た地球では無い場所だとは思ってましたが。そんな特別な場所になぜ私が?」
「はい。地球で貴方が『不慮の事故』で死んでしまったからです。まぁ……完璧に不慮かと言えばそうでは無いのですが……」
「理想のおっぱいを求めて街を散策していたら突然身体に衝撃が走りました。今考えれば、車か何かに跳ね飛ばされたのですかね?」
「はい。信号無視したトラックに跳ね飛ばされて、貴方は死にました。まぁ……きちんと左右を確認していれば避けられたとも言えますが……」
「左右のおっぱいは確認してました」
私が真剣な表情でそう言葉を返すと、女性は再び眉を釣りあげて地団駄を踏みました。
「トラックを認識してください!!もー!!何なんですか!!さっきからおっぱいおっぱいおっぱいおっぱい!!いい加減にしてください!!」
「ふむ……これが私の生きる道でしたからね」
そして、私は女性に聞いてみました。
「ここは……転生の間。との事でしたね?どこか違う世界に行くという事ですか?」
「はぁ……そうですよ。不慮の事故で死んでしまった方を、元の世界に生き返らすことは出来ませんが、違う世界で生きてもらうことは可能なので」
「ふむ。ちなみにその世界と言うのはどんな世界なのでしょうか?」
「や、やっとまともに話が進んでる気がします……えっと……『剣と魔法の世界』と言えば分かりますか?」
「はい。ファンタジーの世界観ですね」
ゲームは小さい頃にやっていましたからね。
女性にビキニアーマーを着せていたのは良き思い出ですね。
「貴方にはその世界で生きてもらうことになります。文明のレベルとしては『中世ヨーロッパ』と言った感じでしょうかね」
「なるほど。ちなみにその世界の言語などはどうなりますか?日本語の他には英語が話せますが、この世界の言語が通じるとは思えませんが?」
私がそう聞くと、彼女はニコリと微笑みながら言葉を返しました。
「ふふふ。良い質問です。こういう会話がしたかったんですよ。えとですね。貴方には幾つかの『スキル』をお渡しします」
「スキル……技能ですね。どのような物ですかね?言語を理解出来る。とかですか」
「貴方にお渡しするスキルは『言語理解』これがあれば、あちらの世界の生き物の声は全て『日本語』になります。そして貴方の話した日本語はその方が理解出来る言語へと変換されます」
「なるほど。コミュニケーションに困ることが無くなる素晴らしいスキルですね」
「はい。そして、私は優しいのでもう一つのスキルを貴方にお渡しします」
「ありがとうございます。やはり素晴らしいおっぱいの持ち主は心も素晴らしいのですね」
「ま、またおっぱい……も、もう良いです……」
彼女はそう言うと、軽く息を吐いたあと言葉を続けました。
「もう一つのスキルは『健康維持』です」
「健康維持ですか。つまり向こうの世界で体調を崩すことが無い。という事ですね。これはありがたい。食べ物の不安も無くなりました」
「あとは多少の怪我でもすぐに治ります。転生して、直ぐに死んでしまう。なんてことにはならないようにしてますので」
そして、彼女は『小さな袋』を私に渡してきました。
「こちらは『アイテム袋』です。当面の生活費と向こうの世界で役に立つものが入ってます。見た目は小さいですが、容量はかなり大きい優れものです」
「なるほど。至れり尽くせりですね。助かります」
私は彼女から丁寧にそのアイテム袋を受け取り頭を下げました。
「そ、そこまで感謝させたのは初めてです……若い子には『チートスキルは無いのか!?』『この駄女神!!』とか言われて辛かったです……」
「チートスキルですか?あぁ……聞いた事くらいはありますね」
世界を一変させるようなスキルのことを言うようですが、私が彼女から受けとったのはそういったものでは無いですからね。
「あはは……向こうの世界で生きていけるだけのスキルですから……もっと位の高い女神ならそういう事も出来たのでしょうが……私はまだまだなので……」
「なるほど、女神様でしたか。お会い出来て光栄です」
人の身で神に逢えるとは。幸せですね。
素晴らしいおっぱいの持ち主でしたが女神なら納得です。
「そ、そんな……私なんてまだまだ……ですがそう言って貰えると嬉しいです」
「人の身で神に出逢えるのは奇跡とも言えますからね」
「そ、そこまで……その……でしたら一つだけ『お願い』をしても良いですか?」
「お願い……ですか。どのような事でしょうか?私に出来ることでしたらやりますよ」
私がそう答えると、女神様は微笑みながら『お願い』の内容を話しました。
「あちらの世界には教会があるのですが、出来るだけ毎日礼拝をしてください。『信仰心』が私の力になりますので……」
「なるほど。それでしたらお安い御用です。毎日礼拝をしますね」
「えへへ。ありがとうございます。そうしていただければ、私に会うことも出来ますからね。毎日神様に会えますよ」
彼女はそう言うと、パチンとウィンクをしました。
その時、プルンと彼女のおっぱいが揺れました。
やはり素晴らしい柔らかさと思えます。
毎日この素晴らしいおっぱいを見ることが出来るのなら、礼拝をするくらい朝飯前です。
「おぉ、それが一番のご褒美ですね。ありがとうございます、女神様」
「えと。その……私の名前ですが『セレスティア』と申します」
セレスティアはそう言うとふわりと微笑みながら私に言葉を続けました。
「ふふふ。私の名前を教えたのは貴方が初めてですよ」
「なるほど。私が貴女の初めての男ですね。光栄です」
私がそう答えると、セレスティアは先程とは違い、笑みを絶やさないまま言葉を返しました。
「はい。貴方が初めての男の人です。そうですね……最後に一つだけ、貴方のお願いを聞いてあげますよ」
「何と。良いのですか?」
「はい。どうぞ言ってください。私に出来ることなら『何でも』しますよ」
素晴らしい胸を逸らしながらそう言うセレスティア。
私は彼女に自分の願いを言うことにしました。
「貴女にお会いした時から、願っていたことが一つあるのです」
「あ、会った時から……まだそんな時間は経ってませんが……何でしょうか?」
私は軽く息を吸い込み、セレスティアに言いました。
「貴女のおっぱいを見せてください」
「…………………………え?」
キョトンとした表情のセレスティア。
私はもう一度言いました。
「セレスティアのおっぱいが見たいです」
おっぱいは見るだけです。
許可が無ければ触れてはいけない。
これは私の『ポリシー』です。
白に布の向こう側。生のセレスティアのおっぱいを見たい。きっと最後の5点を加えられるはずですから。
「……たい」
「……え?」
俯きながら軽く言葉を紡ぐセレスティア。
私は聞き漏らしてしまいました。
すると、彼女は軽く涙目になりながら叫びました。
「へんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたーーーーい!!!!!!!!!!!!」
「……やはりダメですか」
私がそう言うと、セレスティアは眉を釣りあげて答えました。
「ダメに決まってるじゃないですか!!何言ってるんですか!!そう言うのは……その……もっと親密になってから……」
「なるほど。親密になれば見せていただけると」
「そ、そういう訳じゃ……無いです!!もー!!!!最低!!さっさと異世界に行ってくださーーい!!!!」
バチーーーーン!!!!
「ぐはぁ!!!!」
セレスティアの平手打ちをまともに食らった俺は、後ろに向かって吹っ飛んで行き、ブラックホールのようなものに吸い込まれていきました。
「もぅ……ちょっとは良い人かなって思ったのに……」
「安心してくださいセレスティア」
「……え?」
ブラックホールに吸い込まれる寸前。私は彼女に言いました。
「貴女に逢うため、毎日礼拝をしますからね。親密度を上げてから、もう一度お願いすることにしますよ」
「……ばか。へんたい。おっぱい魔人……でも、待ってますからね」
こうして、私は頬に大きな紅葉を作りながら、異世界へと転生したのでした。