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バトルで勝ちたい(9)


「仕事に詰まってたまたま息抜きで来たビガストで、たまたまあったバトルを見て、たまたま汚染魔力が出て、たまたま美しい浄化魔術を見れて! もうすっごいたまたま! 流石芸術は何が起こるか分からない!」

「ちょっと何言ってるか分からないです師匠」


つまり、モナコさんは私達のバトルを見ていて、セアサーラちゃんの浄化魔術に惹かれたっていうことなのかな。確かに、あの時のセアサーラちゃんはいつにも増して綺麗だったけど。


「ボクのモデルになってくれないか!? ほんと、報酬は弾むから!」

「報酬?」


まずい。つられて復唱してしまった。報酬って聞くとイコールでお金に結びついてしまう私ダメだ変えないと。


「うん、そうだね……。金貨3枚とかどう?」

「金貨3枚!?」

「あれ、少ない? じゃあ金貨5枚」


思わず口あんぐり。今までと桁が違う。いや色が違う。

報酬の額を聞いてから、セアサーラちゃんがちらりと私を見た。目が「金貨5枚があったら、貸家も借りれますしこれから楽になりますよね……」と語っている。

確かにお金が増えたら貸家も借りれるし装備ももっと揃えられるし、いい事は沢山ある。でも、やりたくないなら無理にやって欲しくないし。


「私達のことは考えなくていいよ。セアサーラちゃんがやりたいようにしてね」


にこり、と微笑むとセアサーラちゃんも安心したように笑う。そしてきゅっと顔を引きしめて、モナコさんに向き合う。


「モデルの件、承ります。よろしくお願いします」

「本当に! ありがとう! じゃあ早速――」

「明日朝8時、噴水広場集合でお願いします」


ハーム君完璧秘書みたい。そういえばこの世界でも時間の数え方は一緒なんだね。今気がついた。

最後まで約束だからねと言う、未だ名残惜しそうなモナコさんの手をハーム君が引きながら、2人は去っていく。嵐かよ。


「……良かったの、セアサーラちゃん」

「はい。実は、絵に少し興味がありまして……。画家様はお姉様の肖像画も描いていらっしゃるので、お話してみたいなと思ったのです」


セアサーラちゃんは優しく笑った。




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