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バトルで勝ちたい(8)


闘技場の外に出ると、なんだか人が集まっている場所があった。なんだろう。


「お客様! 勝手に入られては困ります!」

「良いじゃないか、別に。それよりも早くあの子に会わせてくれ! さっきからボクの創作意欲が湧いて湧いて堪らないんだよ!!」


どうやら、ギルドの人達とあるお客さんのようだ。野次馬根性でそちらの方へ流れていくと、ギルドの人達に止められていた一人のかっこいい女性が私達を見つけて目を輝かせた。


「おおっ! 出てきた出てきた! ねえ君達!」


その人はガサガサギルドの人達をかき分けて私達の方へ進んでくる。彼女の隣には大きな荷物を持った可愛らしい男の子がいた。彼は申し訳なさそうな顔で私達に向かって頭を下げる。

女の人は、少し息を整えてから、セアサーラちゃんの手を取って跪いた。


「いやぁ、貴女は美しい。もはや世に咲く花々も嫉妬してしまうよ。何度か本当か人間なのか確認してしまった。女神の化身かと勘違いしてしまう輝きだよ。是非とも、ボクのキャンバスに貴女のその甘美なる姿を描かせてくれないだろうか」


………………。

多分ここにいた皆がフリーズしていただろう。セアサーラちゃんは言葉を理解した途端音が聞こえたと思うくらい真っ赤になった。

うん。私もこれには耐えられないと思う。この女の人結構イケメンだし、サラリとキザなセリフ言われたらね。


「申し訳ありません。本当にご迷惑をおかけして申し訳ありません」


男の子はペコペコと頭を下げる。私は彼の声で再起動を果たした。


「え。誰この人」


再起動はしたけど理解はしていない。この一種の変人はなんなのだろう。


「こちらの方は僕の師匠で――」

「ボクはモナコ・ヴィンセントだよ! どうぞよろしく! んで、良ければボクのモデルになってく」

「僕はハーム・ミケランと申します」


モナコさんは変わらずキラキラと光を舞い散らせながら、セアサーラちゃんを見つめている。ハーム君にひっぺがされてセアサーラちゃんの手は離している。


「モナコ・ヴィンセントって……あの!?」


ナホさんがそう言って体を仰け反らせる。セアサーラちゃんも衝撃を受けているように見える。

え、誰? 有名な人なのかな。


「ええーっと……。ナホさん、こちらの方、どういう人なのですか?」

「どうって何も、凄い人よ! 固有スキル『画家』持ちの、モナコ画伯。世に価値が付けられないほどの作品を何点も創り出し、その腕は世界中全種族に認められているの」


まじっすか、固有スキル持ち。『画家』ってかっこよ。ヴィンセントって名前からして、確かに絵を描きそうな名前だよねー。


「いやー、ボクの事知ってくれてるんだ、嬉しいなぁ。良ければボクのモデルに」

「師匠はとても良い絵を描くのですが、普段はこの通り創作意欲が湧くと暴走するダメ人間でして……」


ハーム君、師匠に厳しい。でもめげないモナコさん。手が少しうずうずしているように見える。絵を描くイメトレかな?


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