表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/72

恩返しがしたい(3)


セアサーラちゃんが泣き止んで、少し経った。


「私、決めました。セアサーラさんのお姉さんに、会いましょう!」


力強くそう言う。セアサーラちゃんとナオヤ君は、呆然とした様子だ。

ホムラはと言うと、そうなるよな、とも言いたげな感じで頷いていた。さすがホムラ。私のことがわかっている。


「で、でも、どうやって」

「透明になって入り込むんです! セアサーラさんが考えた案じゃないですか」

「……いや、それは難しいかもしれない」


案を否定したのはナオヤ君。私は首を傾げてその真意を聞く。


「どうしてです?」

「教会の聖女様には、剣神様が護衛として付いている場合が多い。剣神様は、恐らく透明化したとしても気がつくだろう」


剣神、とな? ナオヤ君は私がはてなマークを浮かべていることに気がついたのか、説明してくれた。


「剣神様は、固有スキル『剣神』を持った、世界でもトップを争う強さの騎士様だ。凄くかっこよくて、素晴らしい方なんだ!」


ナオヤ君は、目を輝かせながら話す。もしかして彼、騎士が好きなのかな?

それにしても話を聞く限り、剣神は相手にしない方が良い人だな。戦っても絶対負けるじゃん。


「んー、だったら透明になって侵入はやめておいた方がいいですか……」

「あの! レイカ様、どうして……?」


セアサーラちゃんは目をさ迷わせながら私に聞いてきた。

そんなの、当たり前じゃん。


「貴女をお姉さんに会わせてあげたいからですよ。これは、恩人ということは関係ありません。……多少はありますが。私が話を聞いて、そう思ったんです」


セアサーラちゃんの顔をしっかりと見て、はっきりと答える。


「実は、私も親がいなかったんです。孤児を保護してくれていた大人達の元で育ち、血が繋がった家族は、妹と弟の2人でした。2人がいてくれたからこそ、私は生きようと思えたのです。家族って、心の宿り木なのですよ」


家族のことを思い出しながら、私は思いを伝える。

3人とも、私が辛い過去を持っていると思っていなかったのか、驚いたようだった。

気づかれないように明るく振舞っているんだけどね。気づかれていないのは私の思い通りだから。


「私に、セアサーラさんを助けさせてください」


真摯を込めて強く言うと、セアサーラちゃんは私の目を見て、はっきりと言った。


「お願いします。わたくしを、助けてください」


そして、2人でにっこりと微笑む。


「……俺もさ、付き合わせてくれない?」


呟いたのはナオヤ君。目をふせながら、小さな声で言う。


「君達の話を聞いて、俺、何もしないなんてこと出来ない。助けようとしても、強くないから力にならないかもしれないけど……」


私とセアサーラちゃんは顔を合わせる。そして、同時に頷いた。


「勿論! 力強いですよ」

「それに、セアサーラのように俺も心が強くありたい。俺はさ、騎士になりたいんだ。でも、騎士に掛け合っても無視されるだけで、諦めかけていた。けど、諦めるなんでダメだ。俺は騎士になりたい!」


ナオヤ君は、手で胸を叩いて、抱負を述べる。私は、力強く頷く。


「よし! じゃあ騎士になろう! 私も手伝います!」

「……僕は、レイカがしたいことは全部してあげたいし、レイカを助けてくれた君達にも、何かしてあげたい。だから、力になることは何でもするよ」


ホムラの言葉に、みんなが笑顔になった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ