恩返しがしたい(1)
レストランに来た。
机を囲むように4人で座る。私の隣にホムラが座り、向かいに恩人の女の子と男の子が座る。
話をする前に、色々ご飯を注文。パスタとかステーキとか、美味しそうなものたっぷり。洋食が多かった。
「じゃあ早速。私の名前は、レイカ・アマムラです。で、こちらが――」
「ホムラだ。レイカを助けてくれて本当にありがとう」
ホムラが頭を下げる。私も一緒に頭を下げる。
「わたくしは、セアサーラ・ホーノワースと申します」
「俺はナオヤ・サータンだ」
料理が届いて、一帯にいい匂いが漂う。早く食べたい!
お皿にパスタを少し取って、みんなに分ける。
「さあ、食べましょう!」
私が食べ始めると、みんなもパスタを口に運ぶ。
んー、美味い! ちゃんと味を感じる! 幽霊だから味覚ないんじゃないかと心配していたけど……。
ケチャップ風の味、野菜の絶妙な硬さ……最高! 生きていてよかった!
一通りパスタを味わったら、本題に入る。
「私、何を返せば恩返しになるのでしょう?」
「わたくし、お礼など……」
「そうだ! お2人が欲しいスキルの獲得条件を教える、とかどうですか? 伝えるのは明日になるかもしれしれませんけど」
ホムラが私を横目で見てきたが、何も言わない。了承してくれているってことかな?
私は2人の反応を待つ。
「そんなことできるのか?」
「できますよ」
私はこくりと頷く。ナオヤ君は考え込み、セアサーラちゃんは少し目を伏せた。
「……俺、強くなれるスキルなら何でも欲しい」
ナオヤ君はボソリと呟いた。強くなれるスキル? それだったら、『身体強化』とか、『火魔法』とかが代表かな。
でも、ちょっと気になったことを聞いてみた。
「ナオヤ君は強くなりたいのですか?」
彼は俯く。少し耳が赤くなっているような気がするが、恥ずかしいのだろうか。
……強くなりたいって、全く恥ずかしいことじゃないよ。
「実は、私も強くなりたいんですよ! 強くなって、安全に旅をしたいなーって」
「旅?」
セアサーラちゃんが私の言葉に反応した。ナオヤ君は、目を見開いて驚いている。
あれ。何か変なこと言ったかな?
「レイカ様、どこに行かれる予定なのですか?」
「んー、まずは王都に行きたいと思っています」
「王都…………」
セアサーラちゃんは再び目を伏せる。なにか考え事をしているようだ。
「あ、ナオヤ君。どういう系のスキルがいいですか?」
「……剣を強くするスキルがいい」
「成程……。分かりました!」
剣かー。かっこいいなー。どんなスキルがあるだろう。
「セアサーラさんは、欲しいスキルはありますか?」
心の中ではちゃん付けだけど、親しすぎるかなーと思いさん付け。君はまあ許してくれ。
「わたくしは……その、透明になれるスキルがあれば……」
「透明?」
意外なところが来た。透明になるスキル。そういえば、『透明化』って手に入れた気がする。
内容を調べてみないとな。
「多分あります」
「本当ですか!」
「……あの、失礼かもしれませんが、何故透明のスキルが欲しいと?」
あ。黙っちゃった。踏み込みすぎたか! やっちまったか!
慌てて謝ったが、セアサーラちゃんは手と首を振って否定してくれた。
「…………実はわたくし、姉がいるのです」
話してくれた内容は、私にとっても辛いものだった。




