もっとお金を稼ぎたい(6)
「ホムラは何食べたいの?」
「そうだな……。すいーつとやらが食べてみたい」
めっちゃカタコト。すいーつって言い方可愛い。慣れてないのかな、こういう言葉。スイーツが食べたいというのも可愛いんだけど。
うちの精霊が可愛くてかっこいい件について。
「あ、見てよあの店! 屋台みたい!」
「やたい?」
ホムラは首を傾げていたが、私の元々高かった気分はもっと向上!
ホムラに屋台の説明をする。
「買い食いができるのか! あの店は何が食えるのだ?」
「見てる限り……りんご飴!!」
りんご飴あるんだ! 前世(正しく言うと前前世だけど、前世でいいよね)でも大好きだった!
食べたい。お金ならある!
「並んで食べよう!」
ホムラと一緒に並ぶ。りんご飴楽しみ。初食べ物。
2人でワクワクして並んでいた。それが慢心となった。
――背中に、衝撃があった。
誰かが叫ぶ声が聞こえた。
何か、あったのだろうか。後ろを向こうとするが。
私の魔袋が誰かに盗られた。驚いて追いかけようとするが。
急激に、今まで感じたことの無いような痛みを感じた。
「…………ぅぐっ」
声にならない呻き声が出て、ふらりと身体から力が抜ける。
「レイカ!!?」
ホムラが私の様子に気が付き、慌てて抱きとめる。そして、背中に目線を向け、その顔が驚愕に染まった。
背中が焼けるように痛い。痛い。痛い痛い痛い――
脳が情報を理解出来ていない。
ホムラの手が真っ赤になっているのが見えて、何となく悟った。
刺された。
「レイカ! 大丈夫か、レイカ!! ごめん、僕がついていながらこんなこと……」
ホムラが涙目になりながら、血止めを始める。
私達の周りに人が集まってきているのがぼんやりと見える。
ぼんやりと。
視界が不安定になってきた。段々と聴覚もおかしくなる。耳鳴りしか聞こえない。
手足が震える。
生態反応? いや、それもあるけど。
怖い。
死ぬのが。
私、死ぬの?
死ぬってこんなに痛いものなの?
痛みが感じなくなってくる。逆に怖い。死が近づいているようにも感じる。
嫌だ。死にたくない。やっと私の夢が叶えられると思ったのに、どうして死ななきゃいけないの。
私、悪いことしたのかな。
急激な倦怠感が襲いかかってきた。もうダメだ、と本能で感じた。
目を、閉じた。




