成人になりたい(1)
「教会って、王都のお城の横にあるあれで合ってる?」
「合っているが、あれは教会本部だ。Mリングをもらうのだったら、本部にいかなくても教会分部で間に合う」
教会分部とは何ぞ? と思ってたら、その私の気持ちを察してか、ホムラが説明してくれた。
「教会の力が強いと言っただろ? 教会は力を保つためにも、街や村に教会分部を置いて、人々に常に教会の力を見せつけているんだ」
「へー。でも、教会って皆に受け入れられてるの?」
「ああ。教会の教徒達はほとんど治癒魔法を専門としている。人々にとって教徒は怪我や病気を治してくれる大切な人員でもある」
治癒魔法か。欲しいな。光属性を持ってなかったら無理だけど。
「教会分部ってどこら辺にあるの?」
「この街のギルドの近くにあるぞ」
「ギルドねぇ……。私の死体そこに置きっぱじゃん。え、やばくない!? そこのギルドの人に私が2人いると思われる!」
「その件についてか……。まあ元々のレイカの髪と瞳の色は黒だったが、今は白だし大丈夫じゃないか? バレても双子で言い逃れができるだろう」
……今ホムラは何と言いました? 私の髪が白? え?
そういえば実体化する前もしてからも髪の毛を見ていない。
ドキドキしながら髪を手に持って見てみる。
真っ白じゃー!!
え、ストレス? ストレスで真っ白になっちゃった!? それとも幽霊になるとこうなるの?
「私の目の色何色?」
「透明に近いぞ」
透明に近い!? 目が?
近くに鏡があったりしないか? 1度全身を確認しておきたい。
まあ鏡なんてないよね。
人前に行くんだったら、今の状態を確認する必要があることに気づいた。
服は? 死ぬ前の状態っぽいけど浮かないのかな? 膝丈よりギリギリ上の黒色スカートに、上の服は白色の服の上に茶色のベストを着ている。
異世界と地球は全く違うし、服も違っておかしくないもの。ちらっと街に行った時にはあまり服のこと気にしていなかったな。
ホムラに聞こう。
「ねえホムラ、私の服おかしくない?」
「おかしいと言うよりかは変わってるように思う」
変わっている!? やばいこのままだと変わり者だと思われるのか!?
今まで気にしていなかったけど、ホムラの服も馴染みのない感じだ。いや、逆に馴染みがある?
和服風の服だ。着物チックだけど、上下で別れてる。 動きやすそう。
こういう服がここでは着られているのかな?
「ホムラの服が平均的なの?」
「いや。僕のは精霊界でよく着られている服だから、人間界の服とはちょっと違うかも」
「ほう」
じゃあ誰を参考にしたらいいの!?
服を買うには、やっぱりお金か。
お金ない。無一文。
「お金ってどうやって貯めるの? 服買った方がいいと思ったからさ。服のせいで怪しまれたりしたら嫌だもん」
「確かにな……。金は早めに集めた方がいいか。金は魔物を倒した時に出てくる素材を売ると手に入る」
なるほど。魔物を倒したら万々歳ってわけね。レベルも上がるし、スキルも増えるし、お金も増える。
「だが金を集めるにしてもレベルを上げるにしても、やはり迷宮に潜る必要はある。そのために教会に行ってMリングを貰わなくては」
初心に戻った。まずは成人にならないと始まらない。
というわけで教会に行こう!
私はケンパトを出して、地図を見る。
ほうほう、ギルドはこっちね。
「何をしている?」
「んーっとね、地図を見ている。ケンパトで」
「ケンパトとやらで地図も見れるのか!?」
「『探知』のおかげなんだけどね」
ケンパトを消して、私はホムラに向き直る。
「じゃあ、教会に行こっか」
「……そうだな。その後のことはその時に考えよう」
ホムラはなんだか疲れたような顔をしていた。




