はぐれ精霊(5)
「お恥ずかしいところをお見せしました……」
「いや。レイカも人なんだって分かって安心したよ」
ホムラ君と目を合わせるのが恥ずかしい……。子供っぽく泣きじゃくってしまった。
少年に慰められるって、どうなんだろう? 自尊心が……。
「よし! もう大丈夫だよ。契約ってどうやって結ぶの?」
「手出して」
言われるがまま手を出す。ホムラ君が私の手に彼の手を合わせる。
温かい。それだけで嬉しい。
「契約する時に大切なのは、誓うことだ。神に誓う、ということ。言葉と一緒に魔力でお互いを縛る。言葉と魔力が合わないと契約にならない」
「へー。神様に誓うんだ」
偉大なる創造神エクセラ様は契約の誓いを聞いているのだろうか? それは神のみぞ知る、ということだね。
「――僕はレイカを宿りとし、レイカの為にはたらく契約精霊となる」
ホムラ君がそう言って、私を見る。私も言え、ということだろうか。
何を言うんだ? 契約精霊って言葉が出てきたけど、ホムラ君が私の精霊になるってこと?
まーよく分からん。とりあえず私の思うように言おう。
「――私はホムラ君に世界を見せてあげる。魔力もあげる。それよりも、ホムラ君を笑顔にする!」
ホムラ君が驚いた顔を見せる。そして、少し泣きそうな顔をして、そして笑った。
「ああ。僕もレイカを守ると誓おう」
……も、って。全然違う内容ですよ。
図らずともドキッとしてしまったでは無いか。しかしホムラ君は少年。私はショタ好きでは無い! 決して! これこそ神に誓える!
「レイカ。手に魔力を溜めて」
「お、おう!」
ホムラ君に声をかけられて、慌てて魔力を手に込める。
ホムラ君も魔力を溜めているのか、手の辺りがホワンと温かくなる。
魔力って温かいんだ。初めて知った。
私とホムラ君の手の周りを、光がぐるぐると飛び交う。
それはとても幻想的で美しく、祝福を見ているようだった。
その光が消える。
『獲得条件を満たしました。天村麗花にスキル『契約』を付与します』
新スキルを手に入れた。『契約』? 契約したらスキル『契約』を手に入れるものなのかな。
ホムラ君に聞いてみる。
「ねえホムラ君。スキル『契約』、君にも付与された?」
「ああ」
こくりとホムラ君は頷く。
「これで僕はレイカの契約精霊だよ」
「契約精霊って?」
「魔力を与える者に精霊は感謝を込めて契約し、その者のためにはたらくんだ。そういう精霊が契約精霊」
「なるほど。契約精霊って、一回なったら普通の精霊に戻れないの?」
「戻れない。捨てられたらその精霊は死ぬ」
ガガーン。ショックを受けました。
いわば私、ホムラ君の命を預かっちゃったってことだよね!
「私、絶対にホムラ君を捨てたりしないからね! 大切な仲間だもの!」
「……ああ。信じてる」
にこり、とホムラ君は微笑む。
私も、にこり、と微笑み返す。
「あ。僕のことはホムラって呼んで」
「わかった! よろしくね、ホムラ」
「……こちらこそ」




