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はぐれ精霊(2)


『今の話は本当だな?』

『え? うん。本当だよ』

『証明するものは?』


うわー。証明しろと言ってきましたね。そりゃあ人の言うことホイホイ信じてたらお金無くなるわ。

証明するものー。なんかないかー?

んー。んー。

はっ。あるぞ! あるじゃないの!

私の死体が!


『あるよ! 街にあるよ! 着いてきて』


少年にカモンと言いながら、私は街へ急ぐ。後ろを見ると、少年は相変わらず不可解そうな顔をしながらも着いてきてくれている。

ケンパトを出しながら、あのお店へ向かう。

見覚えのある噴水広場まで来た。行き交う人々の言葉が今なら理解できる。

うれしー! テンション上がるー!

ルンルンしながらあのお店の前にまで来た。読めなかったミミズ文字が今なら読める。

ビガストギルド。そう書いてある。

ギルドねぇ。後で調べよ。

今は少年に私の死体を見せるべし!

少年に手で中に来るよう促し、棺のある部屋まで行く。

あー。残ってるかな。今心配になってきた。燃やされてたりしたらどうしよう。少年に「この嘘つきめ!」って見放されるんだろうなー。怖いなー。

若干祈るように棺のある部屋をすり抜けた。

うわ。棺いっぱいあるし。

どの棺だったかなー? 真っ白で、花の模様が掘ってあったような気はする。

これかな? あっ違う、ごめんなさい! これかな? あっこれも違う、ごめんなさい!

と私じゃなかったら必死に謝りながら棺に頭を突っ込み中を見る。これなかなかシュール。

気が滅入りそうになりながら突っ込んだ五つ目の棺。

そこには鏡で見慣れた私の顔が!


『いたよ少年! これ私だ!』


少年が変な顔をしながら私の横まで来て、棺に顔を入れた。

少年が顔を上げ、私の顔をじっと見る。

やだ。そんなに見つめないで。恥ずかしい。

というか私の顔変わってたりしないよね!? 幽霊になって顔変わってたら泣くよ! 自分で見えないもの!

またまた祈りながら少年の反応を待つ。


『…………本当にお前、死んだんだな』


おおっ。これは死判定いただきました! 私の話が本当だと信じてくれたようです!


『死んだよ? 二回』

『……よくそんなに明るくいられるな。僕がお前の立場になったら笑えるような気がしない』


少年が不思議な様子で私に尋ねる。

そうだね……。どうしてこんなに前向きでいられるんだろう。考えたこともなかった。

小さい時から、色々我慢して、我慢して、我慢して。

ずっと笑ってきた。

でも、きっと。


『辛い状況で悲しんでたり怒ったりしても、あまり状況は良くならないじゃない? それだったら前向きに考えて、次のこと考えなくちゃ。それに、笑ってたら元気が出てくるんだよ!』


少年は目を見開く。

そして、ふっと笑みを漏らした。


『そうだな。お前の言う通りだ』


少年は私の顔を見て、手を差し出した。


『僕はホムラ。お前が探していた精霊だ』

『私は天村麗花。よろしくね』


私はその手をしばらく見つめて、にっこり笑いながら手を握り返した。

実際には握れてない。合わせただけだけど握ったんだもん!




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