精霊探しの道中(5)
……精霊ってどの辺にいるん?
え。このひっろい森の中をそこらじゅう探さなきゃいけないのか?
ダルゥ! 精霊感知とかいうスキルないかなぁ。気になったら調べよう。「せいれいかんち」で。
該当なし。
ないなぁ。そうかぁ。残念。
地道に探すしかないか。
覚悟を決めて、ガサガサと草をかき分けかき分け、木々をすり抜ける。
精霊さーん。いらっしゃいませんか?
あれから約一日経ちました。
成果はゼロです!
疲れた! 身体は疲れないけど精神的に疲れた!
思考加速があるから考え事してると時間長くなるし、ただただ無心で探していたから検索もしてない。
探し物をする時、転移は役に立たないしなぁ。
効率よく森を回りたいよねー。同じところぐるぐる回ってても気が付かないし。
まあ探すしかないんだけど。
今もふよふよ探し続けてるし。
精霊さん。出ておいで。出ないと目玉をほじくるぞー。
思うんやけど目玉ほじくるってグロすぎん? 嘘ですよ精霊さん。怖がらないで出てきてくださいー。
お願い。
実体化したいんだもん!
――しかしことは簡単に及ばない。
もう一日経ちました。
ほとんど森回ったよ。精霊いないよ。
あれー? 元々の精霊の探し方が間違えているのかなぁ? そもそも精霊見えないとか。
そうやったら私の努力とはいかに?
いやいや。流石にそれはないよね。精霊って、「霊」と言ってるくらいだから私と同じじゃん。
私幽霊だし。霊体だし。
ここの森にいない、ということなのかな。違う場所を探すべきかー。
気落ちしながらとぼとぼ森を出ようとする。
と。
『獲得条件を満たしました。天村麗花にスキル『探索』を付与します』
うおーー! スキルキターー! お先真っ暗状態の私に光が差したようだ!
神は私を見放していなかった!
これは大袈裟か。私が獲得条件に達したんだから付与してくれただけだもんね。
とりま「たんさく」で検索。
『探索』己が行ったことのある場所が地図として残される。また、探し物が効率よく行える。
〈獲得条件〉探索した場所が一定値に達する
探し物が効率よく行えるですって!
ありがたすぎる!
地図ってどうやって見れるのかな? これも想像が必要か。
むむむ……。頭の中に地図を出せ……。頭の中じゃなくてもいいのかな? じゃあ手の中に地図出てこい……。
うおっ。出てきた! ってこれケンパト!
ケンパトに地図が出てる! すげー。検索の他にも地図も見れるん?
この状態からどうやって検索するんだ? まあそれは置いておいて。
地図に注目!
ジャジャン。
お。現在地はこの赤い点かな? 私が行ったことのある所だけケンパトに浮かび上がってる。
森林全部回ったと思ってたけど回れてないし。
私が死んだところはここの近くだし。
街があったのもここの近くだし。
この辺以外だったら、王都への道だけがぶわって浮かんでるのが面白い。他は全部真っ白。
拡大できるぞ。縮小もできるぞ。
万能。ケンパトさん万能。
とりあえずこの辺の地図を完全にしたいな。
この地図が出来たおかげで方角が分かりました。
北の方向に向くと王都がある。
西に向くと街がある。東を向くと森林がある。南を向くと森林がある。
南の方の森林が途中だから完全にしておこう。
――はい。森林は完全! イェイ!
ひと仕事終えた気分。ふー。
じゃねーよ!
精霊探し忘れてた!
んまー。意外と街に精霊さんいたりするかな? 行ってみようかな?
いや決して街をゆっくり観光したいとかいう訳ではなくてですね。
一人で言い訳をしながら街の方向へ歩こうとした、その時だった。
傍にあったおおきな木。そこに座りながら空を見ていた少年がいたのだ。




