6.
微妙に話が進んできたように感じる回です。
拙作をブックマークしてくださった方がいらっしゃるようで、本当にありがとうございます。拝ませていただきますm(_ _)m
ふと、明るさを感じて目を覚ます。
(朝か…)
「起きられましたか、皇后陛下。朝食はどうなさいますか。」
「粥が良い。気を遣ってくれたこと、礼を言う。」
いつもであれば、聞かれない朝食について聞かれたのは、昨日の体調を考慮してのことだろう。本当にこの国の者は皆お人好しだ。
—————————-
「不思議なんだけど、君、どうやって育ってきたんだい?あれぐらいの気遣いは、侍女であれば普通のことだよ?」
いつものように、いつものごとく、本当にこれが仕事なのかと思うぐらい、神出鬼没に現れては、無駄口を叩いてくる。
「…普通のことをされようが、礼を言うのも普通のことだろう。」
「……ハハッ……ハハハ、成程、やっぱり面白い子だ。」
「やっぱりと言われるほどお主が私の何を知っていると?」
まさか昔から自分のストーカーをしていたのかと、胡乱な目で見ると、流石にひどい冤罪をかけられた悠舜は言い返した。
「いや、違うから!君のことを昔から知っているだけだから!」
「昔から?」
まさか、ストーカーは今に始まった事ではないとでも言うのだろうか。聞かないほうがいい気がするとは思ったが、聞き返した。
「え!?いや、違う、あの、その、比喩だよ!そう、比喩。」
…明らかに怪しい態度である、しかし、これ以上聞いても碌なことが出ないと思ったため、これ以上は何も聞かなかった。
聞けなかったとも言う。
(逃げ足の速い)
聞こうと思っても、もうすでに目の前からいなくなっていた。
それにしても、昔からとは本当にどう言う意味なのであろうか。友好国であるのであればともかく、遥と接は元から仲が良くなかったはずだ。
何せ戦争が起きるぐらいである。
(不思議な男よ)