4.
皇后の生活編
朝食はパンにスープ、サラダという質素なものであるが、きちんと運ばれてくる。
(流石、古代から続く国。上品というべきか、プライドがあるというべきか。接があれほどひどい事をしておきながら、無視や、少しの嫌がらせ程度ですんでいる。)
一口パンを食べながら思う。
(接であれば、良くて食事に虫が、悪ければ毒が入っているところだ)
接は軍事大国であるため、なかなか苛烈な人が多いのだ。
さて、朝食が終わればいよいよ仕事が始まる。
通常、皇后の仕事というのは想像しているよりも多く、民が想像する優雅な時間はほんのひと時である。
しかし、遥の今代の皇后は人質というのがある意味一番の仕事であり、人質であるからこそ、遥にとっては皇后は信用に値せず、ほとんどの仕事を任されていない。
したがって、皇后は民が想像する優雅な生活というものを一日中やろうと思えばやれるのであるが、
(落ち着かぬな。やることがないよりは一日中働いていた方がマシだ。)
皇后は性格的にも、育ち的にも、優雅な生活というものが向いていない。
(話し相手もおらぬしな。)
当然である。この国の人たちが、プライドからやらなかったいじめであるが、ある意味一番皇后には効いていた。