14.
短くて本当に申し訳ないのですが、なんとかかけた分だけ投稿させていただきます。
ぎゅっと、皇后は己の拳に力をこめることで、気合を入れた。珍しく政務、それも外での政務があるのだ。
大洪水に見舞われた地があり、そこを慰問するのだ。ちなみに行方不明者はいるものの、未だ死者はいないらしい。何でも国王と先王陛下が、洪水が起きた他の土地の住民と謁見した際に、その地も危ないのではないかと提言したことで、住民が避難していたらしい。
「時間か。」
「失礼いたします。皇后陛下。馬車のご準備ができました。」
「こちらも準備はできておる、行くか。」
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村はやはり、というべきか大きな損害を被っていた。家という家はまるで猛獣の襲撃にあったかのようにひしゃげており、家としての原型をとどめず木片となっているものもあった。
ふと、木片の上に座り込んでいる男に目を向けた。洪水後、家が壊れたという状況ではあるものの、それにしてもこの世の終わりのような顔をしている。そんなにも思い入れの深い家であったのだろうか。
何かが引っかかり、その男に近づく。なぜか侍女も一緒になってついてくるが、気にしないことにした。
「お主、どうしたのだ?」
その男に近づきながら声をかけた。
「…?どなたでしょうか。」
「…慰問に来た者だ。家や家具は税金によって買うこともできよう。そんなに落ち込まずとも良い。」
「…では、そうでは、ないのです。むすこが、私の、最愛の息子が、あの日から帰らぬのです。」
「………!そ、れは、心のないことを言うてしまってすまぬ。よければ状況を教えてはくれぬか。力になりたい。」
きりがわるい終わりで申し訳ありません。




