13.
読んでいただきありがとうございます。
区切りがいいところで切ったら短くなってしまいました。すみません。
リアルが忙しくなってしまって、もしかしたら1週間ほど更新できないかも知れません。すみません。
構想は最後まで練ってあるので、完結は必ずします。
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「こんな身体は見せることができぬしな。」
皇后の身体はとても高貴な生まれとは思えないほどに傷だらけだった。
目を瞑る。今でもその情景が、まるで昨日のことのように思い出せる。
凶器、暴力、毒、果ては暗殺者まで——。
皇后は頭を振った。やめよう。思い出してもどうなるものでもない。
気を取り直して着替え始める。
いつもよりそこはかとなく装飾や刺繍が華美になっている気がしなくもない。
(本当に何故、急に態度が変わったのであろうか。)
思い出してみるものの、特に心当たりはない。
考えても無駄か、と、皇后は朝食のために少し柔らかな雰囲気になった侍女を呼んだ。
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皇后の着替えを見ている男がいた。
通常であれば、周りから罵倒される程の最悪な覗きであるが、誰にも注意されることはない。天井裏にいるからである。しかし、それ以上に、男の雰囲気が話しかけることを躊躇わせる。
皇后の前に出ている時とは似ても似つかぬほどの表情の険しさと、視線の鋭さである。
男は何も言うことはなく、やり切れない思いを吐き出すように、舌を一つうつと、その場からかき消えた。




