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ハグレ異世界転移  作者: ノーム
1/2

プロローグ 魔王様

辺りは一面、暗黒に包まれている。

 部屋の中で複雑な幾何学模様の魔法陣が展開され、その中から数十人の学生服の少年少女がいきなり現れる。

 その部屋は横も十分な広さがあるが、縦にとても長い。

 大体入り口から200mぐらいだろうか。

 部屋の隅から玉座まで大勢の人間…否、化け物達が並んで立っている。

 見た感じは人間だが、オーラが違う。

 まず角が生えていたり、額に第三の目があったりと、明らかに人間ではないのもいるが。

 恐るべきはその者達が仕える主人だ。

 部屋の1番奥にその主人はいた。

 魔王…とでもいうのだろうか?

 男…?

 でもなく。

 女…?

 かもしれない。

 とにかく不思議で、人間でない事は確かだが。

 …何故見えるのだろうか?

 ふと、そう疑問に思った。

 辺り一面は真っ暗なのに対し、僕の目には辺りがはっきりと見える。

 目が暗闇に慣れたという訳ではなく、最初から目がそういう仕組みになっているというか…。

 説明が難しいな。

 おっと。

 自分の思考の世界から出なければ。

 僕は考え過ぎると固まって周りが見えない時があるかるな。

 自分の思考の世界から戻ってくると、案の定というべきか、騒がしかった。

「何!?何がおこったのよ!」

「ば…化け物!」

「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ!」

「おいこいつ過呼吸になってんぞ!大丈夫か?」

「さっきまで教室だったろ…?どうなってんだよオイ!」

 僕のクラスメイト達が騒ぎ立てている。

 そんなに騒がないでくれ…。

 僕も不安になってくるじゃないか…。

 痩せ我慢していると自覚していたから一生懸命思考していたのに…。

笠置原(かさぎはら)くん!これ…何が起こっているんだろう?」

 後ろから声がかけられ、振り返ると僕の彼女がいた。

「ごめん。僕も全然分からないけど…。今は黙っといた方が良さげな感じ…かな。弥生(やよい)。」

「どういう…事?」

 どういう事?って…。

 俺は前の魔王?みたいな老人を見る。

 …あれは親父が怒りのボルゲージを突破する数秒前の顔だ。

 そろそろ黙っといた方がいいと、僕は咄嗟に思ったのだ。

「静粛に!」

 いきなり魔王?の秘書みたいな男が声をあげる。

 顔はダンディーなおじさんで、身を白いタキシードで包んでいる。

 片方の目から角が生えているという点さえ除けば人間だ。

 1番除いちゃ駄目な点だと思うが…。

 だが、それだけではない。

 胸があるのだ。

 顔はダンディーなおじさんだ。

 だが、胸がある。

 余裕でGを超えているだろう。

 ダンディーな(片目角生えている)おじさんがG+xの胸と共に白いタキシードに身を包んで偉そうに立っている。

 とにかく性別が気になる。

 そんなおじさんがみんなを一瞬黙らせるが。

「早く帰せよ!帰りてーんだよこっちは!」

「お前らふざけてんじゃねーよ!んだよその格好はよ!」

 また再びみんなが騒ぎ始める。

 冷静さのカケラもないみんなに僕は注意しようとしたが…。

「いいですかな?」

「2匹…。いや、この調子じゃ1匹でいいだろうな」

 …魔王?と巨乳ダンディーのなんだかとてつもなく危ない話しを小耳に挟み、固まっていたら。

「漆黒亜刻雷速=[冷葬]」

 バン!

 と大きな音がしたと思ったら…佐々木の頭がなかった。

 漆黒でも亜刻?でも雷速…な魔王?の右手の人差し指から出てきた氷の柱が、佐々木の頭を貫いたのだ。

 僕も思わず吐きそうになる光景を見て、またみんな騒ぐだろうな…と思っていたが。

 ー静寂。

 違和感を覚えら僕は隣りの弥生に話しかけようとしたが、口が開かなかった。

 身体もだ。

「全くめんどくさいものだ。異界から高等生物(人間)を呼び出す事は。…お前らは、俺の役に立てよ」

 魔王は話した。

 曰く、自分がこの世界の王であり、僕達を呼び出した張本人だと。

 異界の高等生物は異界なりの特別なスキル、魔力、構造をしている者が多く、勇者との戦いで戦力を段々削り取られている魔王軍としては都合がいいのだとか。

 [異界召喚魔術]が得意な部下がいるらしい。

 [異界召喚魔術]とはそのまま異界の世界から高等生物を召喚する魔術。

 いい迷惑だ。

 さらにその魔術で召喚された俺達は召喚主に[サーヴァント契約]なるものを施されたらしい。

 因みに[サーヴァント契約]もそのままの意味の契約らしい。

 [サーヴァント契約]の内容までは説明されなかったが、さっき口が開かなかったり、身体が動かなかったりしたのはその契約の能力だろう。

 ー積み。

 その言葉が頭を遮る。

「これからは自由に何も出来ないと思え。勝手に死ぬのは自由だがな」

 魔王は、楽しそうに俺達に説明してくれた。

 口元をにやにやさせながら。

 

 異世界転生、異世界転移などの異世界ファンタジー系は好きでよく見ていた。

 実際、自分が体験する事になるとはと最初はちょっとだけわくわくしていたのだが…。

 これは死ぬより辛そうだ。


 *


「…ここ、どこ?」

 床がびよーんとなり辺りがぐにょーんとなってはわわーとしている間にここに来ていた。

「異世界転生…?いや、異世界転移…?か。全くやれやれしちゃうな」

 手を振っておどける。

 別に話し相手がいる訳ではない。

 …何でも、話していないとやっていられないのである。

 空気はジメジメとしていておいしくない。

 別に日本の空気もおいしいと思った事はないのだがここは不味すぎる。

「さて…どうするかなぁ…?」

 柳原耀、十五歳。

 異世界へ転移してしまった…。

 

 



 

 

 

どうもこうろぎです。今回の作品は僕の3作目にあたります。異世界系を描いてみたい!と思いつつもなかなか設定が考えられず、思いついたとしても何かのパクリとしか思えなかったりと苦労しながら思いついた作品がこれです。何卒…!何卒よろしくお願いしますっ!

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