第18罠 オーロックスを探して
異世界生活18日目。
昨日はグランの一言で、呆気なくAランクへのランクアップができてしまった。
いいんですかと何度か確認したけれど、コッコの巣を調査したことやコッコとワイルドボアを飼育し肉屋を開ける程の数を捕獲していることも評価に入っているそうだ。
グランがランクアップをしてくれなければ、また王都に行かないといけなかったので本当にありがたかった。
目標にしているSランクに上がるには王都のギルド長であるスウィンに勝たないといけないらしい。
戦い方といっても、自分には罠しか使えないのだけれど。
とりあえずは、オーロックスという牛に似たモンスターを探しに行こう。
コッコ、ワイルドボア、オーロックスと揃ってくれば肉屋らしくなってくる感じもするしね。
ーーコッコの声で目覚めたらコッコファームに行くという日課も、だいぶ馴染んできた。
ここ数日での変化といえば、色つきコッコの数がかなり増えてきたということだ。
ピンク、ブルー、イエローはもう500羽を超えているので販売できそうだし、レッドも30羽くらいになっている。
ブルーとイエローを一緒に入れていたゾーンには、予想通りというか、グリーンのコッコが産まれていた。
淡い緑色の体に緑のトサカは、周囲の草木に紛れてしまいそうだ。
『鑑定:グリーンハーブコッコ ハーブをたくさん食べて育ったコッコが突然変異した。肉はハーブの香りが爽やかでそのまま焼くだけで絶品。レア度:B』
ハーブかぁ……。普通に美味しそうだな。増えたら焼いて食べてみよう。
グリーンコッコのゾーンを作り、移していく。
数えてみると5匹いた。これが、数日で増えるんだもんな……。
検証結果は成功。イエローとブルーでグリーンということは、他の組み合わせでもできるかもしれない。
次の組み合わせはレッドとブルーで、パープルとか……どうだろうか。
パープルのコッコは、何か毒々しいけども。肉の味はあまり想像したくない。
混ぜていたイエローを元の単色ゾーンに戻し、レッドを入れてみる。
レッドは気性が荒いので、喧嘩しないといいけれど。
これで数日待ってみてパープルが産まれるのか確認だな。
ワイルドボアは順調に増えているので、昨日モリウスに10頭渡したけれど問題なさそうだ。
毎日5頭ずつドッポには解体をお願いしているので、肉屋のほうも在庫は足りるだろう。
あとは……、スロウシープだな。
動いている様子があまりないものの、点々と存在している点の数は明らかに増えている。
10頭もらってきたけれど、すでに30頭は超えているので約束の1ヶ月後にはすごい頭数になっていそうだった。
近くに行き、もこもこの毛を触ると手触りがとても良い。
「うわぁ……もっこもこだ……」
思わず声に出てしまうと、スロウシープと目が合った。
動かないので穏やかかと思えば、やはりモンスターのようで強烈な蹴りを繰り出してくる。
受けてもノーダメージだけれど、軽くジャンプして躱すと今度は後ろからクイックシープが飛び出してきた。
思わず抱き止めると、クイックシープのもこもこな体がダイレクトに全身にもこもこを伝えてくる。
あ、これ抱き締めて寝たいかも……。
「ベェ!! ベェエーー!!」
嫌がるクイックシープを撫でていると、お菓子を食べ終えたクルルが通訳してくれた。
「ココはどこだ、モトのバショにかえせって」
「そうか、やっぱり嫌だよな。突然連れてこられて」
「ケガリをしてもらえないとこまるんだっていってるぞ」
「毛刈り? もしかして毛も成長促進効果があるのかな……」
「ケがのびすぎるとタイヘンらしいから、かってやるといいんだぞ」
「うん、分かった。ちょっとタバラ町の人に毛刈りについて聞いてみることにするよ」
少し待ってほしいとクルルに伝えてもらうと、スロウシープたちは落ち着いたようだった。
あの毛をずっと触らせてもらえるなら、毛刈りも楽しそうだ。
日課を終えて、朝食を食べてから出かける。
朝食は、ファミィの焼いたパンに分厚いワイルドボアステーキと野菜を挟んでクラブサンド風にして食べた。
捕獲したコッコとワイルドボアをドッポにお願いして、ファミィからお菓子を買って、ようやく出かける準備完了だ。
レーラを誘って、空間移動でユルム森林に降り立つ。
パーティーだから仕方なくだなんて言うけれど、変身できる能力は案外楽しいらしい。
コッコ肉になったときは驚いたけれど、ぽんぽんと色々な物に変わって見せるレーラは逞しいなと思った。
危ないときは必ず守れるように自分とレーラに常に結界をかけて森の中へ進む。
ユルム森林はユルディス山の麓から広がる広葉樹林を中心とした豊かな森だ。
地図上ではココイ村と王都を結ぶ線をさらに伸ばした先に位置し、ユルディス山の奥から流れるセジャス川は王都の水源となる主要な川の一つとなっている。
近くには人が住むような場所はなく、その理由としてこの森に住むモンスターが比較的強いことが挙げられた。
モリウスから聞いた話では、ユルム森林には肉食の大型モンスターが多く生息していたという。
オーロックスはそんな肉食のモンスターの餌となっており、さらに冒険者が狩ることで近年その数を大きく減らしているのではないかという話だった。
元々強い冒険者しか狩って来れない上、ここ1〜2年は市場に流通していない状況のため、食べたことがある人はあまりいないらしい。
もし本当に牛に近いのなら、きっととても美味しいはずだ。見つかりますように、と願いを込めながら先へ進んだ。
「何だか静かね……、ココイの森はもっと鳥の鳴き声がしていたのに」
「うん……、やけに静かだね」
思いの外静かな森の中を不思議に思いながら歩いていく。
しばらく歩いても、モンスターの気配はない。
その後も結構な距離を歩いたが、モンスターに遭わないまま時間だけが過ぎていった。
レーラの匂い玉も何度か出してもらったが、何故か反応がない。
森の中に進むにつれて、辛うじてあった獣道もなくなり傾斜も強くなっていく。もうここはユルム森林というよりユルディス山に入ってきているのかもしれない。
地面は堆積した落ち葉のせいで足元も悪い。
辺りを見渡すが、何かがいたような足跡や痕跡もなかった。
しん、とした森の中で、響くのは自分たちの足音ばかり。
逆に考えれば、自分たちの存在がこの森の中で目立っているということだ。
こんな場所でもし急に襲われたとしたら、いくら結界があっても斜面を転がり落ちて無事ではいられないかもしれない。
レーラと話し、斜面の比較的緩やかな川のある方へと、進む方向を変えてみることにした。
もしかしたら、水を求めて集まるモンスターがいるかもしれない。
しばらく歩くと、水の音が聞こえてきた。小川だ。
下流のセジャス川からはだいぶ川幅も狭くなり、ごつごつとした岩が覗いている。
川の流れに沿って、上流へと向かって登る。
木々は豊かに生えているのに、生き物の気配がないのが不自然でたまらない。
「レーラ、もう一度使ってもらえるかな」
「うん、やってみるわね」
匂い玉を発動してもらうと、辺りに美味しそうな匂いが漂った。
まだスキルレベルが低いから効果範囲があまり広くはないらしいけど、他の森ではそれでも充分効果はあったのに。
10分程で効果が切れ、ふわりと漂っていた匂いが消える。
「やっぱりダメかぁ……」
そうレーラが呟いた瞬間、ひゅっとレーラの体が浮いた。
「ひゃあっ!?」
木の影から、何かがレーラを攫っていく。
それと同時に、違う方向からいくつもの石や矢が飛んできた。どうやら複数いるようだ。
矢を使えることと、逃げていく影が人型に見えたことから、一筋縄ではいかない予感がした。
逃げていった方向と、反対側から矢が飛んでくる。
違う方向へ誘導したいのだろうという推測は簡単にできるが、今はレーラを追う方が先だ。
結界を纏わせているとはいえ、この環境でようやく現れたモンスターにも有効かは分からない。
幸いにも、匂い玉を発動させたらしくその匂いが強い方へ追うことができた。
匂いの方向へ追っていくと、小さな滝の裏側に洞窟が見える。近づくと、中から匂いが感じられた。
間違いない、この中だ。
周囲を確認して、中へ入る。
こういう場所は、出口はひとつだけだろうか。
そう思って、洞窟の入り口に5メートルはある大きな落とし穴を設置した。
これで、さっきから遠距離攻撃を繰り返している奴らは入ってこれないだろう。
真っ暗な洞窟の中は、高さは俺の身長の2倍はあり縦に細長い構造をしている。
時折、ぽちょん、と遠くにも近くにも聞こえる水音が響く。
耳を澄ますと、さっき見た滝の音がざぁざぁと聴こえた。
横幅は両手を伸ばすとちょうど届くくらいの狭さだ。
人が2人通れるか、どうか。
ちょうどいいので、触れると発動する網を面積いっぱいに張り巡らせてみた。俺が通っても反応はしないが、他の何かが通れば網が絡み付く仕様だ。
音を立てないように慎重に進む。
奥に行くほどに狭かった横幅が少しずつ広がってきた。
広間になった奥に、誰かいる。
岩肌に身を隠しながら、聴こえてくる声に耳を澄ました。
「ちょっと!! 離しなさいってば!!」
「ヴゥ……ッ、グルルッ」
レーラと一緒にいるのは、狼の顔をした人型のモンスターだ。
毛むくじゃらの手には石で作られたナイフを持っており、体には皮で作られた服を身につけている。道具を作れる辺り、それなりの知性はあるのだろう。
『鑑定:ウェアウルフ 体長2メートル前後、狼と人の性質を併せ持つモンスター。手先は器用で知性も高い。群れで行動し、集団での規律を重視する。レア度:A』
ウェアウルフっていうのか……、群れで行動するなら、さっきの遠距離攻撃も同じ種族だろう。
胸元のネックレスになっているクルルに触って、何て言っているのとこっそり聞いてみる。
『オマエ、ニオイだけであんまりウマそうじゃナイっていってるみたいだ』
……レーラ、ウェアウルフにまでそんな風に言われるなんて。可哀想だが、すぐに食べられなかった理由になるなら良かったのかもしれない。
無事を確認できただけでもホッとしたが、見つかるのは時間の問題だ。
レーラを助け出すことが先決と思い、洞窟内の広間全体に落とし穴を設置する。
ウェアウルフがレーラから目を離した瞬間を狙って、レーラの斜め上から勢いよく網を発射した。
日頃のコッコ捕獲が活きたのかコントロールはバッチリだ。網はレーラを包むように命中した。
レーラを捕まえたのを確認してこちらにグッと引っ張ると、網ごとレーラは自分の腕の中に収まった。
「遅くなって、ごめん!」
「遅いわよぉ……っ、でも、来てくれるって信じてた」
俺の顔を見て、涙ぐむレーラ。
ここからはレーラを危険な目に遭わせるわけにはいかないので、少しだけ待ってて、と声をかけて亜空間にレーラを非難させる。
「よし、じゃあ色々と聞かせてもらおうかな」
立ち上がり姿を見せると、レーラの側にいたウェアウルフがこちらを忌々しげに睨んだ。
レーラを奪われたことに激昂し、手に持っていたナイフをこちらに素速く投げながら襲いかかってきた。
流石の素早さで、その姿は一瞬ですぐ近くまで迫ってくる。ナイフを投げた手からは鋭く長い爪が生え、両方の爪で繰り出される連撃はまともに喰らえば死を覚悟する強力さだ。
……その攻撃が、届けばだけれど。
ウェアウルフが、大きな口から舌を出しながら宙をもがいて落ちていった。
狼といえばその大きなお口はお前を食べるためだよ、というお伽話が脳裏をよぎる。
穴を覗くと、何もできずに穴の底で呆然としているウェアウルフ。
余程悔しかったのか、突然ウォォーーンと遠吠えを始めた。
洞窟内に響き渡る、ウェアウルフの鳴き声。
すると、暗闇の奥から多数の光る目が現れた。仲間だ。
一斉に放たれる矢。先端にナイフがつけられたものもある。
結界魔法で盾を作って弾いている間に、10匹程が近接攻撃を仕掛けてきた。
地面が危険と判断したのか、壁を使って跳ねるようにこちらに向かってくる。スピードが速く、数も多い。
広間から逃げ、細くなっていく来た道を戻って走った。
一番速い1匹が、すぐに追いついて襲ってくる。
爪に鞄の紐を引っ掛けられ、体ごと引っ張られた。
ぐい、と胸ぐらを掴まれ、にちゃあと口角を上げるウェアウルフの口から鋭い牙が見える。
……いや、油断しすぎだろ。
俺を捕まえたと思いその場に止まったウェアウルフは、口角を上げたまま落とし穴に落ちていった。何なら頭にも網を被せてみた。
一部始終を見ていた他のウェアウルフたちが、じり、と一歩後ずさる。
申し訳ないけど、全員一気にそのまま落ちてもらった。
出口側から現れたウェアウルフも、網に引っかかっている。
出口に設置した落とし穴にも10匹以上落ちていた。
40匹は捕獲したけれど、まだいるのだろうか。
1番奥の広間に戻り、さらに奥へ進む。
再び狭い道に変わったかと思えば、自然のものではない石で作られた扉を見つけた。
ゆっくりと開くと、中から甲高い悲鳴が聞こえた。
部屋の端々に固まって震えているのは、ウェアウルフの女子供だ。
俺に殺されると思っているのだろうか。
怯えた目と、身を寄せ合っている様はまるでこっちがモンスターのようだと思った。
『クルル、通訳をお願いできないかな』
『あまいもの、たくさんだぞ』
『分かったよ、シフォンケーキもプリンも頼むから』
『ほんとか!? じゃあオレがはなしたほうがはやいな』
せっかくこそこそと話していたのに、クルルはポン、と身を翻してその姿を現した。
「オマエたち、こいつはわるいヤツじゃない」
突然現れたカーバンクルの姿に、広間全体が大きく騒ついた。
『カーバンクル様だ』
『どうしてこんなところに』
『あぁ、助けに来てくださったのでは』
口々に言いながら、泣き始めた老齢のウェアウルフもいる。
「ウルムのモリに、ナニがあった? はなせるモノはいるか」
再び話しかけるクルルに、1匹の年老いたウェアウルフが前へ進み出た。
『カーバンクル様、この森はもう、終わりを迎えます』
頭にある真っ白なたてがみは毛の艶も悪く、ひどく痩せている。進み出た一歩がようやくといった様子で、ただこの群れを昔率いていた誇りだけで今立てているのかもしれない。
ボサボサの白い髭を撫でながら、老ウェアウルフは重い口をゆっくりと開いた。
『……ウルム森林一帯を治めていたアースドラゴンが、冒険者に討伐されたのはご存知でしょうか。この土地の魔力は、もうとっくに尽きているのです。それをアースドラゴンが残り僅かな魔力を我々に与えてくれていた。魔力が枯渇した今、他のモンスターは別の場所に逃げられればまだしも、飢えて大半が死んでいきました。我々は、この洞窟の奥に眠る魔力鋼を見つけたことで、漏れ出る僅かな魔力を頼りにここまで生きてきましたが……。それも限りのあること。食べる物もなく、ここで終わりを待つだけかと皆諦めていたのです』
老ウェアウルフが話し終える頃には、広間にいる女子供は皆泣いていた。
こんなに、モンスターが困っているなんて。
「よくはなしてくれたな。こいつはティム。オレとケイヤクしている」
『何と……! カーバンクル様が人間と主従契約を結ぶなど』
「ティムはすごいぞ。こいつのケッカイのナカはマリョクがたくさん、いつもハラいっぱいだ」
『魔力が、結界の中に……!?』
「ティムといっしょにくるか、ソウダンするんだな」
クルルに言われて、先程捕獲した40匹程のウェアウルフたちを結界に入れたまま広間に出してみる。
若い男のウェアウルフたちが皆、俺に捕まってしまっていたことに驚いていた。
『おぉ……、全員捕まっておるのか。怪我はしとらんか』
『あぁ、どこも痛くない。むしろ、この結界の中は魔力に溢れていて生き返るようだ。信じられん……』
答えたのは、レーラを捕まえていたウェアウルフだ。
ウェアウルフたちの中でも一際体格が良く、立派なたてがみが目立っている。リーダーみたいなものだろうか。
『強者に従うのは、定めだ。この森にこのまま残って死んでいくくらいなら、好きにしてもらって構わない』
クルルに同時通訳をしてもらって、俺も会話に加わらせてもらう。
「お腹、空いているんでしょう? 良かったら、これ」
何が好きかは分からないけれど、手持ちにあったのはコッコ肉とワイルドボアの肉だ。
生肉も調理済みもあることを説明し、皆の目の前に出した。
『……っ!! 食べても、いいのか』
条件反射のようにじゅるりと涎が出てくるウェアウルフたち。どうぞ、と言うと皆一斉に泣き始めた。
熱々のフライドコッコを手にして、一口、がぶりと齧り付く。
『……っっ!! 何だこの食べ物は!? 人間は、こんな美味いものを食べているのか!?』
『肉を口にしたのは、いつ振りだろうか……。もう草しか口にできんと思っていたが、やはり美味いなぁ……っ!』
『おにくって、おいしいね! ぼく、はじめてたべた!』
『ゆっくり味わって食べなさい、ほら、急いで食べると喉に詰まりますよ』
泣きながら、美味しい、美味しいとウェアウルフたちが口々に言う様をずっと見ていた。
魔力はご飯、お肉はおかずなんだろうな。どっちだけあっても、きっと物足りない。
いつかのクルルの言葉が少しだけ分かった気がした。
ーーひとしきり食べてから、広間にいた全員が捕獲されることを望んで結界の中に入ることとなった。
クルルと同じように主従契約を結びたいと言ってきたが、それは一生のことなのでいつか森に帰れるかもしれないと話して思いとどまってもらった。
100匹近くのウェアウルフに名前をつけて契約なんてとてもじゃないけど遠慮したい。
『こんなにしてもらって、我々ウェアウルフ一族はこの恩義を返さねば一族の恥だ。ティム様、我々を何かに使ってはもらえないでしょうか』
そう話すリーダーのウェアウルフ。何か手伝ってもらうにしても、とりあえずは体調回復を優先してもらって皆が元気になったらお願いしたいことを話すと説明しておいた。
そういえば今日の目的だったオーロックスのことは、何か知っているのだろうか。
『オーロックスですか、あいつらならフェルビラ草原の方へ群れで移動するのをだいぶ前に見たきりですが』
良かった、絶滅したのではなさそうだ。
今度は見つかるといいけれど。
皆を連れて、自宅へ戻る。
スロウシープの隣の敷地に、ウェアウルフのゾーンを作って家を建てた。100匹程いるウェアウルフたちは、皆家族でリーダーと思っていたのはお父さんらしい。
独り立ちできそうなウェアウルフたちのために家を20戸程建て、自由に使って良いと話しておいた。
……きっと、また増えるんだろうなって思ったのでね。
すでにココイ村の人口より多いんだけど、もうコッコやワイルドボアだけでもすごい数なので実質モンスター村かもしれない。
あと、亜空間に待機させたままだったレーラが、居心地が良すぎてここに住むとか言い始めた。
そういえば家も同じように建ててたからな。
……それにしてもこのこと、グランにどう説明したらいいんだろうか。
オーロックスはいなかったので代わりにウェアウルフを一族丸ごと連れて帰ってきました、と?
さすがのグランも泡を吹いて倒れるかもしれないなと思いながら、とりあえず明日考えることにした。
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