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精霊獣ってなんだ?
「わからん」
研究者からのお言葉に重厚感を感じる。しかし何か分からない事がわかった。
「魔力は感じるけど、魔物?」
「魔力と言っていいのか。」
キースとグスタフの検討も定まらない。
「魔物じゃないけど似た生物、か?」
ロードがまとめたが、何なのかは不明。
「危険は今のところないようだが、気になるな。」
研究者の興味を引いたようだ。
「何か食べた?」セリが入れた食べ物は、減っている様子はない。
「警戒しているから、食べないかあ。」
捕まえた責任?上、弱らないか心配だ。
「水を入れたよな?」ロードの言う通り
そういえば、水の器を再度満たした。
キッチンの水だけど。
「肉食か?いや、それにしてはサイズが小さい。
そもそも蜥蜴が食べる物は、小さな虫か。あとは…」
「この鱗って魔力を帯びて光ってると思うんだよ。水の魔力で。
色で言ったら風もありそう?あ~もうっ。ちょっと鑑定に持ってく?」
あ、収集つかなくなってるかも。
考えを無言で展開しているグスタフに、
どの方法を取ろうか、提案をポンポン言っていくキース。
カナンがグスタフの喋りに情報を足していて、
シュルトが聞き役でキースを落ち着かせている。
ロードは私の側にいるが、ゆったり様子を眺めている。
(これが『竜の翼』の普段の感じかなあ)
ヒートアップしている人を受け持つ担当とかありそう。
暴走気味の様子だけど、受け答えはしっかり相互に通じている。
面白いメンバーだなあ。
ここに新加入したのだ。役に立ちたいと思うセリ。
視界の縁に入っていた蜥蜴を見ると、チロリと舌を出した。
小さな水球を浮かせて近づける。水は飲んだから数滴分の大きさに。
「水、飲む?」
口元に魔力操作して近づけた。動かないかなあ?
パクリっと口に入れた。
「あっ」
皆の注目を集めた。
「クズ魔石を入れた水をあげとこう」
とりあえず、魔力水を用意することになった。
まだ参加しないと行けないパーティがあるキースは、戻っていった。
グスタフは「自室で調べ物をする」と言っていたが、
「食事をした方が良いワ」
研究中モードのようだけど、席についてもらい
食事の用意をした。
「あいつ、水だけで生きてけんの?」カナンの疑問に、
「魔力があればという植物はいるが…」
滑らかにグスタフの説明が続くが、食事は進んでる。
器用だ。
「セリちゃんの部屋で見つかったんなら、近くを探してみるかね?」
カナンの捜索の案に
「ソーネ~。この辺りで生きてたのか、誰かが持ってきた可能性も…商業ギルドで聞いてみようかしら?」
シュルトは、愛玩用が逃げ出したと見ているのか。
キースも調べるだろう。
魔物でもない生物となると、森にいた方よりペットの線のが濃厚な気がするけど
「王都の薬師に聞いてみようかな」
セリの想定は、素材として連れてこられたパターンをあたることにした。
珍しい生物を実験的に使おうとする者がいたかも。
何より、この蜥蜴が何か気になっている。
「飼うのか。」
ロードが自身の鱗より深い青色をじっと見た。
入れておいた水は、減った気がする。
気になる生物!