14-ご対面
「4つ足のゾウが、この地の精霊と伝わっております。」
案内人が、説明する通りの歴史の証拠。水を噴射させているはず、金ピカが貼ってある。
「やっぱり金ピカ」
宝石、水、約束された土地。精霊獣が守る土地に代々伝わっている。
「王族あるあるだな〜」
「精霊関係と約束、契約している血族ってね。」
この歴史金ピカ、岩に掘られた絵はなんだろう?
「引越しかな?」
大地から移り住んで来た様子らしい。博物館のような通路を通って、【氷魔法】を使う所へ向かう案内人。
「バックヤードに入ります。」
「そろそろ観光客も入場できる時間か。」
カナンの獣耳が、とらえた音を教えてくれる。セリは、後で見て回ろうと2人に約束を取り付ける。出口に向かうルートでも、楽しめるだろう。
のんびり進んでいたら、大きな存在が待っていた。
「ゾウじゃなかった?」
デカい、力があるのっそり動く。
あの歴史的な石壁、くり抜いた物が飾ってあった。その絵は、ゾウのようだったし。そう説明があったけど?
「あれはカメだろ」
土の中に埋まったようなカメ、見上げれば植物が植っている甲羅?
「精霊獣か〜」
ロードはカメだと断定し、カナンは仰ぎ見る精霊獣に感心する。
「建物で囲んでいる?」
「精霊様は、熱がありまして」
「熱、引かないの?」
薬師としてセリが心配する。
精霊獣として体がある分、薬効成分も効きそうだけど。それだけじゃ追いつかない巨体?原因は分かっていそうだ。説明を聴く。
「植物によって暑さを凌ぎ、体を守っていらっしゃいます。」
植物、水不足で冷やす分が少ないのか。
「この土地にいる契約、精霊獣との共存をして栄えました。」
精霊獣の上に植っている絵。秘密、でも知っている者も居る。
「ここの住民もゾウだと思ってる、とか?」
「カメなのですが、お姿がゾウのような皮膚をお持ちなのです。」
「まあどちらでもってー?」
「自由度が高いね」
正すことはなく、風の噂に任せるらしい。王族が真実を知っていれば良いと。
「水を与えても、引かず。夜も熱いままでして」
涼しくなる夜でも落ち着かないのか。
「それで氷が必要になった?」
「魔導具では追いつきませんので」
買い占めは住民は怒りそうだけど、まあどうにかするんだろう。
解決できそうなセリとロードが狙われた事の遠因だった。
「買い占めしたけど、足りなそう?」
「はい」
魔法で広範囲できるならその方が良いと、解決を図る。精霊獣が調子悪いのは良くない。土地に根付いているし、大地も影響を受ける。
「まあ考えられている機構なのかな」
周りの魔導具を見て、セリが総評する。
それに、良いタイミングで【水魔法】と【氷魔法】が揃ったわけだ。
「偶々だけどな」
「まあそれも大事。」
幸運や偶然も、セリは必要な時があると思う。
ロードが簡単に【氷魔法】を使って周囲を凍らせ、貯蔵庫にも氷を作った。
「お大事に」
精霊獣にそう言って、通常のルートがあるところまで戻った。




