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23 ヤカモチ



 ヤカモチちゃんはタレ目の美少女だった。

 ギャルと聞いていたけれど、ギャル感はあまりない。

 肌は透き通るような白で、一見すれば清楚にすら見える。

 毛先に残った金髪の名残だけが、強いていえばギャルっぽい。


「あ、その顔は『聞いてたんと違う』って顔だー。あはは」


 ヤカモチちゃんはロープに巻かれて芋虫状態の僕に、両手でピースした。


「どうも、ヤカモチです。

 あなたが来ることは数秒前から分かっていました――なぜならギャルだから」


 なにを言っているのかよくわからないけれど、ナナちゃんの親友だってことはよくわかった。

 そのナナちゃんはヤカモチちゃんに抱き着いて髪に顔をうずめている。


「ヤカモチ……! ごめん、ごめんね……!」

「謝んなし。こうやって無事に再会できるってわかってたからカラダ張っただけだし」

「うそばっかり。ヤカモチの『予見』は数秒先しか見えないでしょ」

「スキルなんかじゃないやい、アタシの勘がそう言ってたの!」


 だってさー、と言いながら、ヤカモチちゃんは柔らかい手つきでナナちゃんの頭を撫でた。


「アタシたち、無敵の女子高生じゃん。でしょ?」

「ばか……!」


 少女の再会。

 その感動的な光景は、一枚の絵画にしたいほど、神々しかった。

 重傷を負った少女たちが、互いを信じて行動した彼女たちが、再び出会えたこと。

 友情の尊さをひしひしと胸に感じる。

 僕はあまりの感動に涙を流しそうになって、言った。


「じゃあヤカモチちゃん、おなか舐めるから服脱いで」

「わたくしが言えたことじゃありませんけれど、イコマ様はもうちょっと雰囲気考えて発言したほうがよろしいのではなくて?」

「まあでも、早く終わらせたほうがよくない?

 もう日も落ち始めてるしさ……」

「それはそうですが……」


 ちらりとレンカちゃんがヤカモチちゃんを見る。

 僕も目を向けると、白い肌を真っ赤にして、わなわな震えているヤカモチちゃんがいた。


「お、おなか舐め……ッ!? 服脱い……ッ!?

 だめ、だめだめだめッ、だめに決まってんじゃんナニ言ってんの!?」


 ……あれ?

 僕、なんか変なこと言いました?


「乙女が肌を晒していいのは旦那様だけに決まってっし!?

 そんな、いきなり会ったばかりの男のヒトになんて……!」

「すげえ貞操観念ガチガチなギャルもいたもんだな」

「手をつないだだけでも結婚なのに、おなか舐められたりなんてしたらもう――コウノトリさんが赤ちゃん運んできちゃうじゃん……!」

「この学校、性教育の進度に個人差ありすぎじゃない?」


 まさか文明崩壊後に『赤ちゃんはコウノトリが運んでくるのよ』説を信じている女の子に出会うなんて思っていなかった。

 いや文明崩壊前も思ってなかった。

 天然記念物すぎる。

 僕を肩に担ぐ背の低い女の子が、またしても耳打ちで教えてくれた。


「ヤカモチさんは、家格で言えば生徒会長以上の旧家でして。

 ギャルファッションはお好きですが、そういう情報とは切り離されて育ったそうです。

 なので、中身はガチガチに清純、清楚なお嬢様ですよ」


 なるほど、清楚系ではなくガチ清楚だったらしい。


「でもヤカモチ、このお兄さんのぺろぺろは治療系スキルなの。

 傷、残ってるんでしょ? 保健室のベッドに寝てちゃ、戦えないでしょ?

 諦めて、騎士として正々堂々お兄さんにおなかを差し出しなさい」

「そんな変な治療系スキルあるわけないじゃん! やだよ!」

「こら! わがまま言わないの!」

「なんでアタシが叱られる側なの!?」

「私もほぼ致命傷だった傷を治してもらったし、効果は確かなスキルだよ。

 だからヤカモチもおなかをぺろぺろしてもらおう。

 大丈夫、ぺろぺろしてもらえば傷ひとつ残らないし、足の指先舐めてもらえば割れた爪も修復されるし、いいことしかないよ」

「……え、ちょっと待って。

 ナナ、そんなところまで舐められたの……?」

「……あっ」

「アタシがいなかったばかりに、け、汚されて……うう」


 ぽろぽろと涙を流し始めたヤカモチちゃんに、ナナちゃんが慌ててフォローを入れ始める。


「い、いやっ! ねっ!?

 私、ギャングウルフの群れを討伐したからさ!

 もう全身傷だらけだったから、ねっ? その、ほら!

 治療のために全身舐めてもらうのは不思議なことじゃないっていうかぁ……」


 しどろもどろになり始めたナナちゃんを見かねて、レンカちゃんがパンと手を叩いた。


「もうめんどくさいからさっさと舐めてもらいましょう。

 大丈夫ですわよヤカモチ、ちゃんと避妊してもらえば赤ちゃんもできません」

「ほ、ほんとう……?」

「ええ。だいたい舌で妊娠なんてするわけありませんの。

 妊娠するために必要なのはおちん」


 さすがにマズいと思ったのか、ナナちゃんが電光石火の動きでレンカちゃんの口をふさいだ。

 恐ろしく速い手ガード、僕じゃなきゃ見逃しちゃうね。



ヒロイン一覧

・カグヤ先輩 麦わら帽子と畑が似合うほのぼの小動物系先輩 とてもでかい

・ナナちゃん 黒髪ヅカ男役系のボケとツッコミ両刀こなす姫騎士 ちいさい

・レンカちゃん 裁定者の気質を秘めた生徒会長お嬢様系耳年増 でかい

・ヤカモチちゃん ギャル口調でコーティングされた清楚性純お嬢様 とてもとてもでかい

・背低子 ない



「面白い!」「続きが気になる!」と思った方は好きなサイズを述べよ。



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