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第四章【カグヤ朝廷冬休み編/魔剣抜刀《マジックソード・ジェネレーション》】

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23 鱗

昨日ミスって二話同時に更新しちゃっているので、飛ばしている方はご確認ください!!



「おうなんじゃイコマ、最近よく来るのう。今日はどんな用で……なんでおぬし、そんなに疲れた顔をしておるの? そしてなんでナナはそんなにつやっつやの顔をしておるの?」

「むさぼられたから」

「むさぼったから」

「ええ……人類こわ……」


 微妙に引いた目で僕らを見るユウギリは、両手に持っていた携帯ゲーム機を床に置いた。

 タンバくんが「ちゃんと片付けなさい」と小言を言ったので、しぶしぶスタンドに戻す。

 お兄ちゃんと妹か?


「で? なんじゃ? わらわは1-2をクリアするのに忙しいんじゃが」

「だいぶ手前で詰まってんな、おまえ。……いや、実はさ」


 鱗の話をすると、ユウギリは顔を険しくした。


「見してみい。……なんじゃその体勢。違う、普通に見せよ。足パカってするでない」

「あ、ごめん。なんか昨日一日で癖になっちゃって」

「癖にしてやりました」

「ええ……人類こわ……」


 なぜか目をつむって1-2をクリアし始めたタンバくんをよそに、ユウギリに右太ももの内側のあざを見せる。

 ユウギリは指で押したり皮を摘まんだりして、「ふむ」と呟いた。


「竜の鱗ではない。……いまはまだ、といった状態じゃがな。現実改変能力を使った影響であることは間違いなかろう」

「うぇえ、マジか」


 ユウギリは目をつむって2-3まで進んだタンバくんのあぐらのあいだにすっぽりとおさまると首をひねった。


「人間が『竜種』による現実改変能力を行使した結果、存在が竜に近寄る……まさか、Bランクですらこうも影響が早いとは」


 ナナちゃんが目を尖らせた。


「ちょっと無責任じゃない? ユウギリ、あんたてきとう言ったんでしょ」

「言っとらんわい。前例がないんじゃから仕方なかろう。いちおう『竜人としての在り方を目指せ』とは言うたぞ」


 タンバくんが携帯ゲーム機をユウギリのちっちゃい角の上に置いて(スタンドじゃないんだぞ)両頬を摘まんだ。


「なにひゅるのひゃ」

「ユウギリ、つまり『よくわかんないことについて訳知り顔で説明した』ってことですね?」

「……ひょ、ひょれはぁ……」


 ダメな竜からダメなロリになったな、コイツ。

 タンバくんの生真面目な厳しさが、ユウギリの自堕落で短絡的な性質によく合うのだろう。


「で、ユウギリ。仮に、僕がこのまま現実改変能力を使い続けたら、どうなる?」

「推論抜きで言ってくださいね、ユウギリ」


 両ほっぺたをさすりつつ、ユウギリはうなずいた。


「ま、ここまでくれば確定じゃろ。竜の鱗が生え、最終的には竜になる。正直、何枚目の竜鱗で竜になるかはわからんが、そのうち貴様も竜王さまのルールに縛られることになろうな」

「……回避方法は?」

「現実改変能力を使わぬようにするしかなかろう。……まさか鱗が生えるとはなぁ。おぬし、なんか人間離れしておるのう」


 他人事みたいに言うんじゃないよ。

 竜がさ。


「あるいは、やっぱり『竜人』を目指すべきじゃな。カッコいいじゃろ」

「おまえ、やっぱりてきとうに喋ってんな?」




★マ!

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― 新着の感想 ―
[一言] M字開脚が癖になるほどの戦いがたった一日で行われた……人間こわっ~! 現実改変能力で竜化するのを股間だけに制御するのじゃ! 股間が粘液のブレスを吹く竜になるイメージとか簡単じゃろw?
[一言] だいぶ手前で詰まってんな、おまえwww スペック下がるにも程があるだろwww ええ……人類こわ……www すっかりいいコンビだなぁ。 うーん。竜ではなく、竜と人を合わせた全く新しい種族を…
[良い点] 全ての竜を殺して元に近い世界に戻しても、それはそれで大変だからユウギリだけ何気なく残してゲームしてコミック読ませてのほほん暮らさせてもいいかなって。
感想一覧
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