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第三章【京都ダンジョン遠征編+古都ドウマン模擬戦争編/ニンジャ・ヒーロー・コンプレックス】

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46 確認



 『複製』した呼気で霧を押しのけて、霧のない空間を作る。

 その空間に手を突っ込んで、可能な限りの質量で『空気』を複製する。さらに霧が押しのけられるので、もう一度『複製』する。

 ぐるぐる体を回しながら全方位に風を送り込む。さながら僕は台風の中心である。ぶおおん。

 そんな感じでスキルの連打を続けると、どうにか周囲が見えてきた。


「……墓地か。うわ、オーソドックスに怖いな」


 卒塔婆や石灯篭、碑銘の削れた墓石がランダムに並び立ち、石畳と土の道が入り乱れてぐちゃぐちゃにつながっている。

 ……まっすぐ歩いたつもりが、こんなところにいるのは、道のせいだろう。

 見たところ、かなり蛇行しているし、Y字路が大量に用意されている。

 霧の中、唯一見える足元の道を見て歩いて進み、途中で引き返せば、違う道に迷い込む……そういう仕組みだ。

 マッピングが必要な階層である。

 あと、少し離れた場所に赤いものが見えた。きっと鳥居だ。

 距離的に――こんなに距離感が信用できない場所もないけれど――おそらく入り口側。

 もしもゴール側なら、近くにボスがいるはずだし、さきほどの鬼も化け猫も魔石を落とさなかったからボスではない。

 マダム・ハッシャクと違って普通に倒せたあたり、この階層ではアレが通常湧きするモブなのだろう。厄介すぎる。


 ひとまず風をぶおんぶおんと『複製』しながら鳥居の方向へ歩いていくと、石燈籠の陰からひょっこりと人影が現れた。


「急に霧が晴れたからなにかと思ったら、やっぱりお兄さんだ」


 黒く、艶やかな長髪を後頭部でまとめた美少女。ナナちゃんだ。

 ほっとする。やっぱり無事だったのだ。

 ナナちゃんもまた息を吐きつつ、しかし油断なく薙刀を構えて僕を睨んだ。


「いちおう聞いておくけど、お兄さん、ほんもの?」

「そうだよ。そうでないと、わざわざ霧を晴らしたりはしないでしょ」

「だよね。……それじゃ、私もほんものかどうか、たしかめる?」


 そう言われたので、遠慮なく近づいて、胸部装甲をしっかりと確かめた。

 念のため、両手でしっかりと、あるいはがっしりと触って、ナナちゃんらしい、ちょうどよいバランスであると再確認。

 うむ、これこそナナちゃんの証である。


「――うん! この平たさと薄さと固さはナナちゃんだ! 間違いないね!」



 ●



「おかえりなさい、二人とも! 無事で――イコマさん、どうしたんですか、そのほっぺ! 負傷ですか! 真っ赤ですよ! まるで誰かに往復びんたをくらったみたいです!」

「ああうん、まあその……ちょっとね」

「アレ、ナナさんも顔が真っ赤ですよ! なにかあったのですか!」

「ごめん、タンバ少年。詳しくは聞かないで」

「……そ、そうですか……」


 ……。うん。

 なにはともあれ、二人で無事に帰れて、よかったね!

 と、いうことにしておいてください。




区切りが短い話が続くな……ちょっと物足りないな……。


と思っているそこのアナタ!


僕もです!(じゃあ長くしろよ)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 俺も揉みたい!! マコちゃんのマコちゃんも揉みたい!!!!!
[気になる点] イコマお兄さんが、しっかりと揉んでペロペロ、大きくしないのが悪い。 自業自得。 ナナちゃんは大いに怒っていい。
[一言] イコマ君はある意味硬派ですね!
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