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あの風景  作者: ポキール
3/6

足跡を辿って3

少しして、眺めるのに飽きてしまった。まぁそんなものだ。

時計を確認しながらスマホを取り出す。さっき探していたブログのページのままだった。

昨日までは気にも止めていなかったが、このブログはどうやら1年前に掲載されたものだった。

おもむろにトップページに飛んでみると、今現実もブログを上げているみたいで、どれもこの街の風景ばかりだった。

"なんでこんなところブログに上げるんだろう"

来てみて思ったが、そこは素晴らしい景色と言う程ではなかった。


ありふれた日常を切り取ったもので、大自然や建造物のそれといった感動はなく、ただただ人の生活が感じるものだった。

ここに芸術的な思考や哲学的な何かを見出すのが正解なのだろうか。

それこそ、テレビでやっているような'なんちゃらスカイ'的な第2の故郷や憧れの地的な意味合いを持たせれば納得いくのか。

少し考えたが、すぐに諦めた。と言うより、この風景にそんなものは見出せそうになかったからだ。

それを裏付けるように、このブログには評価が付いていなかった。

投稿件数は20件程あるのに、視聴者の気配がなかったのだ。

"まぁ、そうなるよね"

嘲笑混じりでブログを眺める。そして、そんなブログに釣られてここに来た自分の暇さにも苦笑いした。


喉も渇いたし、トイレにも行きたくなったのでこの公園を後にして、自転車を取りにスーパーへ戻る。

"このスーパーは変わらないなぁ"

まるで中高生が学校帰りに寄るために作ったかのような小規模のスーパーで、ここら一帯の団地住民を賄うようだった。

家は新しい住宅地にあるが、元々の街並みはやはり団地が多くを占めていた。

自分の年齢が浮いてしまうような客層だったので、飲み物だけ買いすごすごと店を出る。


近所にもう一件ブログの記事になっていた景色があった。せっかくと思い、そこへも足を伸ばしてみることにしたが、その景色も代わり映えしないものだった。

"まぁ、こんなものか"

そうして私は帰路につく。日が長くなったとはいえ、空が赤く染まり始めていた。

来た道を引き返すのが最短ながら、さっきとは別の道で帰ることにした。

ふと、日が暮れる方向を意識すると、どうやら日が沈むのはあの公園で見た方向だった。

少し帰り過ぎていたが、ここまで来たらと思いのままにその景色をもう一度確かめてみたくなった。


辿り着いて気が付いた。昨日も感じた胸がキュッと締まる感覚があった。

やっと気が付いた。やっと辿り着いた。そんな気がした。

どこかでなにかを求めてここに来ていたのだ。

地平線に薄く伸びる夕陽がノスタルジックな感情を沸き起こす。

その夕陽が落ちるまで、さっきよりも長く目の前の景色を眺めていた。

"ふーん、少しは認めてあげても良いかな"

斜に構えながら、上目線でブログページをブックマークした。

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