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あの風景  作者: ポキール
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足跡を辿って

とりあえず頭に浮かんだので書いていきます

1000字程度でまとめていきます

いまいちセリフなどのルールが分かりませんがおいおい整えていくつもりです

よろしくお願いします

どこにいるの?

私は顔も知らない人に焦がれていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


社会人になって3度目の春、仕事も卒なくこなせるようになり単調とも言える日々を送っていた。

時間的な余裕も金銭的な余裕もでき、これで恋人でも居れば申し分ないのだけれど、生憎と縁遠い生活を送っている。

実家暮らしの私に両親は何かと相手はいないのかと聞いてくる。耳がいたい。

これといって趣味はなく、友人も多くはない。なにより人付き合いが得意ではないのだ。

そんな私にも日課はあった。それはブログを眺めること。

snsは嗜む程度だからか、ブログの更新頻度くらいがちょうどいい。


週末の仕事帰りにブログを眺めていると、見知った風景が目に入った。

地元の写真だった。今の写真技術のすごいこと。普段見ている風景が切り取られ方によってこうも変わるものかと関心した。住んでいる街が少し誇らしく感じた。

他にも地元を題材にしたブログがあるやもと検索してみた。

探してみると驚くことにその件数は多かった。たしかに、綺麗に街づくりされた地元は、名所はないもののアクセスよく住みやすい良い街なのだ。

目に入る写真は地元民なら誰もが知っているようなところが多く、たまにドラマ等の舞台になる公園や施設が大半だった。


"この公園どこだっけ。高校の時に見た様な…"

変哲もない写真が目に止まった。

自転車通いだった学生の頃、私はたしかにこの景色を見ていた。あれは部活の帰りか、はたまた学祭の頃か。

この写真を見るまですっかり忘れていた、学生時代の青い青い感情がフラッシュバックしてきた。

"どこかな?忘れちゃったな。明日はお休みだしら散歩してみようかな"


なんとなく、気の向いた私は駅からの帰り道を少し上機嫌で帰った。

CMで'好きな道は帰り道なんて'フレーズがあったが、それを思い出しながら寄り道をしてみた。

完成間近の住宅地を歩いた。元々はうっそうとした雑木林だったが、数年前から切り開かれ電線のない街づくりが計画されていた。

たしかに、意識しないと気が付かないけど、電線はなく整理良く家が立ち並んでいた。

家々は同じ色調で統一され、外国の街を思わせる様だった。

"この一つ一つにあかりが灯り、一つの家族が暮らすんだなぁ"

しみじみとしながら、普段の帰り道に戻り帰宅した。


家族で夕飯を食べながら、見つけた写真のことを両親に話す。

父は言う。この家を買った頃は、新しい街だったからそれは断腸の思いだったと。だけど、幸せな暮らしのためだったと。すごく誇らしそうだった。

間をおかずに、母は切り返す。まだまだローンは残っているのだからしっかりと働いてもらわなきゃね。と。

格好の付かない父を見ながら団欒と笑った。


週末で疲れもある。今日は早く寝よう。

もう一度あの写真を見る。それでもやっぱり思い出せない。

少しのモヤモヤとウキウキを感じながら、すーっと眠りについた。

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