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9 ギルドに帰還

「邪神の、完全体か……」


 俺はゴクリと息を飲んだ。


 かつての大戦で俺たち五大英雄は奴を封印した。

 だが、そのときの邪神は完全な状態じゃなかった。


 神話の時代、神々と戦った際のダメージが残っていたからだ。


 今回、もしも完全な姿でよみがえるとしたら――。


「邪神が……復活……」


 ソフィアが青ざめた顔でつぶやく。


「大丈夫だ。俺が……俺たちが、そうはさせない」


 俺は彼女の肩に軽く手を置いた。


「ジラルドさん……」


 俺を見上げ、コクンとうなずくソフィア。


「うむ。わらわたちの手で邪神復活は阻止する。その作戦には――お主も加わってほしい」


 アルジェラーナが俺を見つめる。


「ああ、当然だ」


 力強くうなずく俺。


「言っておくが、容易ではないぞ。古来種の精鋭と邪神軍の総力で装置を守ってくるじゃろう」

「装置を破壊するには、そいつらを打ち破らなければならない、ってことか」


 俺は大きく息を吐きだした。


 胸の中で静かに覚悟が固まっていく。

 これから始まる戦いは、かつてないほど厳しいものになるかもしれない。


「邪神軍と人類との二度目の大規模戦争――そして、おそらくは最後の戦いだ」

「その作戦には誰が加わるんだ?」

「ふん、メンバーのことか?」


 俺の問いにアルジェラーナがニッと笑う。


「これから招集する予定じゃ。お主はその一番手として選んだ。わらわが知る限り、世界最強の剣士――そして今も、時間限定ながらその力を発揮できるようじゃからの」


 時間限定……か。

 どうやら、俺がソフィアのスキルで全盛期の力を取り戻せることを知っているようだ。




 俺はソフィアやアルジェラーナとともにギルドまで戻ってきた。


「おかえりなさーい、師匠、ソフィアさん――」


 建物からミリエラが出てくる。

「――って、ち、長老っ!?」


「これ、お姉さまと呼ばんか」


 アルジェラーナがミリエラに言った。


 そういえば、二人は同じ森林区画出身だったな。

 そもそもミリエラはアルジェラーナに憧れ、森を出て冒険者になったんだとか。


「もしかして、長老……じゃなかった、アルジェお姉さま、あたしに会いに来てくれたのっ?」


 ミリエラが目をキラキラと輝かせている。

 彼女にとって『青の魔女』は憧れの存在だ。


「いや、そうではない。だが――」


 アルジェラーナがミリエラを見つめた。


「そうだな、お主にもいろいろと聞いてほしいし、手伝ってほしい」

「アルジェラーナ……?」



 俺は彼女を見つめる。


「これから先の戦いは多数ではなく少数精鋭で当たることになる。古来種であり、高い潜在能力を持つミリエラにも戦力になってほしいところじゃ」


 と、アルジェラーナ。


「何しろ、こやつの真の力は――わらわでさえ、推し量れないからの。あるいは今回の戦いで『化ける』かもしれん」

「『化ける』――か」

「案外、ミリエラがこの戦いの救世主になるかもしれんぞ」

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