表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

94/141

4 バルツを、斬る

 俺はふたたび突進し、バルツの四肢を切断した。


「い、いてぇぇぇぇ……だが、無駄だぞ……俺はすぐによみがえる……!」

「だろうな」


 俺は地面に転がったバルツを見下ろした。

 追撃は容易だが、どのみち再生してしまう。


 ならば、奴が四肢を再生するまでのわずかな時間の間に、闘気を溜める。


「くおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ……!」

「ふん、攻撃してこないのか?」

「……おおおおおおっ!」


 通常よりも溜めるのに時間がかかる、この闘気は――『雷光の闘気』。

 俺が操る各種の闘気の中で、最速のスピードを俺自身に与えてくれる。


「今まで以上の速度で、お前を斬り続ける――動けなくなるまでな」

「っ……!」


 バルツがハッとした顔になる。


 そして。

 先ほどまでの数倍の速度で、俺は剣を閃かせた。


 何度も、何十度も、何百度も、何千度も――。




 ほどなくして。

 バルツは全身をズタズタに裂かれ、その場に横たわった。


「はあ、はあ、はあ……ち、ちくしょう……!」


 さすがに体力を消耗しきったのか、倒れたまま起き上がれないようだ。


「終わりだ、バルツ」


 俺の方は息一つ乱していない。


 あの最強の堕天使ノアに比べれば、はるかに(ぬる)い相手だった。


「お前はすでに人間じゃない。人を襲う堕天使――いや、怪物に成り下がった」


 俺は闘気でコーティングした剣を振り上げた。


「ここで斬る――」


 わずかにこみ上げる躊躇を振り払う。


 目の前にいる男は、もうバルツじゃない。

 堕天使だ。

 敵だ。


 何よりも――バルツは俺を裏切った男じゃないか。

 躊躇する必要はない。


 ……そう考えながらも、心の片隅にはそれに抗う感情があるのも事実だった。

 何十年もの間、相棒として頑張ってきた男。


 粗暴だが、気のいいところもあった。

 俺とともに何十何百というクエストを潜り抜け、そこで結んだ絆もあった。


 かけがえのない仲間であり、友だと思っていた。


 俺がこの剣を振り下ろせば、バルツという存在は永遠に失われる――。


「た、助けて……くれ」


 バルツが突然言った。


「えっ……?」

「頼む……助けて、くれぇぇ……」


 予想外の命乞いに俺は思わず硬直した。


【お知らせ】

本作の書籍化が決定しました! これも応援してくださった読者の方々のおかげです!

下部のリンクから書報ページに飛べます。そこに1巻の予約ができるamazonのリンクが載っていますので、気になる方はぜひ~!

∴先生の素敵かわいいイラストや書下ろしエピソードを収録しています!


【読んでくださった方へのお願い】

ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!

「面白かった!」「続きが読みたい!」「作者がんばれ!」

と思っていただけましたら、ぜひポチポチっとしていただけましたら励みになります!

「面白くなかった!」

ときは(ごめんなさい……)★1でも結構ですので、ポチっとしていただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!



▼こっちの新作もぜひ!▼

実家を二度追放された俺、弱小国に拾われて無双の英雄となる。
【スキル鑑定・極】が発現して、騎士や魔法使いたちの能力を片っ端から底上げしてたら、いつのまにか世界最強国家になっていたようです。




▼書籍版2巻、11/2発売です!▼

ブラック国家を追放されたけど【全自動・英霊召喚】があるから何も困らない。
jdyu5w8o6t2ae4b1hjwslwuver50_18a6_1d0_1xo_1o9ld.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ