3 救出作戦
まばゆい光がソフィアの全身からあふれている。
なんだ、これは……!?
戸惑う俺。
「な、何……!?」
バルツもまた戸惑いの声をもらした。
ばしゅっ……!
弾けた光が炸裂し、触手を吹っ飛ばす。
解放されたソフィアが地面に投げ出され。
「今だ――」
俺はこの千載一遇のチャンスを逃さなかった。
「闘気解放――収束」
闘気を数本の剣の形にして撃ち出す。
「ぐあっ……」
飛んで行ったエネルギーの剣がバルツに突き刺さる。
「貴様……っ」
たまりかねたように後退するバルツ。
その間に、ソフィアが俺の元まで走ってきた。
「ジラルドさん!」
「無事か、ソフィア」
俺は彼女を抱きとめた。
「私より、ジラルドさんが……」
俺を見て彼女が涙ぐむ。
「平気さ」
俺はにっこりと笑みを返した。
それからバルツをにらみ、
「俺に対してよりも、彼女に手を出したことを許すわけにはいかない……! 相応の報いを受けてもらうぞ」
「な、なんだ、この闘気は――」
バルツが後ずさった。
「さあ、覚悟しろっ!」
自分でも驚くほど、怒りの感情がこみ上げてくる。
ソフィアは――恋愛感情とかではなく、俺にとって大切な存在だ。
ずっと大切に思っていた女性の娘で、今の居場所を一緒に守る大事な女性だ。
「君を絶対に守る! 待ってろ、ソフィア!」
「はい、信じています。ジラルドさん」
ソフィアが俺を見つめる。
俺は闘気の鎧をまとい、バルツに向かって歩き出した。
「お仕置きの時間だ。バルツ」
「き、貴様ぁ……!」
堕天使バルツが俺を憎々しげににらんだ。
「俺に向かって舐めた口を叩くんじゃない! 貴様ごときがぁぁぁぁっ!」
絶叫とともに襲い掛かってきた。
「この俺は人間という種の限界を超えたのだ! 貴様ごとき、敵じゃない!」
確かに人間だったころに比べれば、バルツははるかに強くなった。
言葉通り、人間の限界を超えたのだ。
だが、そんな限界なら俺は何十何百と超えている――。
「遅い」
俺は無造作に大剣を旋回させた。
「があっ!?」
バルツの右足が膝のあたりで切断される。
バランスを崩して倒れた奴に、二撃目。
今度は右腕を斬り飛ばす。
「ぎゃあぁぁぁぁぁっ……!」
さらに左腕、左足、と順番に切り落とした。
「ぐ、ぐおおおおおおおおおおおおっ……!」
が、次の瞬間、バルツの全身から光が放たれ、失った四肢があっという間に再生する。
「超速再生能力か」
俺は大剣を振りかぶった。
「なら、再生できなくなるまで斬り続ける――」
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