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2 危機

「動くなよ、ジラルド……くくく」


 バルツが勝ち誇ったように笑う。

 言われるまでもなく、俺は動けなかった。


 少しでも妙な動きをすれば、奴がソフィアにどんな危害を加えるか分からない。

 今の奴の眼光には、危険な輝きが宿っていた。


 俺への憎しみか、恨みか。


 無論、それは逆恨みなわけだが、バルツにそう言ったところで通じないだろう。

 とにかくソフィアだけは守らなければならない――。


 苦しむ彼女の顔が、レフィアの顔に重なる。


(大丈夫だ、レフィア。君の娘は俺が守る――)


 かつての恋人にそう誓う。


「いいか、動くなよ? 少しでも動けば、俺も手元が狂って……この女をどうしてしまうか分からん。なにせ触手を動かすのは、まだまだ慣れてないからな」

「俺が動かないかぎり、彼女には危害を加えないんだな?」

「当然だ。俺は約束は守る男だぞ お前もよく知っているだろう」


 ……どこがだ。


 俺は内心で吐き捨てる。


 が、それを口に出したところで、奴を刺激するだけだろう。

 俺は黙ってバルツを見据えた。


「はあっ!」


 気合いの声とともにバルツの触手が一本、槍のように尖って伸びてくる。


「――!」


 反射的に避けようとして、なんとか踏みとどまった。

 俺が動けば、ソフィアを傷つけられる。


 受けるしかない……!


 直後、


「がっ……!?」


 熱い痛みが右腕を貫いた。


「まず利き腕をつぶした。次だ」


 さらにもう一本、今度は左腕だ。


「これで剣を振れまい」


 バルツが笑った。


 ……せいぜい今のうちに笑っていろ。

 俺は奴から目を離さない。


 わずかでもチャンスがあれば、ソフィアを救出するつもりだった。


「両腕を使えなければ攻撃できまい。が、念のために足も潰させてもらうぞ」


 触手が二本、立て続けに繰り出された。


「ぐお……っ……!」


 左右の太ももを貫かれ、俺はその場に倒れ伏した。


「やめて……もうやめてぇぇっ!」


 ソフィアが絶叫した。


「ふん、いっそあんなオッサンはやめて俺に乗り換えるか? 可愛がってやるぞ、へへへ」

「い、嫌ですっ!」


 下卑た笑みを浮かべるバルツに、ソフィアが言い放つ。


「ジラルドさんを――これ以上傷つけないで!」


 叫び声とともに――。


 光が、あふれた

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