表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/141

5 高まる想い

 戦いが終わったので、ソフィアにいったんスキルを解除してもらった。

 まだ他にもモンスターがいるかもしれないからな。

 そのときに備えて、できるだけ効果時間を温存しておかないと。


 俺たちはふたたび歩き出した。

 と、ソフィアの表情が少しくらい。


「どうした、ソフィア?」

「みんな積極的だなぁ、って」


 彼女がぽつりとつぶやいた。


「えっ」

「ジラルドさんにアプローチして……私はあんな風にはできません……」

「ソフィア……?」

「私は、あなたにとって……どういう存在ですか……?」


 か細い声は俺に対する質問なのか、それとも独り言だったのか。




「これでクエスト完了、っと♪」

「えへへ、戦闘能力はあんまり自信ないけど、効率よく採集するのは得意なのよね」

「採集ならあたしたちにお任せ~!」


 彼女たちがにっこりと告げる。


 アリアンが【観察眼】のスキルで木の実の位置を探り、ルルが【収穫】のスキルで木の実を次々にもぎ、シェーラが【収納】スキルで集めた木の実を異空間にしまいこむ。

 あちこちに生っている『リィスの木の実』を三人であっという間に集めてしまった。


「確かに、君たちのスキルはこういった採集クエストに適しているようだな」


 少なくとも、こと『採集』という分野なら、俺よりも彼女たちの方が勝っているだろう。


 冒険者のクエストは討伐だけじゃない。

 採集や護衛など何種類もあるんだ。


 採集関係については、彼女たちがこなしてくれそうだった。

 正直、心強い。

 と──、


 きゅいいいいいいいいいいいいいいんっ。


 甲高い声とともに、前方で何かが蠢いた。


「えっ、何!?」

「やだ、まさか──」

触手を持つ者(テンタクラー)か!」


 茂みをかき分け、俺たちの前に巨大なシルエットが姿を現した。


 全長10メートル近くあるだろうか。

 ウツボカズラを連想させる姿。

 その全身から無数の触手が飛び出している。


 テンタクラー。

 食人植物のモンスターである。


「また俺の出番だな」


 剣を抜いた俺が、三人の前に出る。


「ソフィア、頼む」

「スキル……発動!」


 彼女は俺の手を握り、スキルを使った。

 いつもなら離れた場所から、スキルの光を俺に向かって飛ばすのだが、今日は少しパターンが違う。


「ソフィア……?」


 突然手を握ってきた彼女に困惑する俺。


「私だって──あなたの側にいたい、です」

「えっ」

「だから、もっとあなたの役に立ちたい」


 ソフィアが熱のこもった声で告げた。

 俺を見つめる瞳が、爛々としている。


 俺は普段と違う様子の彼女に、ますます困惑する。


 おとなしい彼女にしては珍しいほど情熱的な雰囲気だ。

 そう──まるで彼女の母親のレフィアのような。


 ボウッ……!


 俺の全身から黒い闘気が立ち上った。


「これは──!?」


 いつもよりも、闘気量が多い気がする。

 いつも以上に力があふれてくる。


 スキル効果が高まっているのか──?


 疑問に思いながらも、俺は剣を掲げた。

 一刀のもとにテンラクラーを斬って捨てる。


 まさしく、瞬殺。

 斬撃の威力もまた、いつもよりも高い気がした。


「こうやって触れ合ってスキルを使った方が、効果が上がるようですね」


 と、ソフィアが言った。

 その表情は凛々しく引き締まっていた。


「なーんだ、てっきりあたしたちに見せつけてるのかと思っちゃった」


 アリアンが悪戯っぽく笑う。


「っ……! ち、違います……!」


 ソフィアはたちまち真っ赤になってうつむいた。


 ──ともあれ、採集クエストはこうして終了した。

【読んでくださった方へのお願い】


ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある


☆☆☆☆☆


をポチっと押すことで


★★★★★


になり評価されます!


「面白かった!」

「続きが読みたい!」

「作者がんばれ!」

と思っていただけましたら、ぜひポチポチっとしていただけましたら励みになります!


「面白くなかった!」

ときは(ごめんなさい……)★1でも結構ですので、ポチっとしていただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して

★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!



▼こっちの新作もぜひ!▼

実家を二度追放された俺、弱小国に拾われて無双の英雄となる。
【スキル鑑定・極】が発現して、騎士や魔法使いたちの能力を片っ端から底上げしてたら、いつのまにか世界最強国家になっていたようです。




▼書籍版2巻、11/2発売です!▼

ブラック国家を追放されたけど【全自動・英霊召喚】があるから何も困らない。
jdyu5w8o6t2ae4b1hjwslwuver50_18a6_1d0_1xo_1o9ld.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ