1 新規加入
『癒やしの盾』の入り口前には全部で五人の冒険者がいた。
「あたしたち~」
「『癒やしの盾』の評判を聞いてきました」
「っていうか、ジラルドさんの評判を」
と、女性三人組のパーティがにっこりと言った。
三人とも年齢は二十歳すぎくらいだろうか。
いずれもタイプが違う、可愛らしい感じの容姿だ。
服装や装備から見ると、全員が魔法使いのようだった。
「わ、私はこの通り年もいっているのですが、同年代のジラルドさんの活躍に感化されて……自分ももう一旗あげられるんじゃないかと……」
俺と同い年くらいの剣士が言った。
どこか気弱そうな顔立ちをした中年男である。
「ギルドのクエスト達成率がとにかくすごいのよね。そこが一番の理由かな。ギルドによっては多少危険でも報酬目当てで冒険者を使い捨てにするところもあるし……っていうか、私が前にいたところがそうね」
三十代くらいの女僧侶が言った。
僧衣の胸元が大きく開き、ローブの丈もかなり短くしてあって、白い両足がなまめかしく露出している。
「全員、我が『癒やしの盾』への加入を希望されている、ということでよろしいですか?」
ソフィアがたずねた。
五人はいちようにうなずく。
「ねえ、加入審査とかあるんですか?」
「私たち、魔法の腕はちょっとしたものですよ」
「ここは上り調子みたいだし、あたしたちも冒険者としてのキャリアアップのためにも、ここに移籍したいな、って」
三人組の女性パーティが口々に言った。
「わ、私は、その、以前のクエストで膝をやられてしまって、動きが衰えているのですが……加入は難しいでしょうか……?」
と、中年剣士。
「あ、私は娘がいるんだけど、そういうのに配慮してもらえるのかしら? 育児関連であまり遅い時間帯のクエストは受けづらいかも……」
女僧侶が言った。
「ええと、それは……」
一度に言われて、多少うろたえている様子のソフィア。
まあ、このギルドに五人もの新規加入希望者がやって来るのは、きっと久しぶりなんだろう。
あるいは、初めてかもしれないし。
「じゃあ、一人ずつ面接ということでいいんじゃないか?」
俺が助け船を出した。
「申し遅れたが、私はこのギルドに所属するBランク冒険者のジラルド・スーザ。彼女はギルドマスターを務めるソフィア・アールヴだ。他にもう一人所属冒険者がいる」
──というわけで、一人ずつ面接という運びになった。
「……ジラルドさん」
ソフィアがつい、と俺の右袖を引っ張る。
「なんだ?」
「その、私一人だと不安なので一緒にいてもらってもいいですか?」
「ああ、もちろんだ」
じゃあ、面接タイムの始まりだ。
これからの『癒やしの盾』を支えていく人材かもしれないし、きっちり見極めないとな。
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