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10 復帰

「終わりだ、モンスター」


 前方から押し寄せる巨大なサイのような怪物──Sランクモンスター『ベフィモス』に向かって、俺は剣を振り上げた。


 今の俺は全身に黒い鎧をまとい、巨大な剣を構えた姿だ。

 物質化した闘気で武装した『黒き剣帝』バージョンである。


「はああああああああっ!」


 気合いとともに剣を振り下ろす。


 放たれた赤黒二色の斬撃波は竜の形になってベフィモスを粉砕した。


 冥皇封滅剣、一の型・(きわみ)──『紅帝火龍(こうていかりゅう)』。


 Sランクモンスターを得意の奥義で瞬殺した俺は、現場を引き上げる。


 復帰後の戦績は絶好調だった。

 すでにSランクモンスターを三体、Aランクモンスターは十体以上を討伐している。


 できるだけ難度の高い討伐クエストをたくさんこなし、『癒やしの盾』のギルドランクに貢献していきたいところだ。




『癒やしの盾』本部の周りには、他に二つの冒険者ギルドがある。

 二つとも『癒やしの盾』より少し規模が大きい程度で、一方がC、もう一方はDランクギルドである。


 合計で三つもギルドがある関係上、この辺りには冒険者の行き来が多い。

 今も、三人組の女冒険者たちとすれ違った。


「あの方が伝説の『黒き剣帝』……?」

「仮面の剣士という話でしたけど、素顔も素敵」

「ちょっと年上だけど、恋しちゃいそう……」


 と、彼女たちが俺のほうを振り返りながら、口々に言っていた。


 少し前までに比べて、俺の知名度が上がってきたようだ。

 しかし、若い女性たちからああいう反応をされると、なんとも全身がくすぐったくなるような気恥しさを感じる。


 俺はもういい年のオッサンだからな……。


「……大人気みたいですね、ジラルドさん」


 いきなり俺の背後にソフィアが現れた。


「いや、まあ……最近、ああいう反応をされることがときどきあるんだ」

「ふふ、おモテになってよかったじゃないですか」

「どうしたんだ、ソフィア。表情が険しくないか……?」

「……気のせいですよ。私、ヤキモチなんて焼いてませんから」

「ソフィア……?」


 やっぱり少し怒っているような顔だ。

 一体どうしたんだろうか。


「そういえば、どうして君はここに?」

「買い出しに来た帰りなんです」


 俺の問いに答えるソフィア。


「じゃあ、今から戻るんだな? 俺も本部に行くところだったし、一緒に帰るか」

「! ジラルドさんと一緒に……は、はい、ぜひ!」


 ソフィアは妙に勢い込んで言った。

 頬がほんのりと赤い。


 キラキラと俺を見つめる瞳はどこまでもつぶらで、純粋で──つい魅入られてしまった。

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