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黒き剣帝 元最強のアラフォー全盛期を取り戻して無双ハーレム  作者: 六志麻あさ @『死亡ルート確定の悪役貴族2』発売中!
第6章 帰還

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12 黒き剣帝の帰還

 ギルド『癒しの盾』では、若きギルドマスターが苦悩していた。


「はあ……」


 執務室で書類仕事をしながら、ソフィアはため息をもらす。


「ジラルドさんと……母さんがそんな関係だったなんて」


 堕天使ノアとの戦いの際、彼女のスキルは今までよりもはるかに高まった。

 そしてジラルドとともに、彼の過去を垣間見る機会があったのだが──。


 そこでソフィアは知ってしまった。

 かつて、自分の母がジラルドと恋人同士で会ったことを。


 同時に気づいてしまった。

 少なからずショックを受けている自分自身に。


「ジラルドさん……」


 つぶやきつつ、そっと自分の唇に触れた。


 あのとき、無我夢中で彼に口づけしてしまった。

 ソフィアにとって生まれて初めての体験だった。


「私……もしかして、ジラルドさんのことを……?」


 ソフィアの頬が熱く火照っていた。


 彼の名は──『黒き剣帝』の勇名はふたたび広がりつつある。


 なんといっても、邪神軍で最強の一角といえる第一階位堕天使を撃退したのだ。

 その功績は計り知れない。


 以前の大戦で『黒き剣帝』が主に活躍したのは、海を隔てた別の大陸である。

 だが今度は、この大陸でも彼の名が広まりそうな気配だった。


 そしてそれに伴い、『癒しの盾』の名も広まりつつある。


 すべてはジラルドのおかげだ。


『癒しの盾』を盛り立てていく──。

 以前、彼はそう約束してくれた。


「あ、でもそれって……母さんの残したギルドだから、っていう理由よね。ジラルドさん、もしかして今でも母さんのことを……?」


 考えると、胸の奥に疼くような痛みが走った。


 母に嫉妬している──。

 そんな自分に気づき、ソフィアはまたため息をつくのだった。


    ※


 ノアとの激闘を終え、異能の里から帰還して二日。


『癒しの盾』の本部内で受注予定の依頼書を見ていると、


「お体の具合はどうですか、ジラルドさん?」


 ソフィアが歩み寄ってきた。


 ノアとの戦いでは、今まで以上に闘気を使った技を連発した。

 さらに奥義中の奥義ともいえる『剣帝の闘気』まで使用したのだ。


 それを使った際、俺は闘気だけでなく肉体の耐久力も全盛期にまで戻っていた。

 ソフィアのスキルの、新たな段階だ。


 おかげで、スキルが解けて元の状態に戻った後も、体への反動はそれほど大きくない。


 とはいえ、ダメージが皆無というわけでもなかった。


「まあ『剣帝の闘気』はあくまでも切り札──最後の手段という位置づけにしておいたほうがよさそうだ」


 俺は苦笑交じりに説明した。


「私は、ジラルドさんのお体が心配です」


 ソフィアが言った。


「えっ」

「冥皇封滅剣のことや大戦当時の『黒き剣帝』の話などを、この二日であらためて調べていたんです。私が思っていた以上に、肉体に反動がかかる技なんですね……」

「まあ、な」


 だからこそ、普段の俺は並みか、それ以下の実力の冒険者に甘んじているのだ。


「きっと、今までの戦いやこれからも闘気を使ったダメージは蓄積していくと思うんです。それでもジラルドさんは冒険者を続けるのですか?」

「一度は引退するつもりだったよ。『栄光の剣』を追い出されたときに」


 ソフィアの問いに答える俺。


「だけど今は続けようと思うし、続けたいと思う。『癒しの盾』を立て直すために。そして邪神軍に立ち向かうために」

「そう言うと思っていました」


 ソフィアはため息をついた。


「では、やはり闘気のダメージを解消する方法を探すべきですね。スキルか、あるいは魔法か……きっと何か手段があると思うんです」

「ソフィア……?」

「だって、ジラルドさんは、私の大切な──」


 言いかけて、彼女の顔が真っ赤になった。


「あ、いえ、その……とにかくジラルドさんのお体が心配ですので」


『もう、あんたはいつも無茶ばかりするんだから! もっと体を労わりなさい!』


 若いころ、恋人だったレフィアに言われたことを思い出す。

 似たようなセリフを、今度は娘であるソフィアから聞くことになるとは──。


「確かに、体は大事にしないとな」


 苦笑交じりに答える俺。


「邪神軍の攻勢はこれから強まっていくだろうからな。若いころみたいに無茶ばかりしているわけにはいかない」


 その辺は四十四歳の、年齢相応の肉体と相談しつつ。

 俺は『癒しの盾』所属の冒険者として、そして邪神軍に対する戦力の一端として──これからも剣を振るっていこう。


次回から第7章になります。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!

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挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
[一言] 姪っ子みたいなもんかな 感覚的にはw
[気になる点] ジラルドォ〜………ソフィアの気持ちを気づいてくれ〜!
感想一覧
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