7 総力戦
「最大級流水魔法――『水牙竜導』!」
「魔力斬!」
アルジェラーナが水の竜を、ミリエラが魔力の刃を放つ。
二つの攻撃呪文は空中で絡み合い、刃をまとった水竜となってゴルゴーンを直撃した。
大爆発が起きた。
その中心部でゴルゴーンが嘲笑する。
「くっくっく、今何かしたか?」
無傷だ。
「効かない――」
アルジェラーナとミリエラが戦慄の声を上げた。
「なら、これで!」
今度は俺の番だ。
『紅蓮の闘気』による斬撃を矢継ぎ早に放つ。
「無駄だ!」
だが、ゴルゴーンが一喝すると、俺が繰り出した赤い竜の形をした斬撃波群はまとめて消し飛ばされた。
「こいつ……っ!」
「今のあたしは、お前たちとは攻撃力の桁そのものが違う。半端な攻撃など、あたしに届く前に消し飛ぶのだ!」
「ならば――半端ではない攻撃魔法を使えばよいのだな?」
アルジェラーナがニヤリと笑った。
「わらわの全魔力を撃ちこむ! みんな、援護を!」
アルジェラーナが叫んだ。
「全魔力を……?」
「早々に使うことになるとは思わなかったぞ……対邪神軍用の切り札として開発した呪文を」
にいっ、と。
『青の魔女』は凄絶な笑みを浮かべた。
それからふわりと飛びあがった
「おおおおおおおおおおっ!」
魔力の翼を生やしたアルジェラーナがまっすぐに突っこむ。
「撃ち落としてくれる!」
それを迎撃せんと無数の槍を体中から射出するゴルゴーン。
「させるか!」
俺は闘気剣を数十単位で作っては撃ち出し、それらを片っ端から破壊した。
今の俺の役割は、アルジェラーナの援護だ。
彼女には一本たりとも当てさせない――。
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