1 ソフィアの力
「ソフィア、それは一体――」
「私のスキルが少し成長したみたいなんです」
驚く俺にソフィアが説明した。
どうやらソフィアのスキルは『過去に発現した俺の攻撃』を再現することができるそうだ。
時空に干渉し、俺の全盛期を現出できるスキル――そのバリエーションということか。
いや、そもそも『時空に干渉する』というのがスキルの効果内容なら、もっと幅広い現象を起こすことが可能かもしれない。
どちらにせよ、今のソフィアは、限定的とはいえ俺と同等の攻撃を再現できる。
いわば、全盛期の俺が二人いるようなもの。
これなら、あるいは――。
「ゴルゴーンとの戦いの決定打になるかもしれないな」
ともあれ、まずは目の前の聖獣軍団を片付けることからだ。
「こいつらは俺が薙ぎ払う」
俺は剣を構えた。
「ソフィア、スキルをかけてくれ。リーネは援護を頼む」
「はい!」
「了解ですわ」
うなずくソフィアとリーネ。
「消し飛べ、聖獣ども――」
俺は大剣を一閃する。
攻撃力に特化した『紅蓮の闘気』による一撃。
さらにリーネの大火力攻撃魔法が荒れ狂う。
数百の聖獣軍団は剣と魔法の極大の攻撃波を食らい、まとめて消し飛んだ。
「ふう……」
「さすがです、ジラルドさん」
ソフィアとリーネが同時に微笑んだ。
「いや、君たちの力もあってこそだ」
俺が微笑を返す。
と、
「あら、堕天使も聖獣も退けましたか……思ったよりもやりますわね」
声とともに前方の空間が歪む。
ヴ……ン。
現れたのは、ゴルゴーンだった。
足止めをしていたアルジェラーナとミリエラはどうしたんだ!?
俺は慌てて周囲を見回す――。
「案ずるな、ジラルド。わらわたちがそう簡単にやられるはずがなかろう」
「やっとみんな一緒になれたねっ」
ゴルゴーン出現からワンテンポ遅れ、アルジェラーナとミリエラが出現した。
「君の目論見は崩れ去った。俺たちはソフィアと合流したぞ」
ゴルゴーンをにらむ俺。
「ふん、それくらいで勝ち誇らないでいただきたいですわね」
堕天使の少女は鼻を鳴らし、
「私はただより確実な勝利を求めただけのこと。合流したならしたで、叩き潰すのみですわ」
ぞくり……!
彼女の全身からすさまじい威圧感が放たれる。
ソフィアと合流できたとはいえ、決して油断はできない。
相手は第一階位堕天使なんだ。
「気を抜くな。全員で奴を倒すぞ」
俺はみんなにそう言った。
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