16 合流へ
「ジラルド様、捕まって下さい」
「えっ」
リーネが俺に近づいて来た。
「えいっ」
可愛らしい掛け声とともに抱き着いてくるリーネ。
「ど、どうした?」
「【フライト】ぉっ!」
飛行魔法だった。
恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしている。
「あ、歩くより、こっちの方が速いですから――」
言いながら、さらに顔を赤くするリーネ。
「……ああ、助かる」
彼女の飛行魔法はかなりの速度で、この空間内を縦横に飛び回る。
「どこだ……」
俺は目を凝らしてソフィアの姿を探した。
いくら転移神術といっても、そう遠くには行っていない気がする。
その読み通り、
「見つけた!」
おそらく三キロ程度先だろう。
そこに銀髪の女の姿がかすかに見える。
こんな空間にただの人間がいるとは思えないし、まず間違いなくソフィアだろう。
「このまま真っすぐ飛んでくれ、リーネ」
「了解ですわ!」
飛行魔法であっという間に三キロの道のりを進み、俺たちはその場に降り立った。
「ジラルドさん……!」
驚いたように振り返るソフィア。
その前には数百体の聖獣がいた。
いくらなんでもソフィアがこの数を相手にするのは無理だろう。
「敵に襲われようとしていたんだな。間に合ってよかった」
「いえ、その……」
ソフィアが俺を見つめる。
「すでに、襲われていました」
「えっ」
「堕天使の方は倒すことができたんですが、その後に出てきた聖獣は数が多くて――」
「君が、堕天使を倒した……?」
一体、どういうことだ?
疑問に思ったとたん、
ボウッ!
ソフィアの周囲から赤いオーラが沸き上がった。
「こ、これは――」
驚く俺。
間違いない。
このオーラは、俺と同じ――。
『紅蓮の闘気』だ。
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2巻発売時期に合わせ、また連続更新をしていく予定なので、再開まで今しばらくお待ちいただけましたら幸いですm(__)m
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