14 ソフィアの戦い3
ヴ……ンッ。
ソフィアの胸元に光り輝く円盤が出現した。
どうやら、物質ではなくエネルギーが映像化したようだ。
「これは――?」
円盤の内部には文字盤のような紋様がある。
「もしかして……私のスキルを表しているの……?」
ならば、この円盤は自分の意思に応じてなんらかの変化を起こすのだろうか。
自分の意思で、動かせるのだろうか?
かちり。
長針が大きく動き、止まった。
本来の時計とは逆回りの動き。
時間を――巻き戻すような動き。
同時に、彼女の周囲に赤いオーラが立ちのぼる。
まるで、ジラルドの闘気のようなエネルギーだ。
「時空に干渉して、ジラルドさんの力を呼び出している……?」
おぼろげだが理解できてきた。
自分の意思で、円盤を操作できるようだ。
ならば――、
「お願い、ジラルドさん――私に、力を!」
ソフィアは念じた。
強く、強く。
淡い想いを抱く男の姿を。
いや、すでに『淡い想い』ではない。
相手が母のかつての恋人で、しかも自分とは親子ほども年齢が離れている――そんな遠慮から自分の気持ちを踏み出せないでいた。
だが、もう立ち止まらない。
すでにソフィアははっきりと自覚していた。
彼に対する恋心を。
「私は、ジラルドさんが好き……!」
口に出すことで、想いはますます募った。
「あなたの力を、貸してください……!」
ソフィアが突き出した右手に巨大な剣が生まれる。
闘気が物質化した大剣である。
見た目に反して、その剣は羽のように軽かった。
「冥皇封滅剣、一の太刀――『紅帝火龍』」
ゆっくりと振り下ろす。
刀身からほとばしった炎が竜の形となり、堕天使たちを飲みこんだ。
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