10 ゴルゴーンの妖眼2
「99%……だと」
うめく俺。
石化に限らず、状態異常系の術というのは総じて成功率が低い。
当たり前だ。
もし成功率が高ければ、状態異常系の術を連打できる奴が最強になる。
だが、現実はそうじゃない。
その成功率の低さゆえに、状態異常系の術は『外れ』とみなされることもあるくらいだ。
しかし――ゴルゴーンの瞳術の成功率は100に限りなく近い。
まぎれもない最強クラスといっていい能力だ。
どう戦うか――。
全身に緊張感がみなぎる。
「……絶対に元に戻してやるからな」
と、ヴェルナに視線を向けた。
「ふふ、私を倒せば石化は解けますよ」
ゴルゴーンが笑う。
「倒せれば、ですが」
「自信があるようだな」
「確信ですわ。私を倒すことは誰にもできません」
ゴルゴーンの両眼に妖しい輝きが宿る。
「さあ、石になりなさい!」
「【リアクトⅦ】!」
同時にアルジェラーナが呪文を唱えた。
「くっ!?」
ゴルゴーンの放った光は、アルジェラーナの防御膜によって跳ね返された。
自らの光を浴びた堕天使が、たちまち石化する。
「ふむ、石化神術の使い手か」
アルジェラーナが肩をすくめる。
「決まれば必殺――だが、えてしてそういった術は、自分に跳ね返ったときに致命傷となりうるからの」
「さすがだな、アルジェラーナ」
俺はふうっと息をついた。
さっきの攻撃、彼女が跳ね返してくれたからよかったものの、もし直撃を受けていたらどうなっていたか――。
「こういうのは、わらわの仕事だ」
こともなげに告げる『青の魔女』
「それより気を引き締めるがいい。奴はすぐに復活してくる」
「えっ、石になってるんだよ……?」
ミリエラが驚いたように言った。
「第一階位堕天使をそれくらいで倒せるなら苦労はせぬ。前の大戦でもわらわたちは散々苦しめられたものだ――」
アルジェラーナが言った。
「とにかく、わらわたちが目指すのはソフィアとの合流じゃ」
と、俺たちを見回す『青の魔女』
「あの娘がおらんとジラルドは全盛期の力を発揮できん。ミリエラ、リーネ、ヴェルナ。お主らの力を借りるぞ」
「俺だって全盛期ほどじゃなくても戦えるさ」
「いや、駄目じゃ。お主の体に長年のダメージが蓄積していることは分かっておる。ソフィアのスキルが使えない状況で無理をするな」
「アルジェラーナ……」
「お主は切り札じゃ。まず奴を倒すか、少なくとも痛撃を与えて隙を作り、ソフィアと合流する。まずはそこから――」
アルジェラーナが剣を抜いた。
杖ではなく、剣を。
ここからは『魔法使い』ではなく『魔法剣士』としてのバトルスタイルで戦うつもりか。
「いくぞ。足を引っ張るなよ、ミリエラ、リーネ!」
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