8 ミリエラVSヴェルナ、決着
――その後、実力伯仲の勝負は三十分近く続き、ついに決着のときを迎えた。
ごおおおお……ぉぉぉぅ……っ……!
すさまじい閃光と衝撃波が、まだ荒れ狂っていた。
その中心部には魔法剣士のエルフ娘と、双刀の少女剣士がいる。
「ふうっ、危なかった……」
ミリエラが手の甲で額の汗をぬぐった。
「うう……もうちょっとだったのに……」
ヴェルナがその近くで地面に横たわっていた。
「はあ……まだまだだなー、あたし……」
悔しそうだ。
「だが、いい勝負だった。ミリエラも、ヴェルナも強かったぞ」
俺は二人をねぎらった。
――実際、紙一重の勝負だった。
高速で突進するヴェルナに対し、ミリエラは魔法弾を連射。
それを双刀でさばきつつ、さらに距離を詰めるヴェルナ。
一方のミリエラは距離を離すことを諦め、一転して自らも突進。
大量の魔力を推進エネルギーに変え、さらにミリエラの一撃にカウンターを狙って、起死回生の一閃。
それが決め手となり、ヴェルナは打ち倒された。
カウンターを鮮やかに決めたミリエラが見事だった、というべきだろう。
一歩間違えれば、ヴェルナの一撃が先に決まり、ミリエラの方がKOされていたはずだ。
「本当に、熱のこもったいい勝負だった。二人ともすごかった」
「えへへ、師匠に褒められちゃった」
ミリエラが嬉しそうに目を細める。
「そっか、ミリエラってジラルドさんの弟子なのよね……羨ましい」
ヴェルナがジト目でミリエラを見る。
「いいでしょー」
「うん、すごく」
「えへん」
二人はさっきまでの激しい戦いから一転、いきなり和んでいるようだ。
「どうだ、アルジェラーナ。ヴェルナもメンバーに加えるか?」
「うむ。思った以上にやるようだし、六人目は彼女でよさそうじゃ」
俺の問いにうなずく『青の魔女』。
「じゃあ、決まりだな。この六人で異空間に乗りこみ、封印解除装置を破壊する――」
「決行は三日後じゃ。異空間に行くための空間転移術式を準備するのにそれだけかかる」
アルジェラーナが言った。
「三日後の夕刻、ここに集まるとしよう」
こうして、いったん解散になった。
三日後の夕刻に『癒やしの盾』の中庭に集まり、空間転移をする。
それまでは自由時間である。
【お知らせ】
本作の書籍版1巻が8/5に発売されます!
∴先生の素敵かわいいイラストや書下ろしエピソードを収録しています!
下部の表紙イラストをクリックすると公式ページに飛べますので、ぜひ!
【読んでくださった方へのお願い】
ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある
☆☆☆☆☆をポチっと押すことで
★★★★★になり評価されます!
「面白かった!」「続きが読みたい!」「作者がんばれ!」
と思っていただけましたら、ぜひポチポチっとしていただけましたら励みになります!
「面白くなかった!」
ときは(ごめんなさい……)★1でも結構ですので、ポチっとしていただけると嬉しいです