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3 継ぐ者1

 状況を伝える、と言っても、堕天使も聞いている状況で封印解除装置のことを伝えるわけにはいかない。

 とりあえず戦線を離脱してもらい、こっちに向かわせたいところだが――。


「大丈夫です。この通話魔法には、わたくしとおじいさまにしか聞こえない声で話す術式も汲みこまれていますから」


 リーネが言った。


「じゃあ、封印解除装置のことを伝えてもらえるか? もちろん、あのザグナークとかいう堕天使には聞こえないようにな」

「承知いたしました」


 リーネを介し、俺たちは手短に状況を伝えた。


「……なるほど。では、私もそちらに行ったほうがよさそうですね」


 ガウディオーラがうなずいた。


 彼の方もザグナークに聞かれないよう、小声で話しているのは言うまでもない。


「――と言いたいところですが」

「えっ」

「私はここで堕天使を食い止めます。そのミッションには……リーネをつけてもらえませんか」

「ガウディオーラ……?」

「未熟とはいえ、孫の潜在能力は私を超えています。戦いの中で磨かれ、あるいは私を凌駕していくかもしれません」


 ガウディオーラが語る。


「それに――今後、邪神以外にも新たな世界の脅威が現れたとき、それに立ち向かうのはリーネのような若い世代。次代の力を磨いておくことも大事でしょう」

「でも、あんたは――」

「あの堕天使は邪神の命を受けて侵攻してきました。どうやら邪神軍の本格的な大攻勢が始まるようなのです……私は周囲の被害を最小限にするために、奴を食い止めます」

「だけど――」


 俺は、とっさに言葉が出てこなかった。


 いくらガウディオーラといえども、年齢による衰えはあるはずだ。

 俺自身がそうであるように。


 長命のエルフであるアルジェラーナは例外として、かつての英雄であるミーシャやマチルダだって同じように衰えているのだ。

 相手がかつての第一階位よりも強い『新世代』では、勝ち目は薄いだろう。


「どのみち、私は大きなダメージを受けてしまいましたし、魔力の消耗も激しすぎる……ここ数日内でのミッションなら、君たちの役に立てないでしょう。足手まといになってしまう……」


 ガウディオーラが語った。


「ガウディオーラ、あんたは……」

「頼みましたよ、ジラルド」


 言うなり、『白の賢者』は魔法陣に背を向けた。

 堕天使ザグナークと対峙する。


 話はここまで、ということか。


 優しい性格だが、言い出したら絶対に聞かない男であることも分かっていた。

 長い付き合いだからな……。


「……死ぬなよ、ガウディオーラ」


 俺は悲痛な気持ちでつぶやいた。

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